道路構造物ジャーナルNET

淀川左岸線、府県間道路の整備も着々

大阪府 新名神開通に合わせてアクセス道路整備

大阪府都市整備部
交通道路室
道路整備課長

久保 幸太朗

公開日:2016.01.20

 大阪府は狭い面積の中に880万の人口を抱えている。大阪市および最近では堺市が政令市となり道路権限を移譲したが、なお、新名神のアクセス道路、和歌山県との府県間道路など、多くの事業を推進している。その内容について、大阪府都市整備部交通道路室の久保幸太朗道路整備課長に聞いた。(井手迫瑞樹)

全国46位の府土面積に全国3位880万人が密集
 新名神、京奈和道路が首都圏の圏央道の役割

 ――大阪府の概要から
 久保課長 大阪府は南北約90㌔、東西約60㌔で構成され、面積は全国で下から2番目ですが、人口は約880万人と東京、神奈川に次いで3番目となります。地勢的には西を大阪湾、他三方を山に囲まれていまして、和歌山、奈良、京都、兵庫の1府3県と境を接しています。大きな河川は琵琶湖を源とする淀川と、奈良を源流とする大和川があります。その河川の間が概ね大阪市を含む大阪平野が広がる地勢、地形です。
 大阪は南北に長い地形ですが、国土軸は大阪の主に北側を名神高速道路、中国自動車道、山陽自動車道が通っています。
 京都府との間は第二京阪道路が通っており、奈良県との間は第二阪奈有料道路、西名阪自動車道、南阪奈有料道路の各道路が通っています。和歌山方面は松原市から和歌山県田辺市方面へ行く阪和自動車道、関西全体として見ると京奈和自動車道があります。京奈和自動車道は、奈良県大和郡山市から和歌山市周辺で一部建設中ですが、平成28年度末には和歌山JCTまでが完成する見込みです。京奈和自動車道と新名神高速道路を合わせて関西大環状道路と呼んでいまして、これは首都圏における圏央道に匹敵する道路と言えます。(左MAP参照)
 また、大阪には東京でいう首都高速道路にあたる都市高速道路として、阪神高速道路があります。阪神高速道路の環状線は東京でいうと都心環状線に相当します。この環状線と放射方向の守口線や東大阪線、松原線などがネットワークしています。更に阪神高速道路とNEXCO西日本の高速道路を使って、近畿自動車道、阪神高速道路湾岸線、淀川左岸線、大和川線で構成される半径約10㌔の環状道路と放射方向の道路とをネットワークする(首都圏でいう外郭環状道路に相当する)都市再生環状道路も位置づけています。

淀川左岸線は5.6㌔開通、4.4㌔を建設中、
新たに8.7㌔を都市計画手続き中、28年度の都市計画決定目指す。

 大和川線は阪神高速道路(株)、堺市とともに建設中です。淀川左岸線は現在事業中の延長10㌔区間のうち、海老江JCTまでの5.6㌔は開通しています。現在は海老江JCT~新御堂筋までの4.4㌔を建設中です。さらに新御堂筋から近畿自動車道までの約8.7㌔を都市計画手続き中です。現在は環境影響評価準備書などの縦覧・説明会を10月から11月にかけて行ったところで、平成28年度の都市計画の決定を目指しています。

神戸~高槻間は平成28年度末供用へ
 高槻~八幡間も事業化、35年度供用予定

 ――新名神関連は
 久保 大阪府域の新名神建設事業は2段階で進めていまして、神戸JCT~(仮称)高槻第一JCT間約40.5㌔は用地買収も完了し、28年度末の供用を目指して工事を進めています。大阪府は用地取得を担当していますが、事業の速やかな進捗のため、専属の事務所を設けて、測量や境界確定を行い大阪府土地開発公社による買収を行いました。
 また、(仮称)高槻第一JCT~(仮称)八幡JCT・IC間約10.7㌔も事業化されていまして、平成35年度の供用予定に向け、今後建設が進められる予定です。
 大阪府が現在重点的に取り組む道路はいくつかあります。
 一つは新名神のICアクセス道路で3路線の道路事業を進めています。
 西から挙げていきますと1つ目は、(仮称)箕面ICにアクセスする国道423号と大阪府道路公社が管理運営する箕面グリーンロードへ接続するランプの建設を進めています。
 2つ目は(仮称)茨木北ICへのアクセス道路です。アップダウンの大きい山の中の道路事業で、いくつかの構造物の建設を予定しています。
 3つ目は(仮称)高槻ICへのアクセス道路です。現在の名神高速道路には高槻市内に出入口がなく高槻市域では初の高速道路ICとなります。同ICは市街地にあり、大阪と京都を結ぶ幹線道路である国道171号へ接続するアクセス道路の建設を進めています。同道路は多くの橋梁で構成されています

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