道路構造物ジャーナルNET

2021年わが社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ⑨駒井ハルテック

中期計画の達成へスパート 橋梁新設受注と補修を強化

株式会社駒井ハルテック
代表取締役社長

中村 貴任 氏

公開日:2021.10.18

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業のひとつと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を尋ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。6回目は、駒井ハルテックの中村貴任社長と、日本鉄塔工業の有田陽一社長の記事を掲載する。

 ――足元の状況から
 中村 21年度は鋼製橋梁全体で20万t近くの発注が出るだろう。金額的には新設と補修がイーブンのイメージだ。当社は要員を含めて補修が弱いため、今後の人材育成がポイントになる。組織面では橋梁保全事業室を今年4月に分離昇格させて橋梁補修更新部とし、体制を強化した。
 鉄骨事業は需要の端境期が長引いているが、都内の大型再開発の受注が決まり、23~24年度には工場稼働がピークを迎える見通しだ。特殊構造物を製作する子会社のKHファシリテックは順調に推移している。足元の課題として、鉄鋼メーカーの鋼材価格上昇が急激すぎて収益を圧迫しており、上昇分の転嫁が不可欠な情勢にある。
 ――工場の稼働状況は
 中村 富津、和歌山両工場ともに足元の仕事はやや少なく、稼働率は100%を少し切るくらいだ。年度内はこのレベルで推移するだろう。子会社の東北鉄骨橋梁は地場の物件が少なく、稼働率は良くない。富津、和歌山から仕事を回す余裕がないことも響いている。
 ――20年度は増益だった
 中村 連結売上高が前期比14.6%減の302億9,300万円と減収。営業利益は同720%増の4億5,600万円、経常利益は同201%増の8億2,500万円と大幅増益を確保した。だが、利益率がまだまだ低いと考えており、21年度は重点的に生産性向上に取り組み、収益向上を目指す。
 21年度業績は売上高350億円、営業利益4億2,000万円、経常利益5億2,000万円と増収減益を予想しているが、公表している以上の収益を確保したい。22年度が中期経営計画の最終年度となり、売上高500億円、営業利益30億円を目指している。
 ――21年度の滑り出しは
 中村 橋梁は第1四半期に関西圏で数件の物件を受注できた。東日本での受注はまだ足りない。組織面では今年4月に橋梁営業推進室を橋梁営業推進部に昇格させ、その下に橋梁提案課と橋梁積算課を新設して要員を増やした。
 鉄骨も第1四半期は厳しかった。ただ、首都圏を中心に物件が出ているので、年度後半からは受注が増加し、通期では前期を上回る量を確保できるとみている。インフラ環境事業は洋上風力発電など再生可能エネルギーを中心に、5~10年先を見据えて拡充している。


湯浅御坊道路 熊井第三高架橋

 ――設備投資について
 中村 富津、和歌山両工場の橋梁・鉄骨関連の設備老朽化更新は一段落した。インフラ環境事業では、洋上風力発電向け鋼構造物製作設備の増強が必要になる。
 ――DXの取り組みは
 中村 今年4月にICT室をDX戦略部に改称し、技術開発本部の下に橋梁設計部、技術研究部、DX戦略部を置き、3部が一体となって当社グループの技術開発に取り組む体制とした。DX戦略部は、ICT化、IoT化、多様化、環境変化のスピード化に対応できる企業へとさらに躍進するため、DXの戦略的活用を推進し、持続的に成長できるよう、将来を見据えたさまざまな課題に挑戦し、生産性向上や業務の効率化をさらに進めていく。
 ――新分野・新技術は
 中村 橋梁・鉄骨は従来通りだが、インフラ環境事業は4月に環境インフラ本部に昇格させた。人・モノ・金の経営資源を投入して、洋上風力発電向け構造物をターゲットに、収益を拡大していくことが喫緊の課題だ。新分野への進出は、橋梁・鉄骨・インフラ環境の3事業の着実な取り組みに加え、新たな収入源を創出する第4の事業を模索し、収益基盤の多様化を推進して企業の成長を目指す。
 ――総括すると
 中村 橋梁は新設の受注拡大と補修分野の強化。鉄骨は鋼材価格上昇の転嫁が課題。インフラ環境は洋上風力発電向けを拡大していく。橋梁、鉄骨、インフラ環境の3部門が上手く機能すれば、当社の業績はさらに上を目指せる。
(聞き手=岡辰巳、文中敬称略)

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