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橘吉宏氏が「ループ継手開発の経緯と伝えたい技術伝承」というテーマで講演

PC床版継手工法研究会が技術講演会を開催

公開日:2018.03.12

 PC床版継手工法研究会は、9日、東京・有楽町の新有楽町ビルで技術講演会を開催した。今次講習会では、川田工業を経て中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋に所属している橘吉宏氏(右上写真)が「ループ継手開発の経緯と伝えたい技術伝承」というテーマで講演した。
 同氏は、「現在、担当している北陸道では腐食や塩害などによる損傷の増加を踏まえて、大規模更新事業によるプレキャストPC床版への取替が進んでいる」とした上で、RCループ継手を我が国で初採用したプレキャスト床版連続合成桁斜張橋「仲良い橋」(1989年建設)から遡って言及し、次いで92年のプレキャストPC床版少数主桁橋の提案、93年のプレキャストPC床版2主桁橋の提案、94年のPC床版2主桁、3主桁の実際の建設現場として携わったホロナイ川橋、東海大府高架橋でのループ継手の採用と諸実験、95年の施工総研における静的疲労・耐荷力試験の実施、97年の土研における輪荷重走行試験、2003年の国総研資として出されたPC床版施工マニュアル(案)・施工要領(案)(国総研資料第121号)におけるループ継手の標準化――などについて、継手長の変遷や各種試験内容、各案件の指摘された課題を次の案件でどう潰していったかなどの要点を分かりやすく語った。
 一方、大規模更新・大規模修繕事業で感じたこととして「若手への技術伝承が成されていないのではないか」と指摘。同事業を遂行するために必要な知識として、鋼桁の線形、鋼桁の施工誤差、鋼桁のキャンバー、ずれ止めについて学ぶことが必要とし、若手の技術者が最低限知っておく資料として、「PC床版施工マニュアル(案)・施工要領(案)(国総研資料第121号)」と高速道路技術センターの「第二東名高速道路 鋼橋の新技術に関する調査研究 少数主桁橋設計・施工指針(案)フォローアップ検討(平成11年3月)」を示した。
 講演会には研究会に属している各社から約50人が参加した。なお、その後の懇親会で、新たに安藤ハザマ、三井造船鉄構エンジニアリングが、4月1日より入会することも発表した。

約50人が講演を聞き入った

(2018年3月12日掲載、15日一部加筆)

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