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小田原厚木道路 風祭高架橋床版取替工事を公開

NEXCO中日本 床版取替機を初採用、クレーンとの2箇所同時施工で工期短縮図る

 中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社は5月30日、小田原厚木道路の風祭高架橋床版取替工事を報道陣に公開した。現場の大きな特徴は、床版取替機とクレーンを用いて床版の撤去・架設を2箇所同時に行い、工期短縮を図ったことだ。


 施工対象区間は、小田原西ICの西湘バイパス箱根方面から小田原厚木道路厚木方面に向かう同橋(Aランプ)で、橋長141.6mの3径間連続非合成箱桁橋(P4~P4-3、76.3m)+3径間連続非合成鈑桁橋(P4-3~P4-6、64.8m)となり、床版取替面積は920.7m2。既設RC床版は箱桁部が厚さ185mm、鈑桁部が170mmで、1969年の供用から50年が経過し、老朽化や車両の大型化などにより床版下面にひび割れ、遊離石灰をともなう漏水が発生し、舗装面もポットホールやひび割れが生じていることから、220mmのプレキャストPC床版に取り替える。



手前が箱桁部で、奥が鈑桁部(箱根方向)。鈑桁部に床版取替機が設置されている


 床版撤去・架設工前には、同橋(Aランプ)の設計活荷重を旧基準のTL-20から現行基準のB活荷重対応とするために鋼桁の当て板補強を実施した後、5月7日からAランプを通行止めにして舗装撤去、5月8日から12日まで付属物の撤去と既設床版の切断を行った。

 箱根側の鈑桁部は、住宅が近接していることに加えて生活道路となっている市道と交差しているために、クレーンを設置するヤードと作業範囲を確保できなかった。そのため、施工者のIHIインフラ建設・IHIインフラシステムJVのIHIインフラ建設が開発した床版取替機をNEXCO中日本として初採用した(IHIインフラ建設としても本施工では初採用)。

 床版取替機は、橋軸方向に移動をする門型クレーンを設置して床版を撤去・架設するもので、クレーンの作業範囲が確保できない、または幅員が狭い箇所で施工が可能という特徴を有している。NEXCO中日本は「生活道路の市道を通行止めにできず、安全を最優先した」と採用理由を説明するとともに、「今後、上下線のどちらか一方を通行止めにすることが難しい重交通路線での施工で床版取替機が役立つと考えている」とした。

 施工は、鈑桁部のP4-3(厚木)側の床版3枚をランプ内のヤードに設置したクレーンで撤去・架設した後、床版取替機を組立て、21日からP4-6(箱根)側へ向けて開始した。切断済みの既設床版を1日に3~4枚撤去し、翌日にプレキャストPC床版(橋軸方向約1.7m×橋軸直角方向約5.5m、重量約8t)を同数架設していく作業を繰り返して、6月上旬までに全29枚のプレキャストPC床版を架設する予定だ。



床版取替機。今回のストローク幅は約12m


架設位置に到達後、床版を回転させて慎重に降下させていく


 箱桁部はランプ内のヤードに設置した250tトラッククレーンで施工する。15日からP4-3側からP4(厚木)側に向けて1日7~8枚の既設床版の撤去を行って19日に完了させた後、新設床版の架設を23日から行っている。1日の架設枚数は撤去枚数と同数で、全32枚を6月上旬までに架設する予定。箱桁部は曲線橋で視距拡幅があるため、プレキャストPC床版のサイズと重量は橋軸方向約1.7m×橋軸直角方向約5.5m~6.8m、約8~9tとなっている。



ランプ内のヤードに設置したクレーンから床版の撤去・架設を行った


 床版取替機とクレーンによる「2班同時施工で工期短縮を図り、通行止め期間を短くできる方法を選んだことが本工事の一番のポイント」(IHIインフラ建設・IHIインフラシステムJV 福原和成現場代理人)で、1班の施工では撤去・架設のみで20日は工期が伸びたという。

 工期短縮を図るために、地覆と壁高欄の事前施工を行ったことも本工事の工夫のひとつだ。IHIインフラ建設の滋賀工場で製作したプレキャストPC床版を、東名高速道路大井松田IC近くの仮置きヤードに運搬後、現場を再現した架台に床版を配置して、地覆と壁高欄の型枠を施工し、高さおよび通りの調整を行って打設を行っている。



現場施工を少なくするため、地覆・壁高欄の一部を事前施工


 床版架設完了後、間詰部、床版端部、一部の地覆・壁高欄のコンクリートを打設、さらに床版防水工、舗装などを行い、工事は7月5日までに完了する予定だ。

 元請は、IHIインフラ建設・IHIインフラシステムJV。協力会社は、野田クレーン(クレーン、架設工)、アドマック(桁補強)、ナプコ(塗装工)など。

(2019年6月2日掲載 詳細は後日、「現場を巡る」コーナーで掲載予定です)