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コンクリート舗装橋の表面を補修しつつ床版防水性能も付与

鳥取県三朝町 橋梁床版防水にアイゾールテクニカの『HI-SPECシール工法(CP)』を初採用

公開日:2020.08.13

 鳥取県三朝町が所管する第一栗祖橋橋梁補修工事で、床版防水にアイゾールテクニカの『HI-SPECシール工法(CP(コンクリートペイブメント))』が初採用された。同橋は橋長7.9m、幅員6.5mのRC版桁橋で1997年に供用された。いわゆるコンクリート舗装橋であり、舗装表面が劣化していたため、下地処理工によりモルタル分が消失し、粗骨材が表出している。また、大きめのひび割れが生じていることから、下地補修ができ、アスファルト舗装を追加打設することなく、コンクリート舗装を維持できる高浸透型床版防水工法である同工法を用いたものだ。

 同工法は、水性エポキシ樹脂と脂肪族ポリアミンからなるHI-SPECシールL(CPタイプ)を塗布し、養生後に早強ポルトランドセメントと結晶性シリカ(フライアッシュ)を主材とするHI-SPECシールL (CPタイプ)+Pを塗布する二層塗り構成だ。右グラフのように防水性が高く、さらにコンクリート舗装に不可欠なすべり抵抗性も基準値より1~2割程度高い。路面標示塗料との接着性も3N/㎟を有している。HI-SPECシールL(CPタイプおよび+P)はコンクリートひび割れに浸透して埋めることが可能であり、CPタイプがマイクロクラック、+Pが比較的大きなクラックに対応することにより、0.05~1mmまでのひび割れを補修できる。また、HI-SPECシールL (CPタイプ)+Pは既設舗装表面に2mm幅の保護膜を形成するが可能だ。

 施工は、下地処理 高圧洗浄・脆弱部除去・清掃、1層目にHI-SPECシールL(CPタイプ)を塗布(0.25㎏/㎡)、2層目にHI-SPECシールL (CPタイプ)+Pを塗布(0.8㎏/㎡)する3工程しかいらず、所要日数は1日~2日で済む。従来のアスファルト舗装を伴う床版防水は、既設舗装の撤去やアスファルト舗装の新設などを伴うため7~14日が必要であり、それと比べると、約7分の1に短縮できる。

 同現場では初日に、床版表面の下地処理や脆弱部の部分補修を行った後、2日目9時半から1層目を塗布した。養生後10時半には2層目の塗布を開始し、12時半には完了。養生を経て夕方には交通を開放することができた。




 元請は藤原工務店。一次下請はサンクリエイト
(2020年8月13日掲載)

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