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鉄道・道路が寸断される中、いち早く応急復旧にこぎつける

NEXCO東日本北海道支社 リダンダンシーを見事に発揮した道東自動車道

東日本高速道路
北海道支社
道路事業部長

加納 正志

公開日:2017.05.31

MMジョイント160箇所以上で施工
 深川大橋、アネップ川橋などでジョイント交換

 ――ジョイントの交換予定は
 加納 2016年度は深川・留萌自動車道(深川JCT~深川西IC)深川大橋 4基(P4橋脚、P6橋脚、P8橋脚、P13橋脚) で取り替えました。
 17年度は深川・留萌自動車道の深川大橋 で1基(A1橋台)、道央自動車道(江別東IC~岩見沢IC)の清真布川橋で3基(上下線P20橋脚、下り線P23橋脚)、幌向川橋で3基(下り線P10橋脚、上下線A2橋台)、南12号橋で1基(上り線P1橋脚)、岩見沢ランプ橋で1基(A1橋台)、道東自動車道(音更帯広IC~池田IC)のアネップ川橋で1基(P4橋脚)施工する予定です。
 ――遊間の狭い箇所ではMMジョイントなど樹脂タイプの埋設ジョイントが採用されるケースも増えていますが北海道支社管内はどういう状況ですか
 加納 MMジョイントは現在までに164箇所で設置しています。

コンクリート剥落防止対策は今年度28,000㎡実施予定
 鋼橋塗替えは16,600㎡ 素地調整は1種ケレン

 ――コンクリート剥落防止対策の進捗状況は
 加納 当社管内の剥落防止対策の対象面積は795,000㎡です。平成28年度末までに施工した面積は236,000㎡で、29年度は28,000㎡の施工を予定しています。剥落防止対策は、基本的にシート系を採用しています。



コンクリート剥落対策防止工

 ――鋼橋の塗り替え面積とPCBや鉛など有害物質を含む既設塗膜除去はどのような手法で行っているか教えてください
 加納 平成28年、平成29年の塗装面積は合わせて46,900㎡を予定しています。平成28年が30,300㎡、平成29年が16,600㎡という内訳になります。
 当社管内でPCBを含んだ既設塗膜は台帳上においてはありません。しかし、それで安心というわけには行きませんので、施工前には鉛等の有害物質の含有を塗膜成分調査により確認します。既存塗膜の下塗り塗料に鉛が使われていますので、平成26年5月の通達に基づき施工を行っています。
 ――昨年度および今年度の素地調整は1種ですか3種ですか
 加納 1種ケレンを用いるものと1種および3種を併用しているものがあります。
 ケレン種別は、塗装の劣化状況やさびの発生状況により決めます。



塗り替え塗装施工状況

 塗膜除去にブラスト(1種ケレン)を用いる場合は、外部に粉塵が出ないよう防護シートを設置するとともに、内部は送気、吸気装置、各種安全設備を採用して作業環境および作業者の安全性確保に努めています。
 1種ケレンにおけるブラストに循環タイプの工法もあるようですが、廃棄物処理の課題がございますので、将来的には比較していきたいとは考えています。
 塗膜剥離剤については、当社管内で使用した事例はありません。ただし、札樽道など人家連坦地域では騒音問題もあるため、騒音問題が心配される箇所については、塗膜剥離剤を使用する可能性もあるかも知れません。
 現在塗装塗り替えしている橋は山間部等が多く(音の心配がないため)ブラストを行うことが出来ると思います。
 ――ありがとうございました
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