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河川内橋脚はPCウェル工法で施工

日本橋川 首都高直下に約100mの人道橋桁架設

 東京・大手町地区の再開発事業の一環として、竜閑さくら橋の建設が進められている。施工現場は首都高速道路やJR線に極めて近接しているため、重機使用や空間上の制限があった。河川内橋脚の構築では重機制限のため陸上からの施工ができずにフロート台船を組み立てて行ったほか、約4カ月をかけた桁架設では首都高の高架橋桁下との空間が約2.6mだった。このような厳しい現場条件下での人道橋建設を報告する。(大柴功治)


大手町地区と日本橋・神田地区を結ぶ

 都市再生機構は、日本有数のビジネス街である東京・大手町地区で区画整理事業を進めている。そのうちの「大手町二丁目地区第一種市街地再開発事業」では35階建てと32階建ての高層ビルを建設するとともに、日本橋川に架かる人道橋の施工を行っている。

 これまで大手町地区と神田地区・日本橋地区は日本橋川で分断されていたが、橋が完成することで歩行者の行き来ができるようになり、3地区の連携強化を期待したものだ。また、ビジネス街の憩いの空間として先行整備している約1kmの大手町川端緑道と人道橋をつなげることで、大手町地区の歩行者ネットワークが充実することになる。



竜閑さくら橋位置図


首都高の高架橋とトンネル、JR線高架橋が近接

 安全対策に加え、使用重機に制限

 人道橋は橋長120m、幅員7m(有効幅員6m)の3径間連続鋼床版桁(2径間箱桁+鈑桁)橋。L字型の形状で、P1(神田側)からP3(大手町側)の95mが箱桁、P3から高層ビルに接続する25m(P4は高層ビルに近接)が鈑桁となっている。また、大手町側の階段部にはP5、P6橋脚がある。



竜閑さくら橋 橋梁一般図


 詳細設計と協議に約1年をかけ、工期は約2年半。非出水期に入った平成27年11月から河川内橋脚P2の施工を開始し、平成30年3月に完成予定だ。

 施工現場は、日本橋川の上に首都高都市環状線が通り、その橋脚が近接していることに加え、大手町側は首都高八重洲線のトンネルが地上部に出る地点となっている。また、現場東側には中央線や京浜東北線などが頻繁に通過するJRの高架橋が近接している。



首都高の高架橋と橋脚、JR線、首都高トンネルが近接する(架設後の橋面から撮影)


 このため、高架橋やトンネル構造への影響を避けるために徹底した安全対策が必要であると同時に、使用重機に制限があった。安全面では、首都高とJR線の各構造物に沈下計を設置して24時間の計測を行うとともに、レザーバリアシステムを採用し、クレーンのブームが施工区域を超えると警報が鳴るようにするなどの対策を行った。


河川内橋脚はフロート台船を組み立て、PCウェル工法で施工

 河川内橋脚のP2は陸上からの施工が可能だったが、重機制限のために河川内からの施工となった。しかし、日本橋川の川幅が狭く、上流側と下流側の橋が改修工事中であることや桁下空間が狭いこともあり、河川から重機や資材の搬入ができなかった。そのため、神田側の工事用ヤードから35tラフタークレーンを用いてフロート台船の組み立てを行い、400tトラッククレーンでP2施工用の50tテレスコクレーンを台船上に吊りおろした。



台船吊降し計画図


フロート台船と台船上に吊りおろした50tクレーン


 P2はPCウェル工法で施工された。PCウェル圧入のための反力架台の構築では、首都高八重洲線トンネルのシートパイルが近接に埋設されていたため、通常のシートパイルだけでなく、トンネルのシートパイルに影響を与えないように鋼管を使用する工夫を行っている。



P2(PCウェル)基礎施工状況図


(左)反力架台の構築。鋼管を使用している


PCウェル圧入とPCウェル(右写真の左側橋脚)


 反力架台構築後、長さ約2.5m(φ2,500)に分割されたPCウェルを圧入装置に設置し、50tクレーンで掘削、圧入を繰り返して、長さ25mの基礎と橋脚を完成させた。「河川内でのPCウェル工法の施工は、都市再生機構としては日本橋川が初めて」(都市再生機構)となった。