道路構造物ジャーナルNET

「エンジニア育成プラン」と「技術開発推進会議」の設立

更新時期を迎えた首都高速道路の人材育成・技術開発

首都高速道路株式会社
常務取締役執行役員

安藤 憲一 氏

公開日:2014.09.29

 首都高速道路は供用後50年を経過した。昭和48年道路橋示方書以前に作られた構造物も多く、大型車交通台数は平均17,000台以上が走ることから、疲労などによる損傷が鋼・コンクリート問わず比較的多くの個所で生じている。こうした状況に対応するため、「首都高エンジニア育成プラン」に基づき、専門技術力をベースにマネジメント能力を備えた「T型エンジニア」を育成し、人材面からより確実で効率的な維持管理体制を築くとともに、首都高の技術担当役員及びグループ8者の社長・理事長からなる「技術開発推進会議」を設け、資金と人材を糾合し効率的かつ現場に即した技術開発体制を組もうとしている。その内容について安藤憲一常務取締役に聞いた。(井手迫瑞樹)

9割を占める構造物
橋梁が8割弱、トンネルが1割強

 ――昨年50周年を迎えた首都高速道路、歴史の重みは、構造物の供用期間と連動するわけで、経年劣化、損傷の増加に表れるわけですが、現状を教えてください。
 安藤常務 総延長約300㌔のうち、経過年数40年以上の構造物が約4割(約110㌔)、30年以上が約5割(約160㌔)を占めています。そして、全延長のうち、きめ細やかな維持管理が必要な高架・橋梁(8割弱)やトンネル・半地下(1割強)などの構造物の比率が約95%と他の道路に比べて高くなっています。そして構造物の疲労損傷の要因となる大型車交通量は東京23区内の地方道の約5倍に達します。絶対量で言えば全路線平均で約18,000台/日に達しています。


開通からの経過年数比率


道路構造別道路延長


大型車交通量比較

 また、道路施設も約340種類、22万個設置されており、1㌔当たりの設置数は約730個にのぼります


首都高速道路の施設物数量

 ――そうした構造物の損傷状況は
 安藤 高齢化の進展と長年にわたる過酷な使用によって、計画的に補修が必要なBランク損傷(応急補修を要するAランクは見つけ次第実施)は昨年度末で10万件を超えています。中でも、損傷件数が多いものは桁と床版です。


構造物の損傷状況

 RC床版、鋼桁、鋼床版ともに昭和48年の設計基準より前に設計された路線の本体構造物の損傷は、それ以降に設計された路線の約2倍に達しています。


損傷の内訳

 また、10t換算の累積軸数が約3,000万軸を超える範囲においては、昭和48年道示より前に設計された路線の損傷が多い傾向にあります。この2つの要因が重なった路線は約75㌔に達します。損傷事例としては鋼床版や鋼桁の亀裂、RC床版のひび割れ、高欄水切り部の剥落、支承の腐食、舗装のひび割れ、伸縮継手ゴムの破損などがおきています。

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