道路構造物ジャーナルNET

クレーンとの2箇所同時施工で工期短縮図る

NEXCO中日本 風祭高架橋床版取替工事で床版取替機を初採用

公開日:2019.07.23

地覆と壁高欄を仮置きヤードで事前施工

工期短縮の取り組み
「2班同時施工で工期短縮を図り、通行止め期間を短くできる方法を選んだことが本工事の一番のポイント」(同JV 福原和成現場代理人)というように、床版取替機とクレーンの同時施工によって、1班での施工と比較して撤去・架設のみで約20日間の工期短縮を実現した。


床版取替機(後方)とクレーンによる2班同時施工で工期を短縮(*)

 工期短縮のために、地覆と壁高欄の事前施工を行ったことも本工事の工夫のひとつだ。工場製作したプレキャストPC床版を、東名高速道路大井松田IC近くの仮置きヤードに運搬後、縦横断勾配を現場と同じ条件にした架台に床版を配置して、地覆と壁高欄の型枠を施工し、高さおよび通りの調整を行って打設を行っている。地覆と壁高欄を床版と一体化することにより、現場省力化を図り、工期短縮を可能にした。


現場と同じ条件にした架台に床版を配置して地覆と壁高欄の事前施工を行った

現場打ち部と床版防水など
 床版継手部は標準のループ継手とし、端部、P4-3部、壁高欄部には機械式継手(FDグリップ)を採用した。総継手数は1,482箇所で、継手の定着長は約500mに達した。床版間詰め部、端部、P4-3部の現場打ちコンクリート(総面積約240m2)は、膨張剤入りの早強ポルトランドセメントを用い、強度はプレキャストPC床版と同じ50N/mm2、スランプ12cmとした。壁高欄の間詰め部(総面積約140m2)は強度が30N/mm2で、それ以外は端部などと同じコンクリートで打設している。
 鉄筋は、現場打ちとなる部分に耐食性向上のためにエポキシ樹脂鉄筋(AG-エポキシバーおよびMKエポザク)を採用。プレキャストPC床版はループ部にエポキシ樹脂鉄筋(MKエポザク)を使用した。


壁高欄部は機械式継手を採用。現場打ち部はエポキシ樹脂鉄筋を使用している

間詰め部の打設

 床版防水は、高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用し、ニチレキ「HQハイブレンAU工法」で805㎡を昼夜連続作業の1日間で施工した。舗装は、基層が橋梁レベリング層用混合物(FB13)、表層は高機能舗装Ⅱ型で、床版防止工と同面積を昼夜連続作業の1日間で完了させた。足場はタカミヤのスパイダーパネルを採用している。


防水工の施工/舗装完了

足場はスパイダーパネルを採用(*)

 今後は、支承の取替(16基)、落橋防止装置の設置、塗替塗装を行う予定だ。

 元請は、IHIインフラ建設・IHIインフラシステムJV。一次下請は、野田クレーン(クレーン、架設工)、アドマック(桁補強)、ナプコ(塗装)。舗装関連は、大林道路(対面通行規制、防水工、舗装)。
(2019年7月23日掲載 大柴功治)

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム