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別埜谷橋、双海橋で攻めの設計

NEXCO西日本 吉野川大橋下部工が最盛期

西日本高速道路株式会社
四国支社
建設事業部長

内野 雅彦

公開日:2019.02.16

吉野川大橋 フライアッシュおよびエポ鉄筋を全面採用
 最大支間130mは世界最長クラスの張り出し長

 ――特徴ある形式あるいは工法適用の橋梁やトンネルについて
 内野 まず吉野川大橋があげられます。同橋は徳島自動車道の吉野川最下流渡河部に建設が進められている、橋長1,696.5mのPC15径間連続ラーメン箱桁橋です。現在は下部工及び上部工の一部を架設中です。


吉野川大橋一般図

A2側から現場を撮影

 架設工法は陸上部が支保工施工、海上部が架設桁架設とエレクションノーズ式張出し架設を採用します。水深の深浅で左岸側の水深が深く台船が入れる個所はエレクションノーズによる吊り上げ架設、中央から右岸側にかけて水深が浅い個所は架設桁架設を用いるものです。
 構造的特徴は吉野川渡河部の環境保全に配慮した橋梁形式を採用しています。また、耐震性を確保をするため、連続化及び河川内橋脚の剛結化を行います。
 高い耐久性を確保するため、塩害に強い鋼材(エポキシ鉄筋、被覆PC鋼材等)、フライアッシュコンクリートの採用に踏み切っています。


エポ鉄筋の採用(井手迫瑞樹撮影)

 同橋の最大支間130mは、桁橋のプレキャスト橋として世界最長級の張出し長であり、国内最長級の送出し架設となっています。また、主に下部工は作業台船を使用した、河川内施工を行い、上部工架設は、河川内(浚渫)を極力使用しない架設工法を採用していることです。現在は下部工を全面展開しています。


架設桁組み立て用足場

 基礎形式は鋼管矢板井筒形式を採用、基礎深さは最大41.5m、フーチング幅は14.5m、橋脚は全幅で9.4mに達します。下部工も支間長を最大130m飛ばすなど、河川内にできるだけ橋脚を配置しないようにしました。橋脚形式は海上部でRC柱式橋脚、陸上部で逆T式またはラーメン式橋台を採用しました。下部工は渇水期のみの施工としました。打設ロットは、1ロット5mピッチで施工しています。
 ――プレキャストセグメントの1ブロックごとの長さ及び重さは
 内野 1ブロックごとの長さについては桁高により異なり、2.25~3.5mで、重さは66.8t~99.9tです。


制作ヤード

フライアッシュは外割で64㎏/m3のコンクリートを採用
 3M製のコンクリート養生アイテムを採用

 ――フライアッシュコンクリートの採用は、NEXCOとしては極めて珍しいですね
 内野 四国地方で実績のある四国電力の西条発電所で発生したフライアッシュ(FA)を外割で64㎏/m3添加したコンクリートを採用しています。
フライアッシュを用いることで期待する点は長期強度の向上、水密性・遮塩性の向上などです。実際に同発電所で発生したFAは国土交通省、自治体問わず多くの実績を有しており、長期品質も問題が出ていないことから地元産業廃棄物の有効利用の面なども考慮して高炉スラグに代わって用いています。
 但し、施工の際は、粉体量が多く粘り気が強いため、高性能AE減水剤を使用指定対応しています。また。強度発現までの長期養生も必要であるため、ここでは3M社製のコンクリート給水養生用水搬送シートや同社製の保水養生テープを使用した養生を行っています。


スリーエム製の保水養生テープを採用(井手迫瑞樹撮影)

 ――下部工のマスコン対策および上部工の剥落対策は
 内野 保水養生テープによる養生のほか、補強鉄筋の適切な配置、型枠の存置期間の増加などを行っています。上部工については、セグメント部では非鉄繊維補強コンクリートの施工、現場打部においては連続繊維シートを設置することで剥落に備えています。
 ――設計および元請は
 内野 設計会社はエイト日本技術開発、施工会社は鹿島建設・三井住友建設・東洋建設特定建設工事共同企業体がそれぞれ担当しています。
 現在、事業を進めている中で、吉野川大橋は特に厳しい現場条件等の影響を受けています。当該橋梁は吉野川河口付近に架橋するもので、強風や高波による厳しい気象条件や吉野川からの流水や海波に伴う浚渫作業の追加など、当初計画以上に厳しい状況となっており、施工の効率を上げることも難しい状況となっていますが、引き続き関係機関との調整を行い、地方自治体などの協力もいただきながら、一日も早い完成を目指して事業を進めてまいります。

宮池橋ではSCBR工法 別埜谷橋でDura-Bridgeを採用
 PC鋼材の代わりにアラミドFRPロッド

 ――吉野川橋のほかの特徴ある橋梁は
 内野 高松自動車道の宮池橋、徳島道の別埜谷橋、松山道双海橋を上げることができます。
 ――宮池橋から
 内野 宮池橋は、橋長364mのポストテンション方式PC11径間連結中空床版桁橋です。沖縄の億首川橋で採用したものと同様の形式です。架設桁架設により施工しました。


施工中の宮池橋

 この橋の構造的特徴としては、支点上にプレキャスト横梁を設置し、主桁を連結する構造であるSCBR工法を国内で初めて採用したことです。同橋については既に供用しています。


主桁の引き出し/横桁の引き出し

完成状況

 設計会社は千代田コンサルタント、上部工はオリエンタル白石がそれぞれ担当しました。
 ――別埜谷橋は
 内野 同橋は橋長27.5mと小規模ですが、世界で初めてPC単径間非鉄製バタフライウェブ箱桁橋を採用しました。同形式は、弊社と三井住友建設が共同開発したいわゆる『超高耐久橋梁(Dura‐Bridge)』です。構造的特徴としては、設計基準強度80N/㎟の高強度繊維補強コンクリートを使用し、さらにPC鋼材の代わりにアラミドFRPロッドを使用している点です。鉄筋やPC鋼材に替わり、腐食しない新材料による緊張材として用いた「非鉄製」材料を用いているため、高い耐久性能が期待できます。


別埜谷橋イメージパース

橋梁一般図

 現在は詳細設計中です。上部工架設は支保工施工を予定しています。
 ――同形式は床版防水工が不要になると思いますがいかがでしょうか
 内野 個人的に床版防水は不要だと考えています。具体的には検討中です。

双海橋 バランスドアーチ形式を採用
 バックステイアンカー工が不要 トラス張り出し架設工法で施工予定

 ――双海(ふたみ)橋は
 内野 橋長232.3mのPC4径間連続バランスドアーチ橋です。
 構造的特徴は、Ⅰ期線近接影響の軽減(基礎縮小)やバックステイアンカー工が不要となるバランスドアーチ形式を採用したことです。また、張出架設時のカウンターウェイト及び負反力対策としてA2橋台を剛結化したことです。

双海橋 フォトモンタージュ

双海橋側面図

 架設方法も特徴があり、P1~A2は、P1急傾斜地における合理化架設として、補剛桁とアーチ桁を一体化させながら架設するトラス張出架設工法を採用しています。A1~P1は通常の支保工施工で架設する予定です。設計会社はエイト日本技術開発、施工会社は鹿島建設・富士ピー・エス特定建設工事共同企業体です。
――ありがとうございました

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