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舗装工事約16万8千平方㍍、伸縮継手交換140レーンなど

阪神高速道路 3号線の深江~武庫川間9・5㌔をフレッシュアップ

公開日:2015.06.01

 阪神高速道路は5月26日午前4時~6月3日午前6時の間、3号線の深江~武庫川間9.5㌔区間を通行止めしてフレッシュアップ工事を進めている。平成20年度から続けて行っている3号神戸線フレッシュアップ工事の一環で、今回の工事を持って一区切りとなる。施工数量は舗装補修工事が約168,000平方㍍、伸縮継手交換工事が約140レーン、床版連結工事が8レーン、その他案内標識板との取替、交通安全対策、構造物点検、その他簡易補修工事など。延べ作業人員は約一万人、延べ作業車両台数は約6,000台に達する予定。工事費用は約21億円を予定している。

(左写真)舗装の撤去/(右写真)伸縮装置の交換
 同路線の交通台数は1日平均9.8万台に達し、その約2割を大型車が占める。また、同区間は阪神・淡路大震災の直後にいち早く舗装を高機能化した路線であるが、その後舗装の全面的な打ち替えは行われておらず、経年劣化によるポットホールやひび割れ、轍ぼれなど舗装やジョイントなどに傷みが生じている箇所もあった。そのため今回は区間内の実に94%を占める部分で舗装を打ち替える。またジョイントは14%を占める部分で鋼製フィンガージョイントを簡易鋼製ジョイントなどに交換する。

 同区間内はRC床版と鋼床版があるが、RC床版は鋼板接着、鋼床版はストップホールなどで既に対策を完了しており、今回の現場でも現在までのところ目立った損傷は生じていないが、大規模更新・大規模修繕を考慮して、区間内の鋼板接着補強済みのRC床版(2×4㍍大の範囲)を切り出し、輪荷重走行試験など耐久性の確認試験を行う。

舗装の切削
 また、伸縮継手の交換だが、撤去については工事騒音を低減するためワイヤーソーを用いた低騒音工法を積極的に採用している。また、舗装との段差が生じることを防ぐために、一旦舗装打ち替え工事でジョイント部も仮埋めした後、改めてジョイント部のみ舗装を除去し、新しいジョイントを据え付け、継ぎ目部分には超速硬コンクリートを打設し、コンクリートを丁寧に舗装と同じ高さになるように均している。

 床版連結については、ひび割れが多少生じることを前提として連結部の鉄筋にエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用、水、とりわけ冬季に散布する凍結防止剤を含む水が浸透しても腐食を生じないよう予防保全している。
 交通安全対策としては、渋滞が比較的多く発生する深江のサグ部の約1㌔区間(芦屋市平田町~神戸市東灘区深江本町)に阪神高速として初めて速度回復誘導灯を試験的に設置する。

試験的に設置された速度回復誘導灯
 NEXCO東日本のアクアラインや首都高速道路などでも採用されている設備で、同社では初めて採用した。今後は点灯速度や色などを何種類か試験した上で秋口にも本格稼働したい方針だ。(詳細は6月16日「現場を巡る」で掲載予定)(井手迫瑞樹)

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