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インタビュー詳細

2018年新年インタビュー① 東海環状自動車道・名古屋環状2号線など事業進む

中部地方整備局 続く橋梁上部工の施工

国土交通省
中部地方整備局
道路部長
河南 正幸 氏

 国土交通省中部地方整備局は、東海環状自動車道、名古屋環状2号線といった東海地方を取り巻く2つの環状道路の整備をはじめとして三遠南信道や伊豆縦貫道など未だ高規格幹線道路が開通していない地域の利便性を高める道路事業などを全力で進めている。そうした事業の進捗状況や技術的課題、維持管理分野も含め、河南正幸道路部長にインタビューした。(井手迫瑞樹)


東海地方の肝であるものづくり産業に資する道路整備を進める

 改築事業費の約5割を2つの環状道路に集中投資 


 ――管内の道路に関する課題と主要な道路事業の進捗状況について

 河南(かんなん)部長 中部地方は、自動車などを中心にものづくり産業が活発です。部品から組み立てまで沢山の方が関わる産業ですから、ヒトとモノの流れがしっかりしていないとならず、定時性や速達性が確保された道路ネットワークの整備が不可欠です。中部地方整備局では名古屋環状2号線や東海環状自動車道のような環状機能ネットワークをしっかりと構築しなければなりません。もう1つは伊豆縦貫自動車道や三遠南信自動車道のような高規格幹線道路がつながっていないところをしっかりつないでいくことにより、地域の活性化のお役に立つ道路を建設していくことに注力しています。

 同時に渋滞などの課題が顕在化している箇所があるため、そういったところをピンポイントの対策で補完していくことも必要です。


 ――局の所管地域は管内が東西に広く、高低差もかなりあるので、大変だと思います。主要道路事業では、どこに注力していますか

 河南 とりわけ東海環状、名古屋環状2号線という2つの環状道路は重要な事業です。今年度の当初予算では改築事業で約1,500億円ですが、そのうちの約480億円を東海環状に投資しています。名古屋環状2号線は国道302号を含め約278億円であり、この2つの事業に改築予算の約5割を投資し、力を入れて取り組んでいます。

 ――東海環状自動車道の進捗状況は

 河南 全体延長約160kmのうち、豊田東JCT~関広見ICや大垣西IC~養老IC間等の延長約86kmが開通済みです。現在は西回り区間の延長76.6kmの事業を進めています。同区間の構造物は橋梁が約45.1km、トンネルが15.3kmあり、構造物比率は約79%に達しています。

東海環状道路概要図(中部地方整備局公表資料より抜粋)

 現在、大安IC(仮称)~東員IC間延長約6.1kmについて平成30年度の開通に向けて橋梁上部工事を施工中です。同区間の橋梁延長は約5.9kmに達しています。次いで関広見IC~高富IC(仮称)間延長約8.4kmについて、平成31年度開通に向けて、改良工事、橋梁上下部工事、トンネル工事を推進中です。同区間の構造物は橋梁が2.3km、トンネルが3.6kmとなっています。

 主な構造物としては東深瀬4号高架橋(橋長338m、鋼7径間連続非合成少数鈑桁橋)、東深瀬1号高架橋(橋長135m、PC4径間連結コンポ桁橋)、岐阜山県トンネル(1,117m)、広見トンネル(206m)があります。

 大野・神戸IC(仮称)~大垣西IC間約7.6kmについては、平成31年度開通に向けて改良工事、橋梁上下部工事を推進中です。この区間は全線高架構造です。

 残る未開通区間43.8kmも早期開通に向けて、用地買収や工事などを推進しています。残区間の構造物は橋梁が約20km、トンネルが11.7kmとなっています。

※編注 12月18日に高富IC~大野・神戸IC間および北勢IC~大安IC間の平成36年度開通が示された。


 ――名古屋環状2号線は

 河南 現在名古屋西JCT~飛島JCT(仮称)間延長約12.2kmについて今夏に開通見通しを公表し、平成32年度の開通に向けて工事を進めています。なお、全線高架構造です。本事業は直轄と中日本高速道路の合併施行方式により建設しています。現在、JRの跨線部の架設について調整中ですが、夜間の限られた時間の中での厳しい工事になることが想定されます。平成32年度の開通にむけて、工程を管理していくことが重要です。


飛島大橋右岸側の進捗状況(中部地方整備局提供、以下注釈なきは同)


