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インタビュー詳細

2017年わが社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ⑤巴コーポレーション

期初の計画値大きく上回る業績 創業100周年で今秋に謝恩会

株式会社巴コーポレーション
代表取締役社長
深沢 隆 氏

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業の一つと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を訪ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。第3回目は、巴コーポレーションの深沢隆社長の記事を掲載する。


 ――建築鉄骨、橋梁、鉄塔の現状について

 深沢 建築鉄骨の需要は当面、増加が予想される。当社は得意とする大空間物件に主軸を置いて営業展開を図っており、東京五輪大型関連施設などの受注により、例年と比べて高い生産山積みが確保できている。

 ポスト五輪については、東京再開発関連のビル鉄骨が中心になっていくと予想されるが、大型のプラント関係の出件も予定されており、生産能力、特性に合った受注展開を図りたい。

 新橋の発注量は、大幅に増加する傾向にはないとの見方が大半である。このような状況下にあって、当社の橋梁受注は、比較的順調に推移している。技術提案力、官積精度、工事評価点アップなど地道な取り組みの成果ではないかと考えており、今後も継続して努力していく。

 橋梁保全については、動向を見極めつつ、必要な実績作りを計画的に実施する。

 鉄塔は、発送電分離に伴う送電網整備により、今後10年程度、安定した発注量が見込まれる。特に当社の主要客先である東京電力殿においては、新たに向こう2年間にわたったアライアンス契約に基づく発注を採用しており、生産量目は確保されるものの、厳しい単価設定となっている。ICTを活用した仮組立省力化やアッセンブル化など、いわゆる生産革命的な取り組みが求められる。

 ――昨年度の業績は

 深沢 29年度は売上高275.4億円、営業利益27.6億円(10.0%)となり、期初に立てた事業計画値を大きく上回ることができた。不動産事業を除く本業の建設鉄構事業においても、直近20年間で最高の利益水準となった。

 ――今年度の業績見込みと事業展開について

 深沢 社外発表値は、売上高325億円、営業利益20億円としている。できれば、増収増益を図りたい。

 また、現在取り組み中の中期5カ年経営計画は、最終年度である31年度における営業利益22億円を目標としている。これについては、30年度までは、見通しを得ているものの、31年度に向けてどう取り組むかが経営課題である。



湾岸道路本牧地区3・4号橋工事(巴・宇部特定建設工事共同企業体)


 ――設備投資の計画は

 深沢 老朽化設備更新、ソフト整備、システム開発を積極的に推進している。

 基幹である小山工場においては、管理棟を新築した。また、十和田工場では、隣接地を購入予定である。いずれの工場においても、次ステップをにらんだレイアウトの見直しを行いたい。

 ――新分野の進出と新技術開発については

 深沢 まずは、以下に列挙する現有事業の周辺開拓を展開中である。一つは、当社の構造設計部隊を活用した、いわゆるノンファブ志向の鉄構エンジニアリング事業の推進。二つは、鉄骨建方工事の事業領域の拡大。三つは、橋梁以外の土木鉄構分野への参入。四つは、総合建設と鉄構のコラボレーションによる事業領域の拡大である。

 さらには、新規分野の創出を模索中である。

 技術開発については、お家芸である大空間構造、鉄塔に関する技術開発はもちろんであるが、技術提案力アップにつながる橋梁研究を、積極的に推進していく。



日立市体育館


 ――部門ごとの課題と具体的な対策は

 深沢 鉄構事業においては、当面、納期遵守が最大課題となる。まずは、営業と生産部隊が一体となり、マイルストーンを設けるなど、工程管理の強化が必要となる。併せて、品質管理などの基本的事項は確実に行う。

 また、将来を見据え、コスト競争力アップに向け、今の時期にやるべきことをしっかり行う。

 当社は、今年、創業100周年を迎え、今秋には謝恩会を開催する。この創業100周年を契機に、中期的には的を得た次の5カ年経営計画の策定、長期的には次の100年を見据えた魅力ある企業づくりにまい進することが求められる。(聞き手・大熊稔 文中・敬称略)