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伊藤學賞は稲葉氏、技術功労賞は尾下氏が受賞

橋建協が「橋梁技術発表会」を開催

公開日:2014.10.15

 日本橋梁建設協会(会長=藤井久司・横河ブリッジ相談役)は10日、東京・銀座の銀座ブロッサムホールで会員をはじめ官公庁やコンサルなどの関係者約450名を集め、東京地区の「平成26年度橋梁技術発表会・講演会」(サブタイトル・100年橋梁を達成する技術)を開催した。
 技術発表会では「日本と米国における取り替え鋼床版事例の調査報告」、「単径間ダブルデッキトラスの送り出しについて」の2題について、各委員会から調査結果や最新の施工技術などが報告され、特別講演会では「限界状態設計法の維持管理への適用と橋梁技術の統合化」をテーマに埼玉大学の奥井義昭教授が講演を行った。また、技術発表会前にはメンテナンスや経済性など「鋼橋の魅力」、「平成26年版・鋼道路橋の工事費実績」、「耐候性鋼材のさびサンプル」の紹介が橋建協報告として行われた。
 さらに伊藤學表彰式では、吉田昌由(IHIインフラ建設調達部課長)、佐藤功武(宮地エンジニアリング橋梁事業本部橋梁工事部東京工事グループ係長)、段下義典(川田工業鋼構造事業部技術統括部技術部東京技術課係長)の3氏が奨励賞、尾下里治氏(ワイ・シー・イー社長)が今年度から新たに設けられた技術功労賞を受賞。そして稲葉紀昭氏(東京鉄骨橋梁技術顧問)が伊藤學賞を受賞、その功績を讃えてそれぞれ藤井会長から表彰状が贈られた。伊藤學賞を受賞した稲葉氏は「鉄道橋の騒音問題の解決」について講演を行い、日本国有鉄道(現・JR)勤務時代に携わった鉄道橋の騒音問題の解決に向けて、技術的な観点からその苦心談などを紹介した。

               伊藤學賞は稲葉紀昭氏が受賞した           今年度から新設された技術功労賞は尾下里治氏が受賞         
 開会にあたり、藤井会長は「この発表会は、日本の優れた橋梁技術を次世代に伝えるために若い優秀な技術者を育成する人材育成活動の中では中核をなすもので、11回目を迎える。当初は東京のみ開催だったが、現在は全国6都市で開催し、参加人数も延べ1500名が参加している。鋼橋を取り巻く事業環境は国内道路橋約26万3000㌧(昨年度実績)で数年横ばいが続いている。7年前と比較して半分まで落ち込み極めて厳しく、企業として危機感を抱いている。安倍政権発足後の公共事業投資、東京五輪開催決定など好材料が揃っているだけに需要の伸びを期待している。経済性や補修の優位性のほか、メンテナンス施工で100年耐用も可能な鋼橋の魅力を今後も積極的にアピールしていきたい」と述べた。

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