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180Nの超高強度コンクリート床版でありながら鋼床版並みの軽さ

阪神高速 道路橋では国内初となるワッフル型UFC床版の架設現場を公開

公開日:2019.07.19

 阪神高速道路は、17日22時~18日未明にかけて、信濃橋入口のNP5~NP4間の本町通を跨ぐ橋長37mの単純合成鈑桁部において、道路橋では国内初となるワッフル型UFC床版の架設現場を報道陣に公開した。同床版は2方向にリブがあるワッフル形状のプレキャスト床版で、180N/mm2の強度を有する超高強度コンクリート床版でありながら、鋼床版並みに軽量化を図ることができるのが特徴だ。1枚当たり幅5.75m、長さ2.45m、厚さ150mm、重さ3.6tのUFC床版パネルを公開前日に6枚、公開日に9枚、合計15枚設置した。

60tクレーンで吊り上げられる/下部がワッフル形状を有している
 軽量なため、60tクレーンで桁下から吊り上げ、スムーズに施工することができた。吊り上げ~設置は、現場で見たところ3分程度しかかかっていなかった。
 設置手法は通常のプレキャストPC床版とほぼ同じ。床版パネルを全数配置し終えた時点で、上フランジ上のスタッドや、床版パネルのシーム(幅50mm)中央、ちょうど横リブ上に配置した孔あき鋼板ジベルに現場打ちUFCを間詰コンクリートして打設し、桁と一体化する。継ぎ目部にはPC鋼棒(φ17mm)を配置してポストテンションする。間詰めコンクリートは床版同様UFCを用いる(強度は150N/mm2)。

孔あき鋼板ジベル/桁上の作業員は4人

吊り上げから設置まで1枚当たり5分強で設置していた
 軽量かつ高耐久であり、作業性も良いことから、床版取替を伴う大規模更新現場や、鋼床版代替の新設・取替現場などへ使うことができそうだ。同現場の元請は鹿島建設。UFC床版の製作は富士ピー・エス。

(2019年7月19日掲載、詳細版は『現場を巡る』面で7月末から8月初頭に掲載予定です)

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