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PC床版にICタグを埋設してデータ管理

NEXCO中日本 東名道 赤渕川橋で床版取替工事

公開日:2018.02.26

 中日本高速道路(NEXCO中日本)は、現在、東名高速道路の沼津IC~富士IC間の赤渕川橋(下り線)で床版取替工事を行っている。同橋は、昭和44年3月の供用から48年が経過しており、現在までに延べ11億台の車両が通行し、そのうち4億台が大型車であったことから、既設RC床版下面を中心に損傷が発生していた。そのため、高速道路リニューアルプロジェクト(大規模更新・修繕事業)として、プレキャストPC床版への取替えを実施することになった。その現場をリポートする。

新東名開通前の交通量は1日平均約74,000台
 床版下面に格子状のひび割れが発生

橋梁概要と損傷状況
 赤渕川橋(下り線)は橋長180.4m、有効幅員10.95mの鋼鈑桁橋×3連だが、今回の床版取替は名古屋側のA1~P3間(3径間連続非合成鈑桁橋)72.8mが対象となる。交通量は、新東名高速道路が開通する前の平成23年が約74,000台/日(大型車混入率37%)、新東名高速道路開通後の平成28年が約42,000台/日(大型車混入率33%)と、重交通で大型車の通行も多くなっている。


赤渕川橋全景と位置図(NEXCO中日本提供・以下注釈なきは同)

橋梁側面図

 既設RC床版の厚さは170mmで、東京側のP4~A2間は平成16年度に60mmの床版上面増厚を行っているが、施工区間は部分的な断面修復のみで増厚は行っていない(上り線は平成10年度にA1~A2間で60mmの増厚を実施)。増厚を行った区間では損傷が少ない状況であることから、A1~P3間で床版取替工事を施工することとなった。
 損傷は床版下面に格子状のひび割れが発生しており、一部にエフロレッセンスも確認されたほか、舗装面にも局所的なひび割れが見られた。輪荷重作用箇所を中心にひび割れが発生しているため、車両の大型化や大型車交通の増加がおもな損傷原因と考えられ、床版内部の塩化物イオン量は比較的低濃度であったことから凍結防止剤散布による影響は小さいと推察された。



損傷状況と舗装面状況

既設床版の撤去と新設床版の架設
 床版の撤去・架設は、1月28日から着手し、2月10日までの14日間(うち2日間はA1伸縮装置の撤去)で行われた。東京側のP3から名古屋側のA1へ順次120t吊オールテレーンクレーンで施工し、取替総面積は840㎡となる。施工は周辺環境に配慮して日中に行われ、ワイヤーソーで壁高欄を、カッターで既設床版を切断後、油圧センタージャッキ付架台で主桁から引き剥がした。橋軸方向約2m×橋軸直角方向約6m(重量約6t)のパネルを1日当たり6枚撤去し、橋軸方向2m×橋軸直角方向12.2m(重量約14t)の新設床版パネル33枚を、1日あたり撤去面積と等しい3枚ずつ架設した。



既設床版の撤去作業



新設床版架設作業(上段2枚 大柴功治撮影)

 新設床版パネルの厚さは220mmで、川田建設那須工場で製作を行い、コンクリートの緻密性を上げるために、蒸気養生後に水中養生を3日間行った。鉄筋は、プレキャストPC床版内部は普通鉄筋、間詰部など現場打ち部分はエポキシ樹脂塗装鉄筋(AG-エポキシバー)を使用している。
 撤去・架設にあたっては、施工区間が民家と近接しているため、クレーンの旋回半径を下り線の幅員内に収めるようにし、安全対策として路肩側にレーザーバリアシステムを採用した。
 今回の施工ではプレキャストPC床版に必要な鉄筋量を確保するための鉄筋量を考慮すると、ループ継手とした場合に鉄筋曲げ半径の制約にともない、床版厚を厚くしなければならなかったため、鉄筋のループ加工が不要であるKK合理化継手(川田建設保有技術)を採用し、床版厚の薄肉化による死荷重低減を図った。また、間詰め部配筋の鉄筋の横取りが不要になることなど施工性にも配慮した。
 継手部の間詰めコンクリートの打設箇所は32箇所で、1箇所あたりの打設幅は280mm。間詰めコンクリートは、PC床版と同じ強度50N/mm2で、工期短縮のために早強ポルトランドセメントを使用している。また、打継部にエポキシ樹脂接着剤を使用して接着性の向上を図っているほか、ひび割れ防止のために、間詰め部上部(上筋側)にひび割れ低減ネットを、間詰め部下部(下筋側)に吸水防止剤を採用する。



間詰部作業(下段右 大柴功治撮影)

壁高欄と床版防水など
 壁高欄は、強度30N/mm2の早強コンクリートでの現場打ちとなる。鉄筋は普通鉄筋で、目地部など一部にエポキシ樹脂塗装鉄筋を使用する。床版防水は高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用し、HQハイブレンAU工法を用いて、約826㎡に施工予定となっている。舗装は、基層がFB13、表層が高機能Ⅰ型となる。床版取替工事後には、施工区間(上下線A1~A2間)の全支承取替えと鋼桁の疲労き裂補修、塗替塗装(約12,000㎡)も行う予定。足場は、高所で単管パイプや足場板などの個々の部材を組み立てる作業をする必要がなく、パネルを設置した時点で床組および防護が完成するため、組立て解体途中でも作業床が確保され、作業員の墜落リスクを回避できることなどから、パネル式システム吊足場を採用した。


吊足場(大柴功治撮影)

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