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ロープアクセスやドローンなどの実演を行う

NEXCO中日本グループ 「技術フェア」を開催

 NEXCO中日本グループは1日、圏央道の圏央厚木IC近くの関口高架橋下で「技術フェア」を開催した。ロープアクセスやドローンなどの橋梁点検手法の実演や、点検業務をはじめ保全・サービス業務を安全、効率的に実施するための技術や製品を展示紹介するもので、大学生やゼネコン、メーカーの社員など約100人が参加した。

 宮池克人NEXCO中日本社長は事前の挨拶で、「第4次産業革命といわれているICT、AIなどの急速な発達が社会を大きく変えていく状況にある。そのなかで(NEXCO中日本グループでは)将来を見据えて、保全・サービス事業部門の効率化・高度化を積極的に進めている。製品、技術の開発はオープンイノベーションで、産学の研究機関との取組みをより発展させていきたいと考えて、本フェアを開催することになった」と述べた。



会場風景/挨拶を行う宮池社長(大柴功治撮影、以下同)


 同フェアでは点検困難箇所を点検する技術として、ロープアクセスとドローン、小径管点検ロボット(P-CIS)の実演が行われた。ロープアクセスでは関口高架橋の橋脚を使用して、目視と打音検査のデモを実施。中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋には現在、7人のロープアクセス点検技術者がいるとの説明があった。



ロープアクセスの実演


 エンジニアリング東京が行ったドローンの実演では橋面上から操縦する有線式のものが使用された。有線式は、落下原因の80%であるバッテリー切れがないことや、電波混信がないこと、大容量データを送信・記録できることが特徴となっている。

 前方に360度カメラを取り付けた小径管点検ロボットは、人が進入できない小径管(φ400~φ1200)の排水管(パイプカルバート)の点検調査を行うもの。現在、2機を現場に試行導入しているが、東名高速と中央道では排水管の総延長が約340kmにわたるため、点検調査の効率化のために安価に製作できる同ロボットを増やしていきたいと説明が行われた。



ドローンの実演


小径管点検ロボットの実演と「P-CIS」本体


 技術・製品の展示は、メンテナンス、料金・サービス、マネジメントなどの分野別で行われた。マネジメント分野で展示されていた「ジオスロープ工法」は、地震等の災害で発生した路面の段差解消の応急復旧工法。高密度ポリエチレン製で蜂の巣状のスロープ(ハニカム構造体)と網状シート、砕石投入によって段差を解消する。従来の土のうによる段差スロープの設置は4人で数時間を要したが、ジオスロープ工法では約30分(4人)で設置が可能であり、設置後も轍が発生せず耐久性に優れている。さらにハニカム構造体と網状シートは折り畳んで保管が可能なため、小スペースで備蓄が可能だという。



ハニカム構造体(左)と網状シート(右)。折り畳みが可能になっている


 そのほか、既設グラウンドアンカー更新工法、緊急避難信号送受信装置システム「しらすんだー」、最高時速100kmで舗装面のわだち掘れ、ひび割れ、平坦性の測定ができる車両「ロードタイガー」、草刈り、歩道部の除雪作業、融雪溝清掃、路面清掃がアタッチメントの取替えにより1台でできる「刈るわざ師SUPERⅡ」、3次元レーザースキャナを用いて旧JIS規格のPC橋の一般図が作成できる技術などの展示が行われていた。



緊急避難信号送受信装置システム「しらすんだー」


ロードタイガー/刈るわざ師SUPERⅡ


3次元レーザースキャナ


NEXCO中日本で開発中の「高速画像処理を用いたトンネル内点検技術」。時速100kmで走行しながら、トンネル内のひび割れを幅0.2mmまで検出できる。専用の車両を必要とせずに、普通車両に搭載できる小型化を実現している。装置内にはカメラと東京大学で開発した高速小型回転ミラーが搭載され、ミラーが対象物を追いかけることにより、露光時間を伸ばすことができてトンネル内でも高精度の画像を撮影することが可能になる。

(2018年8月3日掲載 大柴功治)