道路構造物ジャーナルNET

日本最大級の制震ダンパーを採用 主塔部・端部に配置

NEXCO中日本豊田保全 名港西大橋Ⅰ期線の耐震補強に着手

中日本高速道路株式会社
名古屋支社
豊田保全・サービスセンター所長

浦 敦

公開日:2016.08.01

コンクリート床版の損傷は比較的軽微
 鋼床版は名港中央大橋で疲労亀裂を確認

 ――床版の損傷については
 浦 床版補強は過去にも行ってきていますが、大規模更新に至るような損傷は今のところ出ていませんので、大規模更新・大規模修繕への対応は今後まとめていく方針です。管内の道路とりわけ床版はそれほど酷い状況ではありません。
 ――東名高速道路の床版は基本的に疲労が進んでいると考えていましたがそうではないのですね
 浦 今までも床版増厚などで補強の手を入れていましたから。もちろん供用から長い年月がたっていますから、相応に損傷しており長期的にみると大規模更新や大規模修繕が必要になります。ただ、直近の対応が必要な箇所はないということです。
 ――床版増厚層の新旧界面での層間剥離は
 浦 今、課題になっているものはありません。

名港中央大橋鋼床版で疲労亀裂
 抜本対策にSFRCの施工を検討

 ――鋼床版は
 浦 伊勢湾岸道路の名港中央大橋のデッキプレートが12㍉厚のUリブタイプの鋼床版で疲労亀裂が生じています。部位は路肩と第一走行部の境界付近で、2014年に初めて疲労亀裂を確認しました。溶接部からUリブ本体に亀裂が進展しており、ストップホールおよび当て板によって補修を行いました。デッキプレート貫通亀裂も一部で確認されています。引き続き他の損傷箇所にも当て板補修またはUリブの取替えを予定しているほか、恒久対策として鋼床版上面にSFRC(鋼繊維補強コンクリート)を打設(舗装の基層部をSFRC化)することも検討しています。


名港中央大橋の鋼床版疲労亀裂

 ――SFRCは全面施工するのですかそれとも当該車線部のみを補強するのですか
 浦 本当は全面施工が一番良いとは考えていますが、規制の問題などもあり検討中です。施工はできるだけ交通負荷を軽減する施策を考えた上で、予防保全の観点から早く対策を施したいと考えています。

橋脚耐震補強を13基で施工
 支承取替は37基 伸縮装置は5基で取替

 ――耐震補強の進捗は
 浦 一般橋梁の橋脚の耐震補強は概ね完了しており、今後、特殊橋梁の耐震補強を進めていきます。
 現在は柱の頭部や基部にヒンジがあるロッキングピアを有する橋梁(窪美橋、岡崎橋、豊田橋、伝馬橋)について耐震補強を行っています。今年度は豊田橋など7橋で橋脚耐震補強(RC巻き立て)を13基、支承取替工(BP支承からゴム支承へ)を37基、伸縮装置取替工(荷重支持型 非排水構造)を5基、橋台パラペット改良工を1基、断面修復工を1式施工します。


一本ローラー支承

 また、地震時の挙動が複雑な名港東大橋・名港中央大橋・名港西大橋(Ⅰ期線)・名港西大橋(Ⅱ期線)の特殊橋梁の耐震補強については、学識経験者による検討会の中で設計基本方針や対策工法の検討・策定を実施しています。一番建設年次の古い名港西大橋(Ⅰ期線)を先行して地震動の特性や構造物固有の特性を把握した詳細設計を完了しています。昨年度末から工事着手しました。

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