道路構造物ジャーナルNET

自走式ロボットで上信越自動車道碓氷橋のケーブルを点検

西松建設「コロコロチェッカー」 近接目視と同レベルの斜材保護管調査を実現

公開日:2017.09.01

ケーブル長78.3m(斜度26度)の点検走行時間は31分

 点検は上り線が5月30日から6月6日までの5日間、下り線が6月7日から9日と26日の4日間の合計9日間で完了した。各日のケーブル点検実施本数は、初日が初回セッティング作業のため3本、上り線最終日が2本だったが、それ以外は1日4~5本となった。
 点検3日目となる6月2日の上り線の点検では、車線規制後の9時30分に作業を開始。コロコロチェッカー本体のセッティング作業は初日に完了しているので準備作業はなく、作業員2名が高所作業車により本体をケーブルに設置し、点検長約78.3m(斜度26度)と約55.7m(斜度32度)の2本のケーブル点検を午前中に行った。コロコロチェッカーの往復走行時間は78.3mのケーブルが約31分、55.7mのケーブルが約22分で、設置とケーブル間の移動に約80分を費やした。「今回は高所作業車上での設置作業となり時間がかかったが、橋面からであればより短い時間での設置が可能」(西松建設)だ。


設置作業。重量30kgのため、作業員ふたりでの設置が可能

設置後、自走にて点検を行う

PCのモニターで調査画像をリアルタイムで確認でき、同時に記録媒体に保存する

 午後からの点検対象ケーブルの径が異なるため、午前中に約60分をかけて管径の設定変更を行い、午後から点検長約70.9m(斜度28度)と約61.2m(斜度30度)の点検を実施した。走行時間は70.9mのケーブルが約28分、61.2mのケーブルが約24分で、午前中と同様に設置と移動に約80分かけて、規制解除となる16時30分前の15時には作業が完了した。

点検期間短縮のための走行速度向上と小型化が課題

 今年の秋には、第一復建が受注した佐賀県・福岡県道138号の「天建寺橋」橋梁定期点検においても、コロコロチェッカーによる斜材保護管の点検を実施する予定となっている。同橋は筑後川に架かる橋長426m、主塔高56mのPC3径間連続斜張橋。斜材本数は56本(斜材長18~115m、延長3,273m)で、その56本すべての点検を西松建設が請負う。点検にかかるコストは、一般道での作業となり簡易な交通規制ですむために、ロープワークでの点検と同等としている。
 今後、斜張橋のケーブル点検でのコロコロチェッカーの採用増にむけては、「コスト削減につながる点検期間短縮のために走行速度を上げることや、ケーブルと道路照明などの構造物が近接する場合は調査ができないのでさらなる小型化が必要」(同社)で検討を行っている。画像解析ソフトについても、解析に時間がかかれば人件費がかさむことになるので、処理速度向上の工夫が必要としている。

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