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日本ペイント販売のオール水性の
「ニッペ水性防食システム」~下塗りから上塗りまでオール水性~

水性防食システムの暴露試験状況

KeyPoint

  • 下塗りから上塗りまでオール水系 
  • 防食性能、光沢保持率は従来同様の性能
  • VOC量を9割削減
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商品リンクhttp://www.nipponpaint.co.jp/biz1/large/ctlg/prd_t27.pdf
公開日:2014.12.22

 日本ペイントは、橋梁など鉄構造物向けに、下塗りから上塗りまで全て水性の「水性防食システム」の営業を展開している。防食性能、光沢保持率など、従来の溶剤タイプ同等の性能を保持した上で、VOC量を従来比約9割削減でき、PRTR法対象化学物質はゼロにするなど環境に優しい。また、塗料の臭気を著しく低くできているため、住宅街に近い個所などでの施工性に優れている。5年前、試験的に施工した大阪府内での歩道橋は現在もほとんど劣化しておらず、防食性能を維持している
 特徴は、①塗料のpHを7.5以上(アルカリ性)に保つ、②樹脂を疎水化、③エポキシ樹脂の水中安定化技術の導入、④非危険物指定化の4点。
 ①はpHをアルカリ性に保つことで、酸化による錆を抑制するもの。②は一般的な水性塗料が親水性であるのに対し、疎水化することで従来、乾燥養生過程において水を吸うことで生じていた不具合を回避する。③は、エポキシ樹脂を従来の半分以下に小粒子化することで、水性塗料内での安定的な樹脂分散を実現、高い防食品質を確保した。従来の水性塗料のエポキシ樹脂は粒子が大きくて重く、すぐに底に沈んでしまう傾向があったが、それを改善した。④は、溶剤量をほとんどなくしたことで、消防法上の危険物指定から外せたため、(倉庫での保管数量制限がなくなるなど)保管上の負担がなくなった。
 水性防食システムは、弱溶剤タイプより単価は3割アップするものの、低環境負荷性や、低臭気による施工時の人口密集地での影響の少なさを武器に、都市部の歩道橋や橋梁などへの適用を働きかけ、数年後には5億円の売り上げを目指している。
 施工手順は以下の通り。
 (1)素地調整
電動工具と手工具を用いて腐食、発さびしている部分のサビを除去するとともに、旧塗膜の活膜上の付着物等も除去する。
(1)第1層下塗塗装
非危険物水性変性エポキシ樹脂下塗である水性ハイポン20を、はけやローラーを用いて塗装する。
(2)第2層下塗塗装
非危険物水性変性エポキシ樹脂下塗である水性ハイポン20を、はけやローラーを用いて塗装する。
(3第3層中塗塗装
非危険物水性ふっ素樹脂塗料用中塗である水性デュフロン100中塗を、はけやローラーを塗装する。
(4)第4層上塗塗装
非危険物水性ふっ素樹脂上塗である水性デュフロン100上塗を、はけやローラーを用いて塗装する。

施工実績

水性ハイポン50(ポリウレタン)
新設:平野川B桁設計製作工 260㎡
塗替え:三田線武庫川橋梁外3箇所塗装塗替工事 2,700㎡
塗替え:大阪線鶴橋高架橋耐震補強工事 1,500㎡ 
水性デュフロン100(ふっ素)
塗替え:一般国道170号石津南町歩道橋塗装塗替 130㎡
塗替え:南郷歩道橋塗替工事 260㎡
塗替え:牛牧谷橋補強工事  130㎡
※各面積は塗料出荷量からの算出であり、正式工事発注面積とは異なる。

画像ギャラリー

強溶剤タイプの暴露試験状況

水性塗料の暴露試験状況(強溶剤タイプとほぼ同等性能であることが分かる)

担当者連絡先

日本ペイントお客様センター

http://www.nipponpaint.co.jp/inquiry/index.html

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