道路構造物ジャーナルNET

コンクリートの品質管理には「山口方式」を導入

復興道路を1日も早く供用したい

国土交通省
東北地方整備局
南三陸国道事務所長

佐藤 和徳 氏

公開日:2015.04.01

事業進捗率は6割に
 トンネルは4カ所が完成

 ――釜石山田道路は
 佐藤 釜石JCT(仮称)~山田南IC間23㌔が事業区間ですが、平成23年3月に釜石両石IC~釜石北IC間4.6㌔を供用しています。
 残り区間は用地買収率が約8割、事業進捗率も約6割に達しています。今年度も道路・構造物設計、用地買収、工事をそれぞれ推進していきます。
 主な構造物はトンネルが釜石トンネル(873㍍)、八雲第1トンネル(635㍍)、同第2トンネル(839㍍)、同第3トンネル(149㍍)、水海トンネル(445㍍)、鵜住居第2トンネル(1,445㍍)、小鎚第1トンネル(309㍍)、同第2トンネル(975㍍)、大槌第1トンネル(256㍍)、同第2トンネル(2,043㍍)、橋梁が小佐野高架橋(460㍍)、浪板高架橋(159㍍)、浪板橋(38㍍)、大沢第2橋(210㍍)、同第3橋(71㍍)です。


                       釜石山田道路橋梁一覧

 このうち、八雲第1~第3トンネル、水海トンネルは施工を完了しました。残りのトンネルについても平成27年度中の完成を目指しているところです。橋梁は水海高架橋が完成しています。


                                                 水海高架橋と水海トンネル

 ――東北横断自動車道(釜石花巻道路)の釜石道路は
 佐藤 当事務所では、復興支援道路として建設中の釜石花巻道路のうち釜石市内の釜石JCT~釜石西IC(仮称)間約6㌔の建設を担当しています。用地買収率は約7割、事業進捗率は約6割です。道路・構造物設計、用地買収、工事を推進しています。主な構造物はトンネルが定内トンネル(808㍍)、橋梁が大沢高架橋(145㍍)、坪内沢橋(117㍍)、大畑高架橋(215㍍)、向定内橋(44.5㍍)があります。


                     釜石道路橋梁一覧

 現在は大沢高架橋の下部工3基、向定内橋の上下部工、不動沢橋(橋長19㍍)の下部工、大畑高架橋のA2橋台が完了しています。※以上の構造物名称は全て仮称


                大沢高架橋

凍結防止剤による塩害から守る

 ――鋼橋、コンクリート橋問わず防食など長寿命化技術の採用は
 佐藤 東北地方整備局は3,000橋あまりある橋梁のうち、5年以内に補修する必要のある橋は2橋に1橋の割合に達しています。要因としては凍害および凍結防止剤散布による塩害が考えられます。東北地方整備局管内の凍結防止剤の平均散布量は1㌔あたり年間約10㌧で、峠部および日本海側では同30㌧と内陸でも海岸線の飛来塩分量とほぼ同等の塩分影響が与えらてしまう状況です。例えば湖山橋(秋田県仙北市内、国道46号)は、供用後34年で架け替えました。同橋は横断勾配の低い方の外桁内に塩分を含んだ水が滞水し、内部鋼材を腐食させて桁下面のコンクリートが剥離していましたが、はっきりした水みちはわかりませんでした。また、ある橋梁では供用から15年で地覆部の鉄筋が露出したり、壁高欄の付け根からコンクリートの浮きが見つかっており、調査したところかぶり深さ50㍉の位置で鋼材の発錆限界地1.2㌔/立方㍍を超過する塩化物イオン量が確認されました。


            東北地方の凍結防止剤の散布状況

                                            桁端部・伸縮装置からの劣化事例


伸縮装置からの漏水による劣化事例     

 原因としては、除雪による凍結防止剤を含んだ雪堤が解け融雪水が下へ伝って流れてしまい、その水みち沿いに塩分が浸透し、劣化が生じていると考えられます。また、一部で施工不良などによる漏水箇所からも水が伝い劣化を生じさせているケースもあります。また、伸縮装置は非排水型の製品を使っていますが、東北地方整備局管内では平均6年ほどで非排水機能を喪失しています。非排水部分に泥や雪が押し込まれその圧力により非排水機能が壊れてしまうようで、そこからの漏水による損傷も顕著です。加えて凍結融解により損傷が起きている個所もあります。桁端ではウエブやフランジの腐食・欠損、橋座、支承の鋼材部の腐食・欠損が生じている個所もあります。また床版の打継ぎ目からの漏水、スラブドレーンを横引き排水管につなげていない個所からの流水による損傷も散見されます。コンクリートの初期欠陥(微細ひび割れやコールドジョイント)も少なからず影響しています。これらの要因により早いところでは13年程度で損傷している橋梁もあります。


 排水流末周辺での損傷事例           飛来塩分による塩害①        飛来塩分よる塩害②

 コンクリート打設時の品質確保は、構造物の耐久性確保に必須ですが、構造物の中には透気係数が悪い個所や打ち重ねが悪く、品質の悪いコンクリート構造物も少なからずある状況です。

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