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首都高速道路大規模更新

高速1号羽田線の東品川桟橋・鮫洲埋立部の更新工事説明会を開催

公開日:2014.12.09

 首都高速道路は1日、大規模更新事業の嚆矢となる高速1号羽田線の東品川桟橋・鮫洲埋立部の更新工事説明会を開催した。 
工事条件
 同工事の設計・施工延長は約1,900㍍(土工部約600㍍、高架部約1,300㍍)で全区間を一括発注する予定。工期は平成38年9月30日までを基準とする。更新に際しては道路の幅員を現状の17㍍から18.2㍍に広げるとともに、並行する東京モノレールからの一定の離隔の確保、桁下クリアランスを現状よりも大きくとることで将来の維持管理性を確保する。また、工事の計画立案にあたっては9つの前提条件(表①)を付けている、制約条件が列挙される中、既設構造物の海底面以深については残置可としており、撤去作業の軽減に大きく寄与する。

                 表① 工事の主な前提条件
 住宅地が連坦する区間のため、作業は原則8時~17時の昼間。例外として高速道路の夜間車線規制を伴う作業は上り線が日、月、火曜日の22時~翌朝6時、下り線が水、木、土曜日の20時~翌朝6時としており、舗装切削やコンクリートはつりなど大きな音が出る作業は23時までに限定する。また、東京モノレールに近接する場所での作業は0時35分~4時に限定する。

7つの技術提案評価項目示す

契約手続
 契約方式は「技術提案審査・価格等交渉方式」の試行対象工事として発注される(詳細は表②)。来年1月下旬から手続きを開始、7月上旬に契約を締結し、単価協議の上、8月上旬には単価合意書を締結する予定。要求する技術提案の範囲は、迂回路をを含む工事目的物の構造・施工方法、但し水管橋の構造、付属物工は除く)
 技術提案評価項目(案)は、①早期の工事進捗(工期短縮)、②高速道路交通規制の縮減、③耐久性の確保、④維持管理性の確保、⑤安全対策、⑥周辺環境への配慮、⑦その他の配慮事項――となっている。

                 表②契約手続の概要(案)

独自の検討案を示す
上部工は鋼細幅箱桁、プレキャストPC床版
RCボックス工にはエポキシ樹脂被覆鉄筋も

首都高検討案
 首都高速道路は更新工事説明会で、たたき台となる検討案を示した。東品川桟橋部に予定する橋梁形式については、東京モノレールなど近接構造物への影響を抑制するとともに工期短縮を図るため、基礎が鋼管矢板井筒基礎中堀圧入工法、橋脚が鋼製橋脚、桁が鋼製細幅箱桁(トラッククレーン+ベントおよび送り出しによる架設を想定)、床版構造がプレキャストPC床版をそれぞれ例示している。
 鮫洲埋立部に予定する土工部の検討案は、地盤改良工+RCボックス工。特にRCボックス工については、海岸部に位置していることから、十分な鉄筋被り厚を確保するとともに、エポキシ樹脂被覆鉄筋を採用することで耐久性の向上を図っている。
 なお、検討案は「技術提案内容を拘束するものではない」(首都高速道路)としている。

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