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インタビュー詳細

2016年我が社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ④瀧上工業

グループの総力を発揮 設備投資は鉄骨分野がメーン

瀧上工業株式会社
代表取締役社長
瀧上 晶義 氏

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業の一つと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を訪ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。26日は、JFEエンジニアリングの川畑篤敬常務執行役員と瀧上工業の瀧上晶義社長の記事を掲載する。


 ――15年度の業績は。

 瀧上 売上高が191億円(連結)、営業利益が18億8000万円、経常利益が21億2000万円、当期利益が17億2000万円で、売上高、営業利益ともに前連結会計年度と比較し増収増益となった。

 その要因は、14年度は第3四半期から子会社の数値を反映させた連結経営成績であったが、15年度は年間を通しての連結経営成績となったためだ。具体的に橋梁事業では、公共事業費がようやく下げ止まりの様相を見せるなか、15年度の橋梁発注量は前年度並みで推移。国土交通省の発注量が当初から減少するとの予測から、高速道路関連工事の営業に注力し、また大型保全工事の受注獲得のために技術提案力を向上させるなど一定の成果によって、橋梁部門の受注高は前年比8%増となった。一方、鉄骨事業では当社の主な受注先である電力関連の物件が端境期にあったことや市場の一服感もあり、選別受注したことで、大型工事の受注は少なく鉄骨部門の受注高は前年比69%ダウンとなった。


東海環状養老JCT高架橋中鋼上部工事(岐阜県)


 ――今期の見込みは。

 瀧上 15年度から瀧上グループ新中期3カ年計画がスタートした。14年9月に実施した関連会社6社の連結子会社化を受けて、グループの総力を発揮して「橋梁事業」「保全事業」「鉄骨・鉄構事業」「海外事業」「材料販売事業」「運送事業」「その他・新規事業」の個々の事業目標の達成に向けた計画を実行し、今期は連結売上高175億円、営業利益8億円、経常利益9億8000万円、当期利益7億8000万円を見込んでいる。

 具体的に橋梁事業および保全事業では、中部地区と復興事業の東北地区における受注活動をさらに強化し、首都高速および阪神高速などの都市高速道路の大規模更新、大規模修繕への対応策から配置技術者の増員と高度化、積算精度の向上や技術提案力を強化していく。その対応の一環として2年前に組織として保全本部を立ち上げており、応札件数を増やすためにも、人員を今後10名は増やしたい。鉄骨事業では引き続き、電力会社の火力発電用鉄骨を中心に受注活動を続ける。2020年関連やリニア中央新幹線など堅調な建設需要に対応するため、グループ企業の機能を最大限に活用し、設備や人員体制の再構築を実施し、生産能力の増強とコスト低減を目指す。

 ――設備投資は。

 瀧上 この5年間は主に橋梁分野で、箱桁パネルラインなどに約10億円程度投資した。今後は鉄骨・鉄構分野の投資がメーンとなり、具体的には、第2工場でのクレーン設備の強化などより大型構造物への対応を強化できるよう投資を実行していく。また、グループ内に鉄骨関連企業があり、そこと連携し、加工ラインの見直しや加工のスピードアップを図り、生産性の向上に努めていきたい。

 ――海外事業の現状は。

 瀧上 ベトナム工場が今年で設立から7年経過し、2年前から単年度で黒字化となった。月産300㌧で推移している。そして2年前の10月にはフィリピン・マニラに駐在員事務所を開設。同国では、アスファルト添加剤販売の事業化や耐震関連工事への対応、その他のアジア諸国でのインフラ需要拡大に対応していく。

 ――人材育成は。

 瀧上 地道な採用活動を続けるなかで、今年の4月に14名の新入社員を迎えた。当社では積極的に採用するため、全社的なリクルートチームを作り、担当者は全国に出向き、会社説明や採用活動を実施している。また、未来に羽ばたく新しい工場運営を目指して、部長・課長クラスで、次世代工場を検討するワーキンググループも立ち上げた。人材育成は重要な課題であり、人材の適材適所への配置、技術者、技能者を育てなければ未来がない。今後もモチベーションをあげながら、会社の成長を図っていく。(聞き手・和田徹、文中敬称略)