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インタビュー詳細

2018年新年インタビュー② 平成29年度は9橋で床版取替工事を実施

7橋の床版取替工事と盛土のり面補強工事を含めて異業種JVで一括契約

西日本高速道路株式会社
中国支社
副支社長
京極 靖司 氏

 西日本高速道路中国支社は、中国地方5県の高速道路と一般有料道路合計1,054kmの管理を行っている。管理道路のうち、約45%が供用後30年以上経過しており、約90%以上が20年以上経過しているため、老朽化対策が支社としての重点課題のひとつとなっている。特に中国道は凍結防止剤の散布による損傷が激しく、大規模更新事業による床版取替工事件数が全国でもトップレベルだ。管内の維持管理と整備事業の取り組みを京極靖司副支社長に聞いた。(大柴功治)


高速道路8路線988kmと一般有料道路4路線66kmを管理

 中国道の広島山口県境付近は東北地方と変わらない重雪氷地域

 ――管内の管理道路とその現状および特徴を教えてください

 京極副支社長 中国地方を東西に縦断する中国自動車道や山陽自動車道、南北に横断する岡山自動車道、米子自動車道などの高速道路8路線988kmと、広島呉道路などの一般有料道路4路線66kmの中国5県にわたる合計1,054km(平成29年10月1日現在)を管理しています。



管内エリア図(NEXCO西日本提供、以下同)


 東西の幹線道路として最初に中国道が開通し、その後に山陽道が開通しました。3本目の幹線道路となる山陰自動車道は建設中で、先行して日本道路公団時代に整備した一部区間がありますが、大半が国の直轄事業で進められています。山陰道が完成すると、3本の縦貫道ができあがります。横断道路は岡山自動車道と米子自動車道、広島自動車道と浜田自動車道で、そのほかに直轄管理として中国横断自動車道(尾道松江線、姫路鳥取線)があります。

 山陰道を除いて、縦横のネットワークがほぼ完成していて、中国支社としての新規路線の整備事業はありません。

 路線の特徴として、中国道が全線開通から約35年が経ち、一部区間は40年を経過していますので、構造物の経年劣化が進んでいます。山陽道は、管外の兵庫県域が最後の開通区間で全線開通20周年を迎えました。山陽道は中国道とは違い、交通量が多いことが特徴です。近畿地方と九州地方を結ぶ東西幹線道路ですので、大型車交通量も多くなっています。重交通による大きな構造物の損傷はありませんが、舗装面の損傷が激しく日常的に補修を行っているところです。



路線別供用経過年数


区間別・インター別交通量


 また、中国道と米子道・浜田道の山間部区間は降雪量がかなり多くなっています。とくに中国道の広島県と山口県の県境付近は降雪量が年間10数mになり、東北地方と変わらない重雪氷地域です。NEXCO3社では大規模更新事業の対象となる前提のひとつとして、「凍結防止剤を累計1,000t/km散布している区間」としていますが、中国道はほぼ全線でその基準を超えていて、40年間散布を続けています。そのため、橋梁などの構造物に悪影響を与えています。


岡山道と米子道で付加車線試行設置事業を進める

 スマートICの新設事業を4カ所で行う

 ――新しい路線の整備事業はないとのことですが、それ以外の整備事業は

 京極 岡山道の賀陽IC~北房JCT間と米子道の蒜山IC~米子IC間での付加車線試行設置事業と、4カ所のスマートIC新設事業を進めています。

 ――付加車線試行設置事業について具体的に教えてください

 京極 速度低下や事故発生リスクがある暫定2車線区間において、数キロにわたり、渋滞・事故対策として付加車線を設置するもので、国が検証区間として選定した4路線のうちのひとつとなります(岡山米子道として1路線)。賢い道路利用のひとつと言えますが、投資を極力抑えて最大の効果を上げるためのもので、その効果を検証することにより、高速道路の暫定2車線区間のサービス向上に取り組んで参ります。

 付加車線設置区間は、米子道の江府IC付近3.4km、岡山道の北房JCT付近4.7km、高梁SA~有漢IC付近2.7km、賀陽IC付近2.0kmの4区間となります。構造物は、江府IC付近区間で橋梁2橋(約0.5km)、トンネル2本(約0.8km)、北房JCT付近区間で橋梁5橋(約0.7km)、トンネル1本(約1.4km)、高梁SA~有漢IC付近区間で橋梁1橋(約0.2km)、賀陽IC付近区間で橋梁2橋(約0.3km)です。平成28年度に事業認可を受けて、全区間で測量と設計を行っており、一部工事に着手しました。



付加車線試行設置事業の概要


 ――現段階での課題はありますでしょうか

 京極 土工部分が多くトンネルも含めて基本的に捨て土工区なので、切土の処分場が課題でしたが、沿道の自治体のご協力を得て処分場を確保できました。工区全体で30~40万m3の捨て土が出ますが、現時点でほぼすべて処理できる目途が立っています。

 構造物での技術的な課題はないと考えています。トンネルの地山は地盤が固く、Ⅰ期線建設時も問題なく掘削できましたし、橋梁の下部工、上部工ともに特殊な型式はなく、Ⅰ期線と概ね同様になっています。橋台はⅠ期線建設時に一体型で施工済みのものが数箇所ありますが、特徴的なのが高梁SA~有漢IC間の佐山橋です。橋脚のⅠ期線とⅡ期線のフーチングが一体となっていて、Ⅰ期線建設時に施工済みで、さらに下から数m分の橋脚が施工済みとなっています。ただ、Ⅰ期線建設後に阪神大震災があり、耐震基準が変わっていますので、Ⅰ期線とⅡ期線の設計で動的解析を行いながら、検討を進めているところです。

 ――スマートIC新設事業については

 京極 山陽道の沼田PAスマートICと福山SAスマートIC(ともに広島県)は平成29年度末に完成予定で、ほかに中国道の湯田PAスマートIC(仮称)(山口県)と松江道の加茂BSスマートIC(仮称)(島根県)で事業を行っています。湯田PAスマートIC(仮称)は、線形的に中国道本線やPAのランプを跨ぐことになりますので、ランプ橋を建設します。その鋼上部工工事を平成29年度末に発注します。加茂BSスマートIC(仮称)は平成29年8月に認可を受けて、測量、設計を行っています。



沼田PAスマートIC完成予想図


沼田PAスマートIC施工写真


 ――今年度開通する2つのスマートIC新設の目的は

 京極 例えば、沼田PAスマートICは、広島ICと五日市IC、広島道の広島西風新都ICの中間点に位置します。それぞれのIC周辺の道路では、住宅地が密集しているので朝夕通勤時のICまでの渋滞が発生しています。その渋滞緩和を目的のひとつとして整備をしていて、各ICの交通量分散を期待しています。福山SAスマートICも同様です。