道路構造物ジャーナルNET

政令指定都市化して10年余 保全も着実に進める

静岡市 南北交通強化、大河内橋など架け替え

静岡市
建設局 道路部長

柴 吉寬 氏

公開日:2016.03.16

 静岡市は、日本を東西につなぐ枢要な地に位置し、国道1号、東名高速道路、新東名高速道路、東海道新幹線、東海道本線など日本の物流の大動脈が通過する。その立地を生かし、製造業などが盛んで、温暖な気候や風光明媚な富士山などを生かした観光産業も振るっている。平成15年に政令指定都市化を果たし、さらに発展していこうとしている静岡市だが、東西交通の充実の反面、南北交通が弱いという課題がある。また、政令指定都市になった際、県から移管された道路を中心に、今後の道路構造物長寿命化にも備えなくてはいけない。そうした課題について、同市の柴吉寛道路部長に聞いた。(井手迫瑞樹)

山地が約8割に達する市域
 南北の交通が弱い欠点

 ――静岡市の道路事業概要から
 柴部長 静岡市は非常に山地が多く約8割に達します。管理道路延長は3,200㌔弱と政令市の中でとりわけ多い方ではありませんが、中山間地を多く抱えていることもあり、橋梁やトンネルの割合が多くなっています。主要道路としては平成24年度に開通した新東名をはじめ、東名、国道1号、1号BPが東西に走っています。幹線道路には恵まれていますが、転じて市内を見ると、南北の交通が弱いという欠点があります。
 ――進捗中の事業路線について
 柴 当市が事業中の主要改築路線は20路線ほどあり、国道150号の2路線と都市計画道路丸子池田線を除く路線は全て南北方向の路線になっています。

静岡BPは高架橋を施工中
 大河内橋はニールセンローゼ桁に架け替え

 ――構造物を含む路線は
 柴 20路線の中で明確に構造物を含む路線は、まず国道150号の静岡BPがあります。延長2,300㍍のバイパス事業で、構造物延長は782㍍(34%)となっています。平成元年から静岡県が事業に着手し、平成12年度末に大浜街道までの延長900㍍が供用され、22年に大浜街道から(主)中島南安倍線、中島交差点までの平面道路部延長1,085㍍を供用開始しました。現在中島地区の延長1,400㍍区間(高架区間782㍍含む)の事業を進めており、29年度に高架で南安倍川橋までの供用を目指しています。
 高架部も順調に進んでおり、残る橋梁は橋長118㍍(幅員約10~16㍍)の鋼2径間連続合成細幅箱桁橋(重防食塗装)と、橋長127㍍(幅員約10㍍)のPC5径間連続2主版桁橋の2橋で、上下部工を施工中です。
 次に(主)梅ヶ島温泉昭和線ですが、現在安倍川渡河部で供用されている大河内橋の下流に新橋を架け替える事業を進めています。先日入札が行われ受注業者が決まりました(エム・エムブリッジ)。現橋は幅員が4.5㍍と狭く擦れ違いが困難なこと、高齢化による損傷、劣化が進行してきていること、さらには、昭和58年の災害で下部工が被災しており、耐震構造も不十分ですが、基礎の補強などが困難であることから、幅員を8㍍に広げるとともに橋脚を設けず、1径間で架設が可能な鋼ニールセンローゼ桁(橋長165㍍、アーチライズ26㍍)を採用しました。現在、両橋台は完了しており上部工を契約し、工場製作準備中です。平成31年度の供用を目指しています。


現橋はすれ違い困難(左)/進捗中の下部工(右)

 ――(主)山脇大谷線は
 柴 平成29年度に東名高速道路で新たに開設予定の(仮称)静岡東スマートインターチェンジ(SIC)へのアクセス道路として駿河区宮川~水上の230㍍区間を整備しています。小河川を跨ぐため、延長4~5㍍(幅員25㍍)のボックスカルバートを予定しています。

清水富士宮線 BPで770㍍の橋梁
 本線では宮嶋橋をPCラーメン箱桁に架け替え

 ――(主)清水富士宮線バイパス事業は
 柴 (主)清水富士宮線は、国道149号~国道139号(富士宮市)に至る静岡市清水区における南北幹線道路です。平成29年度に供用予定の中部横断自動車道により交通量の増加が見込まれる新東名高速道路清水いはらICから国際拠点港である清水港にアクセスする道路として、静岡市清水区庵原~伊佐布間3,321㍍のバイパス道路を整備しています。
 平成24年4月には清水いはらICからの375㍍及び国道1号静清バイパスから市道庵原58号線との交差点部間約700㍍を供用開始しており、引き続き清水いはらICまで事業を進めています。


清水富士宮線の進捗状況

下部工の施工が進む

 構造物は供用済区間375㍍も含む770㍍あり、全て橋梁形式を予定しています。現在残っている橋梁は橋長226㍍(幅員21㍍)の鋼3径間連続非合成鈑桁橋+鋼2径間連続非合成箱桁橋、橋長60㍍(幅員12~32㍍)の鋼2径間連続非合成箱桁橋、橋長107㍍(幅員16㍍)の鋼2径間連続非合成箱桁橋で、防食対策としては、いずれも耐候性鋼材を採用しています。概算建設費は約30億円です。
 ――構造物の進捗状況は
 柴 下部工を全面展開しています。
 ――(主)清水富士宮線清地工区は
 柴 現道の清水富士宮線のうち、清水区清地の興津川渡河部に架かる昭和26年に架設した宮嶋橋の架け替えを含む260㍍区間の道路改良を行うものです。宮嶋橋は橋長61㍍、幅員4㍍の橋梁で現状はすれ違いが困難であり、また架設後65年経過したことから損傷・劣化が進行中であることから、幅員を7.5㍍に広げ、橋長も116㍍と長くしたPC2径間連続ラーメン箱桁橋に架け替える計画を立てています。橋梁部の概算建設費は約10億円を想定しています。
 ――構造物の進捗状況は
 柴 現地調整および河川協議中で工事は未着手です。
 ――特徴ある構造物について
 柴 大河内橋です。安倍川を1スパンで渡す構造であり、安倍川に河川構造物がある影響で、河川管理者との協議の結果橋脚の設置が困難であったため、また、多少斜角がきつかったことから、そうした条件に見合う構造としてニールセンローゼ桁を採用しました。 


大河内橋イメージパース

 ――他、計画中の構造物は
 柴 JRと静岡鉄道の上に架かっている跨線橋である桜橋(静岡鉄道、静岡清水区桜橋町桜橋交差点付近)について架け替えをJRさんなどと協議しています。現在は修正設計を進めています。


桜橋

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム