道路構造物ジャーナルNET

事業期間はおおむね15年を想定

大規模更新・大規模修繕は約3700億円

阪神高速道路株式会社
参与

西岡 敬治 氏 氏

公開日:2015.02.01

 阪神高速道路は来年度から大規模更新・大規模修繕の事業着手を目指す。15年間で3,700億円弱の事業費を想定している。その内容は橋梁全体の架替え(3号神戸線京橋付近、14号松原線喜連瓜破付近)、橋梁基礎の取替え(15号堺線湊町付近)、桁・床版の取替え(3号神戸線湊川付近など)など多岐にわたる。高架下には平面道路や地下鉄などがある個所もあり、施工のために克服すべき課題も多く、既存技術の総動員、新技術の開発、利用者や施工地周辺の市民へのより一層の周知が必要となる。そうした課題などについて西岡敬治参与に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)

――大規模更新・大規模修繕について
 西岡参与 具体的な調整を行っており、新しい更新・修繕をやろうとすると機構の協定変更、そのために地方議会の同意申請をとらねばならず、その後に国土交通大臣の承認が必要です。そのための資料作りを現在やっているところ(下表などを国土幹線道路部会に1月15日に提出)です。事業着手は平成27年度の予定です。



        (上)更新計画実施にかかる費用、(下)更新箇所

 事業規模は大規模更新で1,509億円、大規模修繕で2,176億円です。事業期間はおおむね15年間を考えています。
 大規模更新はどうしても長期間の通行止めなどが出てしまいます。通行止めしながら施工しなくてはいけない工事も出てくる可能性があり、社会的影響がどうしても大きくなります。施工する時期については現在建設中の事業の進捗やミッシングリンクの整備状況を見極めながらやっていく必要があります。(迂回路の確保)そのため施工時期は少し後になろうかと思います。
 大規模修繕は、延長57㌔が該当します。こちらは該当個所がいろいろな個所に散らばっており、数も多いため、粛々と施工していきたいと考えています。
 大規模修繕の中で一番の課題は一度裏面から鋼板を貼り付けて補強済みのRC床版のうち再劣化したものへの対応です。損傷の著しい個所については取替も念頭に置く必要があり、こちらは大規模更新の対象としています。


           RC床版の損傷

           RC床版端部の損傷

 鋼板接着補強部をプレキャスト床版に取替
 守口線で大きな損傷発生

 ――RC床版の鋼板接着補強への対応についてもう少し具体的に
 西岡 鋼板接着による補強は、高速道路の規制を伴わず施工できるという点で非常に良いと考えています。しかし最大の欠点として補強後の変化が分からないということがあります。叩き点検をして浮きが出ているかどうかは把握していました。その上で浮きが出ていれば樹脂を再注入して対応していました。時々、鋼板を剥がして見ていましたが概ね健全でした。
 ところが、これを大規模更新・大規模修繕で位置づける100年間の長期耐久性が維持できるかというと損傷している箇所も確かにあり、心許ない状況です。ですので基本的には床版の取替で対応していきたいと考えています。
 ――鋼板接着による補強は床版防水をかけた上で施工していましたか。そうでなければ上部から供給される水によって鋼板と床版を接着させる樹脂の剥離を招きかねませんが
 西岡 確かに初期のRC床版には床版防水はありませんでした。途中で負曲げが生じる連続桁の中間支点上には部分的に床版防水をかけています。路線単位で床版防水を敷設するようになったのは排水性舗装を導入した平成8年以降です。
 当社では8~10年ごとに舗装を基層まで剥がして打ち替えるフレッシュアップ工事を施工しており、その時には必ず床版防水工も施工しています。ある年代以降は防水工の機能も働いていると認識しています。
 ただ、舗装を見ていますと何回も同じところでポットホールが出る個所があります。これはやはり床版の方に問題があると考えています。今年度も守口線で陥没までは至りませんが大きな損傷が出ました。下側から補強鋼板を剥がしてみると損傷が出ていたという事実もあります。
 ――鋼板接着による補強はいつ頃から実施していたのですか。
 西岡 昭和47年からになります。堺線が最初でした。
 ――RC床版の取替はプレキャスト床版を念頭におかれているのですか
 西岡 工期短縮を考えればそうならざるを得ないと考えています。

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