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益田市内のひとまろ大橋では上部工架設が完了

島根県 骨格幹線道路約690kmの改良率100%達成を2029年度までに目指す

島根県
土木部
道路建設課長

市川 淳 氏

公開日:2021.07.30

島根県
土木部
都市計画課 街路・公園グループリーダー
角 広幸 氏

 島根県では、約250路線、延長約3,000kmを管理している。内陸部の地形的に険しい箇所の改良が難しく、改良率は65.5%と全国平均を下回っているが、骨格幹線道路を抽出して重点的に整備を進めている。その道路改良事業や松江市および益田市のバイパス道路整備について、土木部道路建設課長の市川淳氏と同・都市計画課街路・公園グループリーダーの角広幸氏に詳細を聞いた。

約250路線、延長約3,000kmを管理
 改良率は65.5% 地形的に険しい箇所の改良が残る

 ――島根県の概要からお願いします
 市川課長 島根県は東西に約200km、南北に約40kmと東西に細長いのが特徴で、面積は6,708km2です。島根県と鳥取県をあわせて山陰地方となっていますが、東部の松江市、出雲市と鳥取県の米子市、境港市などがひとつの圏域となっており、山陰地方の中心の圏域であると言えます。県西部には浜田市、益田市があり、東部と西部に加えて隠岐の3つの圏域で構成されています。人口は、約66万8,000人(2020年4月現在)で減少傾向にあります。
 ――管理道路の現状と課題は
 市川 約250路線、延長約3,000kmを管理しています。改良率は65.5%です(2019年4月現在)。全国平均の改良率は77.2%、中国地方でも71.7%で、かつては全国平均よりももっと差がありましたが、少しずつ改良を進めています。それでもまだ全国平均におよんでいません。


島根県の道路の現況(島根県提供。以下、同)

 沿岸部は直轄の国道9号が東西を貫いていますが、内陸部は急峻な中国山地で、他県と比較すると地形的に険しい箇所がかなりあることが、道路整備での課題となっています。それらの箇所では、橋梁やトンネルといった大規模な構造物で対応していかないとなかなか改良が進まず、結果的に難しい箇所がかなり残っています。
 県では昨年度、今後10年間の道路事業の進め方を示した「島根の『つなぐ道プラン2020』」を策定しました。整備事業では、骨格幹線道路ネットワークの整備を主なものとして挙げています。改良対象箇所のすべてで事業を行うとなると、非常にお金も時間もかかりますので、優先順位をつけて幹線道路のなかから骨格幹線道路を抽出して、重点的に整備を進めるという方針です。2029年度までに骨格幹線道路の改良率を100%とする目標を立てています。


骨格幹線道路

 ――骨格幹線道路の対象となった路線と延長は
 市川 高速道路や直轄国道に加え、基本的には県が管理している補助国道とネットワーク的に重要な路線となります。延長は県管理分で約690kmです。

松江市の外環状道路の一部となる松江北道路の事業に着手
 トンネルは2本、橋梁は17橋を予定

 ――個別の整備事業についてご説明ください
 市川 松江市内では、「高規格道路境港出雲道路 一般国道431号 松江北道路」の事業に今年度から着手しました。出雲市から松江市美保関町までの延長約70kmの境港出雲道路の一部であり、松江だんだん道路とともに松江市の外環状道路の一部となる国道431号のバイパス道路です。起点は松江市西浜佐陀町、終点は同市下東川津町で、延長は約10.5kmとなります。
 同道路の整備で、外環状道路の形成により市街地の渋滞緩和や、市街地の浸水想定区域を回避するなど災害時の代替路の確保、山陰道へのアクセス向上などの効果が期待されています。


松江北道路 事業概要

 ――構造物は
 市川 トンネルが連続して2本あります。詳細設計がまだなので延長は概算となりますが、それぞれ約1kmとなります。橋梁は17橋を予定していますが、まだ予備設計も行っていないので、橋長、橋種などは未定です。

狭隘で豪雨時には冠水する現道の対岸にバイパスを整備
 延長1,012mのトンネルは完成、橋長167mの橋梁は今年度に詳細設計

 ――改良事業で進捗中のものがありましたら
 市川 中山間地域の改良事業として、「主要地方道川本波多線 多田~港工区」の事業を進めています。川本波多線は邑智郡川本町を起点とし、雲南市掛合町に至る県央圏域の東西幹線道路で、生活上の幹線道路であるとともに第2次緊急輸送道路に指定されていて、防災上でも重要な役割を担っています。しかし、江の川沿いである事業区間の現道は狭隘で見通しの悪いカーブが連続するうえに、豪雨時には冠水により通行不能となってしまいます。そこで、江の川対岸にバイパスを整備することにしました。
 事業延長は2.8kmで、トンネルと江の川を渡河する橋梁のふたつの大きな構造物をつくっていきます。


川本波多線 多田~港工区 事業概要

現道は幅員が狭く離合が困難な箇所も存在。豪雨時には通行止め規制も


 ――トンネルの延長と進捗状況は
 市川 多田トンネルという名称で、延長は1,012mです。2018年9月に掘削を開始して、2019年9月に貫通しました。現在、覆工も完了していて、取付部の工事を行っています。トンネル区間については今年度に供用予定です。
 ――橋梁については
 市川 予備設計済みで、今年度に詳細設計を行います。橋梁名は(仮称)新みなと橋で、橋長167mの鋼3径間連続非合成細幅箱桁橋となります。


(仮称)新みなと橋 橋梁一般図(予備設計)

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