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現場を巡る詳細

水冷設備不要 アタッチメントは5㎏と軽くハンドリング性も良好

ビルドメンテック 小型IH式塗膜剥離工法「エレクトロリムーバー」を展開

従来機に比べ電圧は半分、電力は一割強に抑制

 マグネット支持も可能

 ビルドメンテックは、鋼橋の既設塗膜除去を対象としたIH式塗膜剥離工法「エレクトロリムーバー」を開発し、九州地方整備局の中小橋梁の既設塗膜除去や塗膜調査などで実績を増やしている。使用電圧は200V、皮相電力は5.6kvAと電圧は従来機の半分、電力は1割強に抑制している。そのため既存のIH式塗膜剥離工法のような水冷設備も必要とせず、発電機も1t車に収納できる。機材重量もインバーター(誘導加熱装置)が20kg、アタッチメントが5㎏とコンパクトかつ軽く、ハンドリングが良いことが特徴だ。

 
エレクトロリムーバーの機材一式

アタッチメント/アタッチメントの鋼材側表面

 施工対象は、中規模以下の鋼橋のPCBや鉛を含む既設塗膜の除去。施工能力は1時間当たり6㎡程度。施工半径は発電機から50m程度。アタッチメント(加熱コイルパッド)は、ウエブ面とフランジや斜材に使用する2つのタイプを使い分ける。設置はマグネットで4点支持し、45~50秒程度加熱して120℃まで温度を上げて塗膜を軟化させ、鋼板と塗膜の縁を切り、その後スクレーバーで掻き剥がす。マグネットで支持しているため手を放しても機械が落ちることがなく安全に施工することが可能。赤外線温度センサーをアタッチメント背面に付けており、加熱の際に過不足が起きないよう設定温度の120℃に到達すると光や音で知らせ加温した温度をキープする。


IH工法概要図

従来工法との比較

施工例


同工法の協会も設立 より一層の普及目指す

 塗膜剥離剤同様に鉛丹など無機リッチな塗料は取れにくい傾向があるが、同社では、全ての塗膜除去をエレクトロリムーバーで対応するということは考えておらず、鉛丹の除去や、添接部・隅角部などの部位においては塗膜剥離剤やほかのケレン機器を併用していく必要があると考えている。ただ、「当社が携わるJR九州や高速道路の跨線・跨道橋の現場では、極めて施工時間が限られており、塗布後に長い養生時間を必要とする塗膜剥離剤では使えない状況があった。また従来のIHを使うにも装置ヤードに乏しい現場もあり適用が難しくそうしたニーズに対応するためにエレクトロリムーバーを開発した」(同社)。

 2017年12月には一般社団法人IH式塗膜剥離技術協会(10社で構成)を設立して普及を図っており、宮崎河川国道事務所管理の歩道(側道)橋やJR九州管理の人道橋などで適用実績を増やしている。

 また、電圧を100V、皮相電力を1kvAに落とし、インバーター重量を5㎏に軽くした塗膜成分調査用の機械も開発しており、福岡国道事務所の橋梁調査に用いられている。

 現在、200Vタイプは10台、100Vタイプは2台が稼働できる状態。今後は一般社団法人IH式塗膜剥離技術協会の会員を通じて、九州だけでなく全国に適用を働き掛けていく。(井手迫瑞樹)