道路構造物ジャーナルNET

④~技術系公務員として設計業務を理解する力~

若手・中堅インハウスエンジニアの本音 ~技術系公務員におけるスペシャリストの必要性~

愛知県
西三河建設事務所
西尾支所建設課

渡邉 英

公開日:2018.06.01

(7)海岸堤防における液状化に対する照査事例

 ここから、我々が実施した有限要素法による動的有効応力解析プログラムFLIPを用いた海岸堤防の液状化に対する照査事例について紹介する。
① 解析概要 
 液状化地盤の解析するモデルには、全応力モデルと有効応力モデルがある。全応力モデルは解析の単純化のため過剰間隙水圧の影響を無視しているが、有効応力モデルは過剰間隙水圧の発生・消散による影響を時々刻々と解析に取り入れることが出来る。液状化解析コードはLIQCA、FLIP、ALID、DIANA等があり、今回使用したFLIP(Finite element analysis of Liquefaction Program)は旧運輸省港湾技術研究所において開発された有効応力法に基づく地震応答解析プログラムである。
 今回使用したFLIP ROSE 2D Ver7.3.1は2次元モデルであり、モデル化範囲は図―5のとおりで境界条件による影響を避けるため両幅100mとしている。地盤および構造物のモデル化は図表のとおりである。照査方法は、このモデルの工学的基盤面Dg2層(Vs=400m/s2)の下端に設計地震動を入力し、解析により得られた堤防の沈下量や対策構造物の部材応答値と限界値を比較し照査する。

② FLIPの特徴について
既往の文献4)~8)を参考にFLIPで特徴的な過剰間隙水圧モデル、砂の応力-ひずみモデル、多重せん断バネモデルの3つの内容について本設計での解析結果も含め紹介する。





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