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塩分測定や鋼橋既設塗膜中の鉛やクロムを非破壊かつ現場で測定可能

オリンパス ハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA」を土木用途へ拡大目指す

 オリンパスは、ハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA」の土木用途への拡大を目指している。同機は従来、リサイクル時の金属判定やプラントなどにおける検査、有害物質のスクリーニングに用いられてきた。従来の蛍光X線分析計と異なり、検査用機材は持ち運びできる重量で、フレキシブル性に富み、成分元素を分析できる同機の特性を生かして、コンクリート中の塩素(Cl)や、鋼橋の既設塗膜の中の鉛(Pb)やクロム(Cr)などを現場で検出することができるという特徴を有している。


鋼桁、RC床版あるいはRC下部工のような橋では、さらにVANTAの能力が発揮できる

写真は富山市が所管する興人橋(下写真の接写も、井手迫瑞樹撮影)


持ち運びが簡単でフレキシブル


 同機の重量は1.7kg程度で、現場での持ち運びが十分可能だ。検査機の先端を構造物の表面に押し当てることで、表面の塩素量や、塗膜中の成分元素を測定することができる。測定範囲は直径9mm。「コンクリートの塩分量は塩素の量と強い関連性がある」(同社)ことが分かっており、これを利用して塩分量を測定するもの。また、コンクリート内部の塩分量を測定する場合、通常では母材からコアを抜いて、持ち帰り、室内で微粉末化して測定したりしていたが、VANTAは現場でコアそのものや微粉末もプラスチックのケースに入れ、先端部に載せて専用の簡易な遮蔽機材で覆うことで、その場で測定できるため、手間を大きく減らすことができる(最下部の写真)。既設塗膜の有害物質調査においては、さらにその傾向が顕著で、従来は塗膜を採取して専門の機関や業者に調査委託しなければならなかったが、VANTAは表面に押し当てるだけで、有害物質の有無や調査範囲の量が測定できるため、手間だけでなく調査の際の養生が必要なく、作業安全性も向上している。

 調査に要する時間は、含有量が多いほど速く、1000ppm以上なら2、3秒で測定可能。微量な場合は30~60秒ほどの測定時間となっている(上写真が画像表示例)。


現場でコンクリート内部の塩分測定もできる

 価格は約500万円。(2018年3月31日掲載、井手迫瑞樹)