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阪神大震災の直後、1995年3月に供用 

神戸市 白水橋の耐震補強がほぼ完了

公開日:2020.03.24

 神戸市建設局西建設事務所は、所管する白水橋の耐震補強をほぼ完了した。同橋は県道21号の神戸市西区伊川谷町の伊川にかかる橋長52.1mの2径間連続非合成鈑桁橋だ。下部工はA1が重力式橋台、A2が逆T型橋台で、P1が張出式橋脚となっている。橋歴版を見ると1995年3月に供用された。1995年というと1月17日に阪神大震災が起きた、その時期である。下部工は岡野建設工業が構築し、上部工は川崎製鉄が製作架設している。平成8年道路橋示方書が出される前であるため、設計示方書は昭和55年道路橋示方書となり、現行の耐震性能を満たしていないため、耐震補強を行うに至ったものだ。橋脚のRC巻立てや落橋防止装置の設置を行って補強した同現場を取材した。


下部工および上部工建設年次

 同橋は、A2側が県道16号(主要地方道神戸明石宝塚線)と交差する箇所にあるため、A1側に比べて幅員が広くなっている。また、下流側には関西電力の送電用の橋梁があり、さらにその間の地下には下水の本管が走っている。橋脚を補強する際はフーチングまで出さなくてはならないが、関電の橋梁基礎や下水管に損傷を与えないように補強を施さなくてはいけなかった。


関西電力の送電用橋梁/矢板で仕切ってP1橋脚を補強

 そのために採用したのが、1基の装置で2方向(橋軸・橋軸直角)の変位制限機能を持つ「パワーストッパー」だ。固定側のA1には1,100kNタイプ、可動側となるP1およびA2は230kNと340kNタイプを、それぞれ鋼製ブラケットを設置した上で既存支承と同じ数(7箇所ずつ)配置した。A1とA2は橋脚の補強が不要となり、P1橋脚のみ補強が別途必要で、250mm厚のRC巻立てを行った。


耐震補強一般図

支承補強工一般図/A1橋台支承補強図

いびつなアンカー配置(左:A1、右:A2)

パワーストッパーによる補強(左:A1、右:P1)

 パワーストッパーを設置する上で苦労したのが、鋼製ブラケットの設置のためのアンカー削孔(φ36~38mm)である。橋台や橋脚に設置している既設支承のアンカーの周りには「補強のためのフープ筋が配置されており、さらにそれを縦に配置した鉄筋で止めている」(元請のトラスト)。そのため、アンカー配置用の削孔位置は必ずしも整然とならず、多少いびつな形にならざるを得なかった。こうした孔を大きさに応じて、A1で14×7箇所、A2で8×7箇所、P1で4×7箇所削孔しなければならず、削孔長も570mm必要なため、事前の鉄筋探査を慎重に行っていた。

 P1橋脚補強の際には、施工のために矢板で仕切ってドライな状態にする必要があるが、矢板を打つ際は、「万が一にでも非常に近い位置にあると想定される下水管を傷つけないよう注意しながら施工した」(同)。また、桁下の余裕高が低いため、矢板は8m入れる必要があるが、3回に分けて打設した。

 また、橋脚や橋台のひび割れ補修やシラン系含浸材(マジカルリペラー)の塗布なども併せて行っている。
 設計は扇コンサルタント。元請はトラスト。工期は2020年3月31日まで。
(井手迫瑞樹、2020年3月25日掲載)

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