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IH式塗膜剥離技術 塗膜採取に特化した100Vタイプ

『エレクトロリムーバー』を使ってPCB含有有無を調査するための塗膜を採取

 北九州市は、同市が所管する井手原橋(1973年1月供用、橋長52.4m、幅員8m、鋼3径間4主鈑桁橋、製作:新日本製鉄、架設:住友重機械工業、設計道示1969年)のPCB含有量調査を行った。同市は所管する鋼橋塗膜内のPCB含有の有無の調査をこれまで行ってきたが、未調査だった同橋の調査を行ったもの。塗膜成分の調査には既設塗膜から200g程度の塗膜を採取する必要があるが、その際には塗膜の粉じんを吸い込まないよう、細心の注意が必要だ。今回はIH式塗膜剥離技術協会が展開する『エレクトロリムーバー』を使って採取した(右写真)。同手法は「採取の際に粉じんが発生しないため、現場を密閉養生する必要がなく、周辺環境や作業員への影響もなく剥ぎ取りが可能」(元請の福山コンサルタント)なため採用したものだ。


 同橋は八幡西区と中間市の市境にある黒川を渡河する個所に架かる橋梁。1973年供用とはいいながら、それほど塗装は傷んでいない。RC床版もほとんど傷んでおらず橋梁としては健全である。塗膜は近づいてみると、下地におそらく鉛丹を使ったものであるように見える。そのため塗膜剥がし時には鉛を吸い込まないようにマスクなどの着用が必要であり、今回も写真のように安全対策には留意していた。


それほど塗装は傷んでいなかった

 今回使用したのは、『エレクトロリムーバー』でも塗膜採取に特化した100Vタイプ。通常の200Vタイプより塗膜の剥離に時間を要するが、4~5分程度で120℃に達し、その後は飛散を気にすることなくスクレーパーで搔き落とし、塗膜を採取できていた。また、200Vタイプでは発電機も車両に収納するか、現場に据え置きする必要があるが、今回の装置は1.6kVAのポーダブル発電機(約20㎏)を2基並列するタイプか、2.3kVA以上の発電機でよく、より可搬性が増し、施工しやすくなっている。

片側からIHを施工しただけで、鈑桁両面の塗膜を剥がすことができる

 現場の塗膜は、「おそらく供用以来塗り替えを行っていない」ため薄く、掻き出しが難しそうだったが、それでも朝9時に初めて、昼頃には200gの塗膜試料を確保し、スプレーで掻き出し後の塗膜を補修するまでの一連の作業を完了していた。下請はビルドメンテック


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(2019年8月29日掲載、文・写真:井手迫瑞樹)