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塗装塗り替え総計2万8610㎡ 支承取替366基

堺市 大浜高架橋のリニューアル工事が大詰め

 堺市が大規模な耐震補強および塗装の塗り替えを進めている大浜高架橋のリニューアル工事が大詰めを迎えている。同橋は鉛を含有する塗膜を抱えているため、その塗装の塗り替えに配慮する必要がある他、桁下の交通量も多いため、下部工の耐震補強も細心の注意を払って行う必要があり、それぞれ塗膜剥離剤を使用した塗装の塗り替えやPAE系ポリマーセメントモルタル(以下、SPCM工法)による橋脚巻き立て補強を行っている。その詳細を取材した。(井手迫瑞樹)


今工事概要(堺市提供、以下注釈無きは同)

 大浜高架橋は堺市内で最も長い橋梁で本線橋が1,753.89m、Bランプが238.65m、Cランプが120.22m、Dランプが247.35mである。本線橋は鋼桁とプレテンション方式PCT桁およびPC中空床版桁が混在するが、PC桁は約220mでほとんどが鋼箱桁および鋼板鈑桁である。Bランプは3+2+2径間連結プレテンション方式PCT桁+3径間連続非合成鈑桁、Cランプが単純合成鈑桁×2+単純曲線合成鈑桁×2、Dランプが3+2+2径間連結プレテンション方式PCT桁+3径間連続非合成鈑桁という上部工形式を有する。

 大浜高架橋は昭和59~62年に順次架設され、62年度に供用された。1日交通量は49,000台を有し、大型車混入率は約38%である。大きな損傷は無いものの、塗装の経年劣化や支承の腐食、コンクリートの浮きや剥離が見られる。塗装は特に桁下面で塗膜の剥離が多くみられる。


塗装の塗り替え

 鋼桁のうち、塗膜の劣化や錆・腐食などを生じさせている塗装の塗り替え対象は28,610㎡に及んでいる。約14,000㎡の塗装の塗り替えは完了しており、現在はP22~P25間約6,000㎡を施工している。既設塗膜は鉛入りさび止めペイントを含んでいるため、水系塗膜剥離剤「パントレ」を用いて塗膜除去した上で、グラインダーやブリストルブラスターで素地調整し、重防食塗装(関西ペイント製)に塗り替えていた。現場で塗膜剥離剤の試験施工を実施し、試験結果より塗膜剥離剤は2回塗りとした。かつてパントレにあった強い臭気は、材料を改良したことによってほとんどなくなり、施工性を向上させていた。施工に際しては使い捨ての防護服、防塵マスクを使用し、作業者の安全性を高めている。除去後の既設塗膜は、特別管理産業廃棄物として適正に処理している。塗装の塗り替えはピークで塗膜剥離工に30人、塗装工に10人を費やした。現在は耐震補強部材の取付部を除き、ほぼ塗装工事は完了している。


パントレを塗布した後の表面

膨潤させた後、掻き落とし

塗膜をきれいに除去した(両写真とも井手迫瑞樹撮影)

その後塗り替え塗装を施した