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インタビュー詳細

国道2号BPは慢性的な渋滞

姫路河川国道 東西道路拡充のため播磨臨海地域道路を計画

国土交通省 近畿地方整備局
姫路河川国道事務所
所長
磯部 良太 氏

 姫路河川国道事務所は、兵庫県西部の播磨地域において、岡山など中国地方と京阪神を結ぶ国道2号および国道2号BP、播磨と鳥取を結ぶ国道29号等を管理している。管内には国内2位の製造品出荷額等を誇る播磨臨海工業地域があり、交通需要は大きく、現在の国道2号BPや国道250号では、その需要を十分に賄えているとはいいがたい。そのため、臨海部に播磨臨海地域道路を計画し、計画段階評価を実施している。また、国道2号BPは1970年からの供用で、経年劣化や疲労、ASRなどによる損傷も顕在化しており、その補修を進めている。耐震補強の進捗状況なども含め、同事務所の磯部良太所長にその詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


国道2号BPはNEXCOの重交通路線に匹敵する交通量

 道路管理延長は133.1km

 ――道路の整備方針について

 磯部所長 姫路河川国道事務所が所管する播磨地域は、臨海部に多くの企業の製造拠点が立地し、姫路市の人口は50万人に達します。東西を繋ぐ基幹道路として、自動車専用道路である国道2号BP(加古川BP、姫路BP、太子竜野BP)および兵庫・岡山県境までの国道2号(64.8km)、播磨と鳥取を結ぶ県南北の軸である自動車専用道路としての国道29号BP(姫路西BP、姫路北BP)および国道29号(68.3km)、合わせて133.1kmを管理しています。

 交通量の一番多い箇所は姫路BPの6車線区間で断面交通量は11万7千台/日に達します。次いで、加古川BPでも同9万4千台/日、太子竜野BPでも6万4千台/日に及びます。大型車も姫路BPで2~3万台/日走っています。これは新東名に匹敵する大型車交通量です。

 播磨臨海工業地域は、瀬戸内海沿岸部を埋め立てながら拡大していった工業地域で、世界や日本トップシェアを有する企業の製造拠点が沢山立ち並んでいます。モノづくりの製造品出荷額等は豊田を中心とする地域に次いで国内2位となっています。過去から加古川BP、姫路BP、太子竜野BP、山陽道と整備を進めており、これが工業地域の発展を物流面から支えて来ました。しかし、国道2号、国道2号BPとも慢性的な渋滞が起きており、東西軸の道路を拡充する必要性が高まっています。東西の通過交通と地域から発生する多くの交通をどの様にして円滑に流すのかが道路整備上の課題です。その課題に対応するため、播磨臨海地域道路を新たに計画しています。現在は計画段階評価を行っている段階です。播磨地域は中国地方と兵庫・大阪を繋ぐ基幹地域であり、東西の軸をしっかりと強化しなくてはいけないと考えています。

 国道2号BPで、一番古くに供用した加古川BPのリニューアル事業や、国道2号BPの先線である相生、赤穂方面において、バイパス及び現道拡幅による4車線化を行う相生有年道路事業を進めています。

 また、南北を繋ぐ道路として、姫路市と宍粟市間の渋滞緩和や宍粟市波賀町域における安全で確実な交通を確保するため国道29号において姫路北BPや波賀町防災事業を実施しています。これらの事業は、鳥取自動車道や播但連絡道路が降雪や災害で通行止めになった際の代替路確保として重要と考えています。


播磨臨海地域道路 4つのルート帯を示す

 計画延長50kmのうち35kmを優先整備

 ――播磨臨海地域道路の必要性について

 磯部 臨海部の工業地域からの物流の多くは、現在、地域の南北道路、国道2号BPを通って京阪神方面に流れています。東西の通過交通と地域から発生する交通で国道2号BPでは慢性的な渋滞が発生しています。また、国道2号BPでは兵庫県内における自動車専用道路の平均死傷事故率の約2倍以上にあたる交通事故が発生しています。国道2号BPと播磨臨海地域道路で交通を分担しスムーズに移動出来る様にすることが必要です。


