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日本最大級の1600t吊と1250t吊クローラークレーンを使用

横浜青葉IC 東名高速道路上の鋼桁を2ブロック同時架設

公開日:2017.10.12

東名高速を夜間全面通行止めし、2ブロック同時架設

 NEXCO中日本と首都高速道路は、10月11日深夜~12日未明にかけて東名高速道路と横浜環状北西線を結ぶ横浜青葉IC関連の桁架設工事において、東名高速道路を跨ぐ部分の桁を架設する工事を行った。大型クローラークレーンを2台同時使用し、長さ56.8m、桁重量437tの鋼床版箱桁ブロックと39.1m、160tの鋼床版箱桁ブロックを吊上げ架設したもの。クローラークレーンは1,600tと1,250tを使用しているが、1,600t吊クレーンは橋梁架設用としては日本最大級のクレーンで首都高速の工事では初めての採用。(井手迫瑞樹)

専用ランプ橋架設予定径間。直下に東名高速道路が走る。首都高マークがついている桁が架設桁ブロック
 今回施工するのは、国道246号線から横浜環状北西線に出入りする専用ランプ橋(3径間連続鋼床版箱桁)のうち、東名高速道路を跨ぐ部分(SP5~SP6間)の一部(J13~J19)56.8mと、横浜環状北西線と東名高速道路(名古屋方面)を結ぶJCTの一部となるb連結路橋(5径間連続鋼床版箱桁)のうち、東名高速道路を跨ぐ部分(bp4~bp5間)の一部(J9~J14)39.1mについて東名高速道路本線を夜間全面通行止めし、大型クレーンにより吊上げ架設するものだ。
 専用ランプ橋部は、既に両側合わせて33.2mは架設済みで、今回は桁中間部を夜間に一括架設したもの。桁そのものの重量は437tだが、さまざまな仮設材を合わせた重量(吊上重量)は551tに達し、所与の条件から、いったん架設済みのSP5~J13の桁を吊り上げて交わし、その後、所定の位置まで移動させて、降ろしていく架設方法を取る必要があった。そのため、ブーム長102m、作業半径34mを有し、定格荷重(本現場条件では653t)でも余裕のある1,600tクローラークレーンを採用したもの。実際には30m以上吊り上げて架設済みの桁を交わし、東名高速本線上の架設個所まで約90°クレーンを旋回させて架設していった。

b連結路橋部のブロックから桁架設が始まった/1,600t吊クローラークレーン(レンズに入り切らない)

 b連結路橋部は、既に両側合わせて14m弱を架設済みで、その中間部39.1mを夜間に一括架設した。桁重は160tで吊上重量は231t。これをクレーンからbp4橋脚を挟んだ向こう側に地組してある桁を吊上げて約60°ほどクレーンを旋回させ、さらに桁そのものを90°回転させる必要がある。そのためブーム長90m、作業半径58m、定格荷重305tの1,250tクローラークレーンを使用した。

b連結路橋の桁ブロック。架設個所に合わせて回転していることが分かる

架設済みの桁のさらにその上を交わしながら所定の架設位置に移動していく

微調整しながら落とし込んでいく

 両ブロックとも両端の余裕は10mmしかなく、事前の計測を精密に行った上で桁の製作を行うとともに上面をVカットしたり、スプライスを調整するなど、架設時の現場リスクを最小限にするよう準備した上で、今次の架設に臨んでいた。
 専用ランプ橋の架設はJFEエンジニアリング、b連結路橋の架設は宮地エンジニアリング・エム エム ブリッジ・高田機工JV。クレーンはミックが供給した。

(月末に「現場を巡る」で詳細記事を掲載します)

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