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i-conでの次時代の鋼橋に対する議論が重要

鋼橋技術研究会が定時総会を開催

公開日:2017.06.12

 鋼橋技術研究会(会長=藤野陽三・横浜国立大学上席特別教授)は8日、東京都中央区の鉄鋼会館で定時総会を開催した。
 冒頭のあいさつで藤野会長は「国土交通省がi-Construction(i-Con)に力を入れていて、土木学会でも議論を行っている。鋼橋関係者もさまざまなことを打ち出していかなければ、世の中の流れから遅れてしまう。維持管理も大事だが、研究会が次の時代の鋼橋について、i-Conにどのようなものを打ち出せるのかを議論していくことも重要だ」と述べた。
 総会後には、同所で鋼橋の発展に寄与した技術者に授与されるブリッジエンジニアメダルでは、横河ブリッジの佐野泰如氏と川田テクノシステムの上野勝敏氏が表彰された。
 佐野氏は、1997年に同社に入社。技術部で設計業務、研究所で基礎研究に従事。設計業務では、横浜ベイブリッジの耐震補強の検討や阪和自動車道の特殊橋梁の耐震設計を担当し、補強だけでなく制震ダンパーを利用した方法の提案も行っている。研究業務では、矢作川橋の斜材定着部の疲労試験、アーチリブ橋軸直角方向の地震時耐荷力に関する実験的検討業務など大型の実験供試体を用いた実験を行い、その成果を外部に発表している。アーチ橋に関する研究では、土木学会論文集に投稿し、2008年に田中賞(論文部門)を受賞。2013年、東京大学から博士(工学)を授与されている。
 上野氏は、1990年に同社に入社。技術部で一貫して解析・設計業務に従事。震災復興事業において、高い耐震性能を有する19径間連続の鋼床版立体ラーメン橋「阪神高速 弁天高架橋(世界初の橋脚下部免震構造)」の免震支承解析を担当。これを機に、多くの制震化耐震対策に関する業務に従事、制震化技術の先駆けとして若手技術者の指導も行っている。また、非対称な耐風索を有する長大歩道吊橋「九重“夢”大吊橋」の立体形状決定手法を確立。吊橋の形状決定技術、斜張橋の設計プレストレス決定技術者の第一人者として高く評価されている。


ブリッジエンジニアメダル授賞式
左から藤野会長、上野氏、佐野氏、伊藤學名誉会長

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