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首都高速道路 宮田社長定例会見

日本橋地区の首都高地下化、線形設計で工夫が必要

公開日:2017.09.21

 首都高速道路は20日、本社で宮田年耕社長による定例会見を行い、高速1号羽田線更新工事および今年度完成予定工事の進捗状況、スマートインフラ管理システム「i-DREAMs」の運用開始、新技術の活用状況などを説明した。
 今年度完成予定工事では、晴海線が8月に最後の桁架設工が完了し、橋面工と晴海出入口整備工を実施中であること、中央環状線の機能強化として上下4車線化を行う板橋熊野町JCT間改良工事は7月に西側の拡幅が完了して東側の拡幅工を行っていること、さらに堀切小菅JCT間改良工事状況の報告を行った。
 i-DREAMsの運用については、7月に全路線での展開を開始したと述べた。運用を開始した主な機能は、GIS(地理情報システム)上での各種情報の統合管理、3次元点群データを用いた調査・設計・施工の効率化や構造物の変状把握、CAD図や構造解析モデルの作成となっている。
 新技術では、床版の耐久性向上を図るPCM舗装(基層)が現在高速1号上野線と3号渋谷線で採用されていることと、高耐久型超低騒音舗装(表層)が標準舗装材料として首都高全線で採用されているとの紹介を行った。高耐久型超低騒音舗装は最大粒径5mmの骨材を用いた小粒径ポーラスアスファルト混合物で、従来の低騒音舗装に比べ、路面騒音値が5dB程度減少し、耐久性も約1.5倍となっている。現在、3号渋谷線大橋JCT~谷町JCT間の上下全線などで舗装施工が完了している。
 また質疑応答では、7月に石井国交相と小池都知事が表明した日本橋地区の首都高地下化検討について問われ、宮田社長は「首都高にとっても大変ありがたく大きな検討になり、これから国、都をはじめとした関係者と検討を始めることになる。首都高としては地下構造物が多く、再開発が進められている地域であるので、道路の線形検討を中心に作業していく。また小泉首相時代に地下化事業費5000億円という試算がでているが、首都高としてその経費節減の役割も担っている。工費のかからない線形設計の工夫と、材料・工法といった施工段階での工夫をこれから積み重ねていきたい」と述べた。

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