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現場で必要な時に適正な量のコンクリートを簡単に製造可能

太平洋マテリアル 「ドライミックス」を大きく展開

公開日:2016.12.28

 太平洋マテリアルは、 現場練り生コンクリート製造技術「ドライミックス」を今後大きく展開していく。「ドライミックス」とは、セメントと細骨材、粗骨材からなるコンクリート原料を予め一つの袋(特殊コンテナバッグ)に配合し、パッケージ化したもので、生コン工場が近隣にない場合や生コン工場での製造が不可能な特殊配合の提供を可能とした。パッケージ化することで、①必要となる性能基準に合わせた配合調整が可能、②配合ミスが起きにくく安定した品質を確保できる、③ドライミックス内のセメントはパッキング後3カ月程度風化しないため、計画的な出荷が可能というメリットを有している。また、パッキング時に、各コンテナバック毎に骨材の表面水率や練り混ぜ水量、配合、計量日などを印字するため、現場でのスムーズかつ品質の良いコンクリートの製造・施工を可能としている。

水と各種混和材と練り混ぜるだけ
 現場で簡単にコンクリートを製造

 現場では水や各種混和材と練り混ぜるだけで必要な時に適正な量のコンクリートを簡単に製造することができる。コンテナバッグ内にはあらかじめ適正な配合量の骨材やセメントが入っており、現場での計量は必要ない、また、製造システムは規模や用途に応じ、現場ミキサーと材料供給方法を選択することで、一般的には困難だった小規模な特殊コンクリートの供給を可能とした。対象となる特殊コンクリートは同社の速硬性コンクリート混和材「Facet」を中心に、機能性を高めたラテックス改質コンクリート、低収縮コンクリート、水中不分離コンクリートなど多様化する要望に応じることができ、土木補修工事を主な用途としている。

ドライミックスの施工事例

小型トラックに積載したミキサーで製造可能
 既に離島の災害復旧や高速道路の床版補修などで実績

 製造ミキサーは、小規模な補修工事等1~3立方㍍程度なら、汎用的なコンパクトミキサー、 5~15立方㍍は中型ミキサーによる製造が適している。ミキサーは2~4㌧トラックに積載して運び、現場付近で製造することで床版の間詰めコンクリートや補修時の断面修復材など、フレキシブル性を要求される個所でも確実に施工できる。
 既に、同システムでは離島の災害復旧、高速道路や一般道路、鉄道関係施設で実績がある。前述のプレキャスト床版の間詰めコンクリートや桁端部の連結コンクリート、床版上面の断面修復用コンクリート、河川内橋脚の耐震補強用速硬水中不分離コンクリートを打設するため、据え付けを必要とせず補修が必要な現場近傍で適時にコンクリートが製造、打設できるシステムが求められており、そのようなニーズに対応ができる。

まずは東北から中部地区で展開

 太平洋マテリアルは、まずは東北から中部地区に限定し、生コン工場からの供給が困難な地域、災害復旧、特殊配合が必要な長寿命化修繕工事をターゲットに、この新しいシステムを提案していく方針だ。問い合わせは同社営業本部混和材営業部 電話03(5500)7510まで。(井手迫瑞樹)

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