 ――播磨臨海地域道路はどのような道路として計画していますか

 磯部 国道2号BPは、交通容量に比べて、現在通行している交通量が過大になっています。太子竜野BPで交通容量に対して約2万台、姫路BP、加古川BPでは5万台以上過大となっています。この容量を補うような形で、4車線の自動車専用道路を計画しています。

 ――事業の現状は

 磯部 昨年8月に計画段階評価として4つのルート帯を示させていただきました。現在はその意見聴取が終わり、その整理を行っています。次の段階で1つのルート帯に絞り込んでいきます。




 ――事業の着手時期は

 磯部 国道2号BPは現実として酷い渋滞が発生しています。日本有数の工業地域であるにもかかわらず、地域の交通や物流を支える社会基盤が十分とは言えません。地域の発展を支えるためにも早期整備が必要と考えており、計画延長約50kmの内約35kmを優先的に進めていきます。地域の皆様のご協力をいただきながらできるだけ早く着手したいと考えています。

 ――構造物、取り分け橋は多くなるのでしょうか

 磯部 現在は、内陸と沿岸のルート帯案を提示しているところであり、今後、都市計画に向けた詳細なルート・構造の検討をしていく中で、河川渡河部等においては橋梁を検討していく事になります。

 ――自治体は熱望していると思います

 磯部 一昨年は姫路市、昨年は加古川市で建設を求める促進大会が開かれました。地域の道路整備に対する要望は、大きいと感じています。

 ――大阪湾岸道路西伸部同様、加古川、夢前川、市川などの渡河部を中心にデザイン性のある橋梁形式にも挑戦してほしいです。

 磯部 景観にも十分配慮した構造形式にして行きたいと考えています。


国道2号相生有年道路 4車線化事業を進める

 矢野川橋の上部工、黒尾橋の下部工が進捗

 ――国道2号相生有年道路事業の状況は

 磯部 同事業は、国道2号の相生市及び赤穂市内の交通混雑の緩和、交通安全の確保、沿道環境の改善等を目的とした事業です。事業区間は、兵庫県相生市若狭野町鶴亀~赤穂市東有年間(延長8.6km)で4工区に分けて工事を進めています。1985年に事業着手し、相生市若狭野町鶴亀~八洞地区(14-1工区)までの2.2kmは、2016年3月に4車線で供用しています。

 2019年度は、相生市若狭野町八洞~同市同町若狭野(14-2工区)において道路設計、改良工(出地下道、福井地区道路拡幅、若狭野西地区改良)を進めています。

 相生市若狭野町若狭野~赤穂市有年原(15工区)においても道路設計、用地買収、改良工(黒尾地区引堤、有年原地区地下道擁壁、横尾地区他改良)、橋梁下部工(矢野川橋、黒尾橋)、橋梁上部工(矢野川橋)を進めています。赤穂市有年原~同市東有年(16工区)では、地質調査、道路設計、橋梁設計(有年橋)を行っています。

 ――15工区の橋梁について

 磯部 15工区では、3橋の橋梁を整備する予定です。矢野川橋は橋長53.7m、幅員28.2mのPC3径間連結プレテンT桁橋、黒尾橋(市道橋の架替え)は、橋長59.7m、幅員6.2mのPC3径間連結プレテンT桁橋、天通り跨線橋(踏切の代替)は、橋長104.0m、幅員6.0mの鋼3径間連続鋼床版箱桁橋です。矢野川橋の上り線は、上部工を施工しており、黒尾橋は下部工を施工中です。


有年橋は2車線の新橋を架設し、供用後既設橋も架替え

 ――16工区の橋梁について

 磯部 16工区は、千種川渡河部の有年橋及び長谷川渡河部の新中野橋の整備を予定しています。

 ――有年橋は長大橋になりそうですね

 磯部 相生有年道路で予定している5橋のうち最も長くなる予定です。現在の橋梁の北側に新しい2車線の橋梁を建設し、現在の橋梁を撤去し、2車線の橋梁に架替えます。新設・架替で車線数を増やします。

 ――橋梁種別は

 磯部 鋼3径間連続細幅箱桁橋(合成床版)を予定しています。