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現場を巡る詳細

鋼重6千tを超える鋼単純ニールセンローゼ桁を多軸式特殊台車で移動させ、台船にロールオンし一括架設

東京都港湾局 東西水路横断橋現場ルポ


ロールオンから桁架設(東京都港湾局提供資料より)

ロールオン

 巨大な鋼桁を載せた多軸台車を大型台船に乗せる「ロールオン」は8月15日15時44分から深夜にかけて行われた。各種治具を合わせると総重量は7,168tに達する桁を多軸台車(今回は山九所有)で台船に台車ごと乗り入れるというあまり例のない施工方法であったため、多くの方々が見物に訪れていた。

一括架設積載一般図

 多軸台車は、A1側に26軸×3列+27軸×2列(TYPE4、1軸あたりの積載可能荷重45t)、P1側に25軸×2列、26軸×2列(TYPE5、同60t)を用いてヤードから台船に台車ごと運び込み、台船上の脚架台にジャッキダウンした。多軸台車と桁間には下段に橋軸方向へ6本の小梁(桁高最大約2.0m)、上段に橋軸直角方向へ2本の大梁(同約3.0m)を井桁上状に配置し、4点で支持しつつ運んでいる。ジャッキの配置間隔は、A1~TYPE4間が81.9m、TYPE4~TYPE5間が76.8m、TYPE5~P1間が90.1mとなっている。

多軸台車配置詳細図

 この載荷間隔の決定は、橋体の重心位置と架設時の先端たわみのバランスから支持点を決定した。中央部分を狭くしすぎると先端たわみが大きくなり、水深の浅い水路から(架橋位置で)台船を抜きづらくなることを考慮したものだ。なお、移動式多軸台車自体の重量もA1側で約590t、P1側で490tと合計約1,080tに達し、台船上に積載される総重量はロールオン前に既載されているものと含め実に1万t弱に及んだ計算となる。

多軸台車(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

 台船は桁+多軸台車の搬入に対応しその後の架設位置までの移動や桁架設をスムーズに行うため、積載能力14,500t級の「深洋」と同18,500t級の「天后」をスペーサー台船でつなげたものを用いている。

深洋と天后。中央はスペーサー船、背後には桁、大きさが分かる(井手迫瑞樹撮影)

 現場ではまず、12時8分から最初の移動を開始し、同39分まで約10m程度桁を船に向けて運んだ。その後120tクレーンを使って、護岸と台船を渡すランプウェイを設置した。その後さらに13時42分から14時14分まで16mほど台船の間際まで桁を運び、台船と護岸のレベルが最適化される潮位A.P.(荒川工事基準面、霊岸島水位観測所最低水位)+0.86mになるまで潮待ちをした後、15時44分からロールオンをはじめ18時3分まで約52m運びロールオンを完了した。最後に19時23分から20時33分まで台船上を25m移動し、桁を50mmジャッキダウンさせて、台船上の脚架台にあずけバラスト調整した。台車の移動速度は毎分0.3~0.5m程度に計画していた。

動き出した鋼桁(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

ランプウェイの設置
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

徐々にランプウェイに近づいていく
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

後ろから見るとこれだけ動いた/ランプウェイに差し掛かる
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

ランプウェイ上を慎重に進む
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

最前輪が台船上に到達
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

台船上をゆっくりと進む
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

夕方頃の進捗状況/工事用照明が灯った
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

完全に日が暮れた/ほぼ移動が完了した状況
(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

 勾配はレベルに保つことが基本だが、ランプウェイの架設に際しては、「軸数が載ってくると沈み込みが起きてレベルがマイナスになるのを避けるため若干上り勾配をつけた」(同JV)。また多軸台車の運用に際しては、事前に搭載試験と走行試験は行っているが、「両側に横方向のズレや進行方向の出入り差がついて桁がねじれるような形にならないよう、また速度差が付きすぎないよう」(同JV)に常に無線で管理しながら慎重に移動させた。

台船受け時の桁反力