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インタビュー詳細

世界初、日本初に挑戦していく企業風土

三井住友建設 大規模更新・鋼構造物に対応する設計グループを5月に立ち上げ

三井住友建設株式会社
取締役
専務執行役員 土木本部長
益子 博志 氏

「大規模更新・鋼構造設計グループ」を新設

 自分が設計したものを自らが施工できる強み

 ――新設事業と大規模更新事業に対してそれぞれどのように考えていますでしょうか

 益子 新設はこれまでどおり進めていきます。大規模更新については、より積極的に取り組んでいきます。そのために、土木設計グループのなかに、6名からなる「大規模更新・鋼構造設計グループ」を5月1日の組織改編でつくりました。大規模更新は鋼構造物が多く、ほとんどが詳細設計付き施工となるので、鋼構造を理解しなければなりません。ファブリケーターと一緒に大規模更新事業を行うときは問題ないのですが、弊社単体やPC専業者のJVの場合、鋼構造のことがわからないというわけにはいきません。そのため、鋼構造のことを勉強して対応できる部隊をつくっていきます。

 また、海外案件のためでもあります。海外の大規模な案件では、鋼構造物が絡んでいた時に設計的な理解がないとうまくできないものがあります。さらに、海外での鋼構造物のリニューアル案件でも、それについて理解しておくことで、弊社の技術力も十分に発揮できるようになるはずです。

 ――御社の強みや同業他社との違いはどこにあると思いますか

 益子 この10年で弊社が関連した土木学会田中賞は約10橋になります。大規模工事を含め評価をいただけるような工事の施工に携わっているのが弊社の強みですし、独自開発したバタフライウェブ橋のような技術を持っていることも強みであると考えています。

 私が入社する前からケニアでニューニアリー橋(1980年竣工)の建設を行うなど、海外でも活躍しており、その精神は受け継がれてきています。「世界で初めて、日本で初めて」といった人がやっていないことを行うことが大好きな人間が多いことも強みであると思います。

 弊社の場合、設計と施工が一体化しているところも特徴となっています。自分が設計したものを自らが施工できるというのは、他社では少ないと思います。海外で活躍するメンバーには多くの設計経験者が含まれています。最近では、女性職員が現場から戻ってきて設計を行っていますが、設計を知ったことで施工管理していたことの意味が分かり、また設計した現場に行きたいと言っています。


武庫川橋では世界初の構造形式を採用

 新東名高速道路の橋梁建設では3工区連続受注

 ――特徴的な現場をいくつかご紹介ください

 益子 3月18日に開通した新名神高速道路川西IC~神戸JCTに架かる武庫川橋(橋長442m)は、上下部工工事を担当しました。上部工は、弊社開発のバタフライウェブ構造にエクストラドーズドを組み合わせた世界初の構造形式になっています。橋脚施工では、急速施工法であるハーフプレキャスト工法(SPER工法)を採用しました。2016年度の田中賞を受賞しています。



武庫川橋


 伊豆縦貫道自動車道の狩野川横断高架橋(橋長171m、2017年竣工)では、鮎が多く生息する狩野川の環境保全のためにアーチ構造となっています。アーチリブの施工では、鋼メラン材を鉛直に製作しこれを両側から倒して閉合するロアリング工法を採用して、施工においても河川環境の保全に配慮を行いました。



狩野川横断高架橋


 新東名高速道路の橋梁建設では、ぐみ沢下高架橋、ぐみ沢上高架橋、杉名沢高架橋の3工区を連続して受注しました。3橋ともに設計は完了していて、いずれもU桁リフティング架設工法での一括架設を行う予定です。

 水資源機構発注の福岡県筑後川水系にある小石原川ダム付替国道1号橋は今秋から張出架設を開始します。工期短縮のために、大型特殊ワーゲンを使用して施工を1年で終わらせる予定です。

 新東名高速道路の谷ヶ山トンネルでは、NATM工法で上下線の工事を進めています。上り線約1,600mのうち、4月に1,000mに到達しました。水が出やすいところなので、止水対策を行いながら掘削をしていて、到達は2019年2月の予定です。現場では2名の女性技術者も活躍しており、そのための設備を整えているとともに、現場所長が若いときに風呂に入るのが12時を回ってしまった経験から大きな風呂をつくり、みんなで一緒に入れるようにするなど、現場の人たちが快適に働ける配慮もしています。



谷ヶ山トンネルと事務所につくられた大きな露天風呂