道路構造物ジャーナルNET

⑦【番外編】髙木氏のメッセージを受けて~今僕にできること~

若手・中堅インハウスエンジニアの本音 ~マネジメントしつつ専門的知見を得ていくために~

愛知県東三河建設事務所
道路整備課(事業第三グループ)

宮川 洋一

公開日:2019.08.01

「あいち橋の会」事務局による相談窓口

 「あいち橋の会」メンバー個人の経験のみで解決が難しい案件については、別途「あいち橋の会」事務局メンバーによる相談窓口を開設し、複数の事務局メンバーで構成されたチームにより対応することも考えています。ただ、先の対応と同様、あくまでも当事者の判断の助けとするだけで、決定権は担当者と事業課にあることとしています。事務局メンバーはより負担が増しますが、各々の得意分野ですし、より研鑽したい有志職員たちによって構成することを想定しています。過去に身に付けた経験やスキルは使わないと錆び付いてもしまいますし、能力を向上させて課題解決を高めたいと考えるメンバーを増やすことになると期待しています。またこのチームには、専門性の高い、名古屋高速道路公社やNEXCO、国土交通省などの職員にも事務局メンバー加わっていただきたいと考えております。
 私個人にできることは限られていますが、仲間を増やすことで大きな力になると考えています。とにかくやれることから始めてみて、相談を受け付け、これらをまわしていき、実績を積み重ねる上で、信頼度を高めていきたいと考えています。

「あいち橋の会」で行いたいそのほかのこと

 「あいち橋の会」では、メンバーの経験や得意分野の登録だけでなく、課題対応事例や過去の実績、論文、特筆すべき橋梁や工法などを取りまとめてデータベース化することを考えています。
 また、主要橋梁ごとに補修・補強履歴などを取りまとめた橋梁カルテなどの整備もできると良いと考え、その手助けなども考えています。
 定期的な会合を実施し、報告会や交流会、勉強会、現場視察会などもしたいと考えています。
 任意の組織だからこそ、できることもあります。転勤して橋梁担当から離れたとしても、継続して橋の問題にかかわり続け、キャリアを積み重ねることもできます。
 さらに、愛知県内の特筆すべき橋梁、文化的価値のある橋梁などについては、一般の人への周知やイベントなどでの紹介などの活用を考えています。例えば、出張出前講座などで県内橋梁の解説や、「インフラツーリズム」、愛知県で実施している人気まち歩きイベント「ブラアイチ」(詳しくは、ブラアイチのURL:http://aichi-river.jp/buraaichi/)などでの解説としての参画もできると良いと思います。
 実は私、県庁内で公募のあった「ブラアイチ」のプロジェクトメンバーでもありまして、過去に実施された「ブラアイチin岡崎」「ブラアイチin蟹江」で一般の人に向けた橋梁の解説を買って出ました。愛知県内では「ブラアイチ」の認知度もあがっており、可能性を感じています。


ブラアイチin岡崎

ブラアイチin蟹江

御葭橋(跳開橋)の説明資料

 このほか「橋洗い」「現場見学会」「橋巡りツアー」といったイベントができると良いと考えています。

 橋の話を始めたら止まらないような、いわゆる「橋マニア」的な活動にも広がればとても楽しいと思います。仕事とか誰かに頼まれるからとかではなく、地域の橋について、歴史、逸話、エピソードなどを勝手に調べ、まとめ発表したり…。可能性は無限に広がります。


東海道五十三次之内矢矧橋風景

矢作橋橋杭写真

「三州矢矧橋図」首都大学東京図書館所蔵 無断転載禁止

 少々脱線しましたが、これらの件についても機会がありましたら取りまとめてご報告したいとも考えております。

 広く一般の方々に土木構造物の魅力を伝えていく。その結果、地域の土木構造物への理解をひろめ、それらを大切に自慢に誇りに思う人が増えれば、将来にわたり、なくてはならないインフラへの理解や担い手に確保にもつながる。私たち自身が研鑽して、目を輝かせながらやりがいのある仕事をしていく。このことが様々な方向に伝播し、愛知県における橋梁構造物の管理水準を上げていくことにもつながるものと信じています。

読者のみなさまへ

 「〇〇橋の会」など、他の地方自治体においても同様の取り組みが可能ではないでしょうか。もしかすると、既に同様の取り組みはあるのかもしれません。そんなご報告や、この取り組みにつきまして、ご興味のあります方はご連絡いただけると幸いです。地方自治体に限らず、国、大学、研究機関、コンサルタント、施工業者などの方々へ、お問い合わせ、励まし、冷やかし、情報交換などは、youichi_miyagawa@pref.aichi.lg.jp まで。お待ちしております。
 最後までお読みいただき感謝します。乱文失礼しました。
 それではまた。(2019年8月1日掲載)

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