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インタビュー詳細

熊本地震復旧や横軸になるルートも必須

九州地方整備局 東九州道などの幹線道路整備が進捗

国土交通省
九州地方整備局
道路部長
前佛 和秀 氏

筑後川橋・早津江川橋 渡河部の架設に着手

 芦北出水道路の桜戸橋で新幹線跨ぐ桁を送り出し

 ――特徴的な構造物は

 前佛 やはり有明海沿岸道路の筑後川橋と早津江川橋が上がります。筑後川橋は延長1,008mの橋梁で、上部工は陸上部がPC6径間連続中空床版橋(159m)、鋼5径間連続非合成箱桁橋(200m)、鋼5径間連続非合成箱桁橋(199m)、渡河部は鋼4径間連続中路式アーチ(単弦2連)橋(450m)という構造となっています。


筑後川橋

 早津江川橋は、全長854mの橋梁で、陸上部がPC4径間連続中空床版橋(96m)、PC7径間連結プレテン床版橋(168m)、鋼3径間連続非合成箱桁橋(142m)、渡河部は鋼4径間連続中路式アーチ(単弦1連)橋(448m)となっています。筑後川橋、早津江川橋とも昨年10月から渡河部の架設に着手しました。


早津江川橋

 ここは環境面に留意して工事する必要があります。海苔の養殖で大変有名な産地であるためです。また有明海特有の事情として軟弱な地盤があります。そうした課題へも的確に対応しなければなりません。しかし、そうした課題は創意工夫のフィールドでもあります。軟弱地盤に対する地盤改良や各種橋梁基礎に関する新工法や新材料を試すことで、次の佐賀県区間においてより的確に道路事業を進めることができるのだ、と前向きに捉えていきたいと考えています。

 ――有明海沿岸道路以外で特徴的な橋はありますか

 前佛 東九州道(大崎~鹿屋)では細山田橋(430m、PC6径間連続ラーメン箱桁橋)や第一串良川橋(214.5m、PC3径間連続ラーメン箱桁橋)の上部工の発注を予定しています。


細山田橋/第一串良川橋


 また南九州西回り道では、芦北出水道路の桜戸橋(193m、鋼単純鋼床版箱桁橋+PC3径間連続中空床版橋)は九州新幹線をまたぐ橋梁であり、A1~P1の桁架設(送り出し架設)をJR九州に委託し、主桁の送り出しを行っています。


桜戸橋の送り出し架設


阿蘇大橋の架け替えが進捗

 扇の坂橋は復旧工事が完成

 ――熊本地震における被災対策としては

 前佛 熊本地震で被災した国道325号の阿蘇大橋や県道熊本高森線の俵山大橋(165m、鋼3径間連続非合成鈑桁橋)など5橋の復旧工事を権限代行で推進しています。そのうち、扇の坂橋(128m、鋼3径間連続非合成鈑桁橋)については、復旧工事が昨年12月に完成しました。扇の坂橋は、上部工の横ずれや主桁変形、下部工のひび割れなどの損傷があり、上部工の横移動や主桁復旧、支承取替、下部工のひび割れ注入などを実施しました。


扇の坂橋

 阿蘇大橋は、上部工や下部工を施工するための作業構台を施工中です。


阿蘇大橋起点側を望む


 ――阿蘇大橋は本体工着手前にも柱状節理への対処や基礎の確定、工期がタイトであるなど様々な課題がありますね

 前佛 柱状節理の問題については、基本は県のほうでジオパーク推進協議会との関係で窓口になって頂き、ルートや橋の構造に関しては熊本県と深く相談して決定しています。現在はジオパーク推進協議会にも県の担当と一緒に出向いて工事のご報告を行い、現場のご説明も欠かさないようにしています。県やジオパーク推進協議会の方からも一刻も早く阿蘇大橋の供用を実現してほしいという温かいお言葉もいただいていますので、そのご期待にこたえるべく工事を進めていきます。


長陽ルート 中学校の新学期までに何としても供用

 俵山ルート 工事用仮橋を開放し、縦断線形を緩和

 ――阿蘇長陽大橋を含む長陽ルートの復旧はよくぞあの短期間で成し遂げたと思います

 前佛 復興事務所の職員も頑張りましたし、現場で作業した業者の皆様も良く働いていて頂いたと思います。実は裏話があって、供用日の翌日から阿蘇長陽大橋を使ってスクールバスで通学する中学校の新学期でした。大津に避難している子供たちが南阿蘇村の中学校へ通学するために、何としても昨年の8月27日までに復旧を実現したかったわけです。また阿蘇長陽大橋が復旧することで地域の重要な病院である立野病院(同8月末に再開)へのルートも回復させることができました。

 長陽ルートの復旧によって、負担がかかっていた俵山トンネルルートの交通台数も減少させることができました。その俵山トンネルルートも復旧工事中の俵山大橋の横に設置した仮橋を一般供用させることで、より縦横断線形のいい道路に変化しています。線形を変える前は勾配13%に達する個所があり、冬場を迎えて安全面での懸念が増していましたが、昨年12月中旬をもって改善させることができました。


今年度施工中・発注予定の橋梁下部工一覧(橋長100m以上)



今年度施工中・発注予定の橋梁上部工一覧(橋長100m以上)


二重峠トンネルが順調に進捗

 滝室坂トンネルは年度末に開札

 ――トンネルの新設状況は

 前佛 平成29年度施工中のトンネルは、(熊本河川国道事務所が所管する)北側復旧ルートの二重峠(ふたえのとうげ)トンネル(本坑3,659m、避難坑3,652m)など10箇所です。そのうち今年度に完成するトンネルは、三光本耶馬渓道路の三光第1号トンネル(607m)、天瀬改良の市ノ村トンネル(541m)の2箇所を予定しています。二重峠トンネルは、昨年6月17日に着工し、阿蘇側と大津側から、避難坑を先行させながら本坑を施工しています。NATM工法を採用しました。1月末時点で本坑744m、避難坑1,818mを掘削しました。



二重峠(ふたえのとうげ)トンネル


 また、中九州横断道の滝室坂道路では滝室坂トンネル(本坑4,834m、避難坑4,898m)を手続き中で年度末に開札する予定です。

 鹿児島東西幹線道路の鹿児島東西トンネルは立坑に着手したところです。


今年度施工中・発注予定のトンネル一覧