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クレーンとの2箇所同時施工で工期短縮図る

NEXCO中日本 風祭高架橋床版取替工事で床版取替機を初採用

 中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社は、小田原厚木道路の風祭高架橋床版取替工事を実施した。同橋は1969年の開通から50年が経過し、既設RC床版に損傷が発生していることから、高速道路リニューアルプロジェクトとしてP4~P4-6間の床版取替(面積920.7m2)を行った。床版取替機とクレーンを用いて床版の撤去・架設を2箇所同時に行い、工期短縮を図った同工事をレポートする。


橋梁概要と損傷状況

 施工対象区間は、小田原西ICの西湘バイパス箱根方面から小田原厚木道路厚木方面に向かう同橋(Aランプ)で、橋長141.6mの3径間連続非合成箱桁橋(P4~P4-3、76.3m)+3径間連続非合成鈑桁橋(P4-3~P4-6、64.8m)だ。線形は縦断勾配3.952%、横断勾配3.5~5.0%、箱桁部がR=60mとなっている。



施工位置図/橋梁一般図(NEXCO中日本提供、注釈なき場合は同)


 既設RC床版は箱桁部が厚さ185mm、鈑桁部が170mmで、過去には床版と舗装の部分打替を実施しているが、増厚は行っていない。老朽化や車両の大型化などにより床版下面にひび割れ、遊離石灰をともなう漏水が発生し、舗装面もポットホールやひび割れが生じていることから、抜本的な対策としてプレキャストPC床版(床版厚220mm)に取り替えることとした。



床版下面の損傷状況


床版上面(左)の損傷状況と舗装面(右)の状況


B活荷重対応のために当て板で鋼桁補強

 小田原保全・サービスセンター管内で3件のリニューアル工事を同時施工


鋼桁補強と交通安全対策

 本工事では、まず2月から同橋(Aランプ)の設計活荷重を旧基準のTL-20から現行基準のB活荷重対応とするために桁補強を実施した。箱桁部は縦リブおよび中間支点付近の上下フランジ・ウェブ、鈑桁部は中間支点付近の下フランジ・ウェブに補強部材(当て板)を仮付けし、既設床版撤去後に本締めを行っている。



箱桁部主桁補強構造一般図(右2枚)/鈑桁部主桁補強構造一般図(左)



主桁補強工


 床版取替から舗装までの工事期間中の5月7日から7月5日までの59日間、Aランプを閉鎖した。

 東京支社小田原保全・サービスセンター管内では、小田原厚木道路の大磯IC~平塚本線料金所間の観音寺高架橋(橋長108.1m)の床版取替工事、小田原本線料金所~荻窪IC間の川端高架橋(橋長880mのうち、 P1~P5、98.0m+P5~P9、98.0m)の床版連結工事も同時施工していた。

 そのため、対面通行規制内で事故や故障車などが発生した際に迅速に現場対応できるようにWEB監視カメラを増設して、道路交通管制センターと保全サービスセンターでモニタリングを実施して、仮設LED情報板などへの迅速な注意喚起や情報提供を行った。さらに、対面通行規制区間テーパー部と一部平行部の路面上に路面点滅誘導灯「ミチテラ」(大林道路)を設置して、発光体(LED)の光の流れる速度を制御し、ドライバーの速度感覚をコントロールすることで、車両を円滑に誘導できるように対策も実施した。



円滑な車両誘導のために路面点滅誘導灯「ミチテラ」(大林道路)を設置


 3工事の元請であるIHIインフラ建設・IHIインフラシステムJVも「ネットワークカメラやウェアラブルカメラなどを使用して現場事務所で各現場の施工状況を確認することで、3現場の水平展開を行い、安全と工程の管理を行った」という。


床版の撤去・架設およびプレキャストPC床版の製作

 Aランプ閉鎖後、舗装と付属物の撤去し、壁高欄と既設床版の切断を行った。壁高欄は既設床版と一体で撤去するため、ワイヤーソーで橋軸直角方向に切断した。既設床版はカッターで切断。標準の撤去サイズは、鈑桁部が橋軸直角方向約6.5m×橋軸方向約2m(重量約9t)、箱桁部が橋軸直角方向約7m×橋軸方向約2m(重量約10t)だった。



壁高欄と既設床版の切断


 新設のプレキャストPC床版は、IHIインフラ建設滋賀工場で製作した。箱桁部が曲線橋のため、「台形版となり、ループ筋の寸法が1本ずつ異なり、加工・組立に手間がかかった」(同JV)という。耐久性と品質の向上のためには、蒸気養生完了後にコンクリート保水養生テープ(スリーエム ジャパン)を設置して、材齢28日間以上の長期封緘養生を行っている。



コンクリート保水養生テープでの長期封緘養生