HOMEインタビュー一覧熊本市 市中心部の渋滞解消などを目指し熊本西環状道路の整備を推進

インタビュー詳細

国と県とともに「熊本都市道路ネットワーク検討会」を立ち上げ

熊本市 市中心部の渋滞解消などを目指し熊本西環状道路の整備を推進

熊本市 都市建設局
土木部長
藤岡 明弘 氏

 熊本市では熊本地震により39橋の災害復旧事業対象の橋梁災害が発生したが、2019年2月にすべての復旧工事が完了した。災害復旧についてはほぼ目途が立ったといえるが、市内一円では慢性的な交通混雑が発生し、自動車の平均速度と渋滞箇所数が全国の政令都市でワースト1になっていることから、道路ネットワークの早期整備が待たれている。その一つとして同市が整備を進めている熊本西環状道路の進捗状況や、管理構造物の保全の取り組みについて、土木部長の藤岡明弘氏に聞いた。


神園橋の架替え工事完了ですべての復旧工事が完了

 白川橋では損傷した鋼製支承をゴム支承に交換

 ――最初に熊本市管理の道路と橋梁の復旧状況について教えてください

 藤岡 熊本地震で被災した道路・橋梁のうち、災害復旧事業の対象になった道路災害(44路線)、橋梁災害(39橋)の復旧工事は、2019年2月22日に供用開始した神園橋の架替え工事により、すべての工事が完了しました。また、災害復旧事業の対象にならなかった幹線道路等についても2018年度末に概ね完了しました。



災害復旧事業一覧(左:道路災 右:橋梁災)

(図・写真はすべて拡大できます。熊本市提供、以下同)


 ――幹線道路以外も復旧は完了したのでしょうか

 藤岡 生活道路については地震直後から現在に至るまで修繕の要望をいただいていることから、2019年6月補正予算で路面状況調査を行いました。調査をもとに年次計画を策定して、今後も復旧工事を継続していきます。

 ――復旧に苦労された橋梁は

 藤岡 九州縦貫道を跨ぐ神園橋と、熊本駅に程近い白川を渡河する白川橋(橋長148.8m、鋼ローゼ桁+PC2径間ポステン橋)です。また、秋津川に架かる上沼山津橋と沼山津橋は通行止めにして復旧をしています。ほかの橋梁については通行止めを行わずに復旧工事を行いました。

 ――神園橋の架替え事業について

 藤岡 ロッキングピアを有する橋梁で橋脚が傾き、危険な状況でしたので地震直後にNEXCO西日本に撤去していただきました。2017年度にNEXCO西日本と再建工事の協定を締結し、2018年11月の夜間に上部工を架設、先ほど申し上げたように2019年2月22日に供用開始しています。



神園橋 被災後と撤去状況


神園橋 上部工架設と架替え完了


 ――架替え後の上部工形式は

 藤岡 鋼単純鋼床版箱桁橋です。

 ――市として架替え事業で苦労されたところは

 藤岡 新名神高速道路の有馬川橋橋桁落下事故後であったことから、架設工法・規制時間の検討など、NEXCO西日本との協議に時間を要しました。

 ――白川橋については

 藤岡 2017年5月8日に本復旧工事が完了しています。2016年度中に完了予定のところ若干工期は延びましたが、国土交通省や国総研に技術支援に入っていただき、早く復旧できたと考えています。

 ――本復旧工事の具体的な内容を教えてください

 藤岡 地震では右岸側のローゼ桁(A1~P1)端部の鋼製支承が酷く損傷しましたので、ゴム支承への交換を行っています。応急復旧工事で鋼製支承撤去と撤去後の対策のためにジャッキアップをしていますので、そのままジャッキアップをしたまま、交換をしています。



白川橋全景


白川橋の本復旧作業


本復旧完了


端部と伸縮装置の復旧


 ――今後起こりうる地震に対する対策としては

 藤岡 横ずれ防止装置を設置しています。現況復旧ではなく、すべての橋梁で耐震性能を高める対策を取っています。

 ――熊本地震では落橋はしなかったものの大きな段差が生じ、通行不能となる橋梁が少なからずありました。こうした段差防止工に対する対策は考えていませんか

 藤岡 橋台背面の沈下により通行が困難となった橋梁では、背面土の埋め戻しや舗装擦り付け等を行いました。段差の防止対策については、今後、さまざなな事例を参考に研究していきたいと思います。

 ――九州道の跨道橋・日向2号歩道橋(橋長59m、PC斜材付π型ラーメン橋)は地震直後にNEXCO西日本が撤去し、市では架替えの有無も含め検討しているとのことでしたが

 藤岡 横に架かる日向2号橋の歩道に、横断防止柵設置や歩道すり付け区間の改善などを行いましたので、現時点での架替え計画はありません。今後、住民の方からの要望等で検討する可能性はあります。



日向2号歩道橋の撤去/日向2号橋の歩道部改善