道路構造物ジャーナルNET

山形県 一方で架替えも増加、予防保全に積極対応

薄く、ぜい弱な高速道路網を拡充へ

山形県 
県土整備部長

上坂 克巳 氏

公開日:2015.04.16

 山形県は、地勢的に山岳が多く、道路を作る箇所が限られており、川と並行して道路が作られていることが多い。そのため洪水や土砂災害、雪崩の影響により通行止めが起きやすく、道路網は「薄く、ぜい弱」と言わざるを得ない。それを補う高速道路の整備は未だ「ミッシングリンクだらけ」の状態が続いている。そうした課題や、全国でも有数の積極的な対策を行っている道路構造物の予防保全の現状について上坂克巳県土整備部長に聞いた。(井手迫瑞樹)

ミッシングリンクだらけの高速道路網
 特別豪雪地帯は76%に達する

 ――山形県の道路網の現状から
 上坂部長 まず高速道路網の現状から言いますと本県はミッシングリンクだらけという状況です。高速道路の路線平均延長も約40㌔と短く、ネットワークとしては非常に効果が発揮しにくい状況です。高速道路の供用率も60%と全国平均80%超と比べても非常に低い水準です。
 高速道路接続・未接続の自治体の産業出荷額を見ればその差は顕著で産業の育成のためには高速道路の整備が欠かせません。
 本県の地形的な特徴は、山岳が多いことはもちろん県内全域が豪雪地帯に入っておりまして、なおかつ特別豪雪地帯が76%と東北地方の中でも抜きんでた雪国と言えます。自家用車での通勤・通学割合は77.6%、自家用車保有台数は2.41台といずれも1位で、車に移動手段を頼っている状態と言えます。
 山形県の道路ネットワークは山岳が多いため作る箇所が限られており、大体において川と並行して道路が作られています。そのため洪水や土砂災害、雪崩の影響により通行止めが起きやすく、道路網は「薄く、ぜい弱」と言わざるを得ません。高速道路の整備は高速通行の確保というだけでなく道路の冗長性確保のためにも重要です。
 橋梁の保全についてはかなり前から積極的に行っています。前述のように道路網が薄いためいったん不通になると大きな影響がでます。橋梁が損傷すれば復旧までの影響は測り知れないためです。

増加する架け替え事例
 庄内橋464㍍、亀井田橋186㍍など

 ――構造物の新設について
 上坂 当県では近年、橋梁の架け替え事例が増えています。具体的には耐震補強では対応が不十分であったり、橋梁長寿命化対策において更新による対応と判断された老朽橋については架け替えを選択しています。
 ――具体的には
 上坂 最も橋長が長い橋梁の架け替えとしては、一般県道余目松山線の最上川に架かる庄内橋の架け替え事業があります。現橋(鋼トラス橋)は架設後50年以上が経過し、平成20年頃に桁の一部に疲労による亀裂が見つかりました。補修を繰り返してきましたが老朽化が著しく、幅員も狭いことから架け替えを選択しました。新橋は橋長464㍍の鋼7径間連続細幅箱桁橋で、現在下部工や取り付け道路の用地買収、改良を進めています。

 
                              【庄内橋写真】

 村山地方では山形市内で直轄河川(須川)の河川改修事業に伴う飯塚橋の架け替え(橋長212㍍、鋼3径間連続鈑桁)を行っています。現在は上部工の架設を完了し、床版工を進めており、平成27年度中の完成を見込んでいます。

 
                   【飯塚橋写真】

 また、本県の主要観光地である「山寺」へのアクセス道路となっている山形山寺線においては2橋の架け替えを実施しています。
 1つは山形市内を流れる馬見ヶ崎川に架かる馬見ヶ崎橋(181㍍)の架け替え(鋼4径間連続非合成箱桁橋)です。街路事業で取り組んでおり、仮橋を架けて通行を確保するとともに、現在は上部工工事を実施中です。
 もう1つは山形市と天童市の市境を流れる立谷川に架かる荒谷橋(162㍍)の架け替え(鋼5径間連続鈑桁)です。現在は下部工を施工中です。

 
                       【荒谷橋写真】

 同じく村山地方の大石田町では、最上川に架かる亀井田橋(186㍍)の架け替えを進めています。緊急輸送道路に位置する老朽化が進んだ(床版に孔があくなどの損傷)下路トラス橋の架け替えで、現在は下部工が完了し、引き続き上部工(鋼3径間連続細幅箱桁)に着手する予定です。

 
                                                                【亀井田橋写真】

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