飛島大橋左岸側の進捗状況

 主な構造物としては、梅之郷南1高架橋(橋長224m、鋼3径間連続鋼床版箱桁橋)、飛島大橋(706m、鋼5+5径間連続細幅箱桁橋)、飛島木場高架橋(橋長350m、綱7径間連続少数鈑桁橋)があります。


三遠南信は6区間が事業中

 飯喬道路 天龍峡大橋が上部工事を進捗中

 ――東海環状自動車道、名古屋環状2号線に次ぐ事業費の路線は

 河南 まず、三遠南信自動車道があります。全体延長約100kmのうち、約26kmが開通しています。現在は飯喬道路の龍江IC(仮称)~飯田東IC(仮称)間約3.4km、同道路の天龍峡IC~龍江IC(仮称)間約4.0km、飯田東IC(仮称)~喬木IC間約7.5km、青崩峠道路小嵐IC(仮称)~水窪北IC(仮称)間約5.9km、佐久間道路・三遠道路の佐久間IC(仮称)~東栄IC(仮称)間約6.9km、東栄IC(仮称)~鳳来峡IC間約7.1kmの各工事を進めています。


三遠南信道路概要図(中部地方整備局発表資料より抜粋)

 ――事業区間ごとの進捗状況は

 河南 飯喬道路の龍江IC(仮称)~飯田東IC(仮称)間は今年度の開通に向けて改良工事及び舗装工事が進捗中です。

 天龍峡IC~龍江IC(仮称)間は平成31年度の開通に向け、改良工事、橋梁上部工事、舗装工事を推進しています。同区間には特徴的な橋梁として天龍峡大橋(橋長280m、鋼上路式アーチ橋)、イタチヶ沢大橋(橋長206m、PC2径間連続ラーメン箱桁橋)があり上部工事が進捗中です。構造物は橋梁が約0.9kmあります。


天龍峡大橋(11月中旬撮影)


青崩峠道路トンネルは5kmを超える調査坑を施工中

 同飯田東IC(仮称)~喬木IC(仮称)間は改良工事を実施中です。橋梁区間は約1.4km、トンネル区間は約3.3kmとなります。

 青崩峠道路小嵐IC(仮称)~水窪北IC(仮称)間は改良工事およびトンネル調査坑工事を推進しています。青崩峠道路トンネルは調査坑を施工中ですが、その長さは5kmを超える長いものです。本坑も4,998mです。橋梁は約0.2kmとなります。


小嵐坑口


池島坑口

 佐久間道路・三遠道路の佐久間IC(仮称)~東栄IC(仮称)間は平成30年度の開通に向けて改良工事や橋梁上部工事、トンネル工事、舗装工事を進めています。現在は佐久間第二トンネル(2,408m)を施工中で同トンネルは今年度中に施工が完了する予定です。

 佐久間道路・三遠道路の東栄IC(仮称)~鳳来峡IC(仮称)間は改良工事、トンネル工事を推進しています。三遠道路3号トンネル(3,565m)は現在、両側から掘進中です。


伊豆縦貫道 32.6kmが事業中 構造物は橋梁とトンネルがほぼ半数ずつ

 天城北道路 大平IC~天城湯ケ島IC(仮称)間は平成30年度の開通目指す


 ――伊豆縦貫自動車道は

 河南 全体延長約60kmのうち約13kmが開通済みです。また32.6kmが事業中区間となっています。事業中区間の構造物は橋梁が約9.2km、トンネルが約9.1kmと構造物が約56%を占めています。

 ――現在事業中の路線は

 河南 天城北道路の大平IC~天城湯ケ島IC間(仮称)延長5.1kmについて、平成30年度の開通に向けて改良工事、橋梁上部工事、トンネル工事、舗装工事を展開しています。同区間の構造物は橋梁が1.6km、トンネルが2.7kmとなっています。主な構造物としては、狩野川横断高架橋(橋長171m、RC上路式アーチ橋)、狩野川高架橋(橋長360m+439m、PC10径間連続コンポ橋+PC5径間連続ラーメン箱桁橋)、湯ケ島第2トンネル(1,016m)、同第3トンネル(199m)があります。

 河津下田道路(Ⅱ期)は河津IC(仮称)~下田北IC(仮称)間延長6.8kmについては、改良工事や橋梁下部工事、トンネル工事などを推進しています。同区間の延長は橋梁が1.1km、トンネルが3.6kmとなっています。


狩野川横断高架橋のアーチ桁(11月中旬撮影)

 残る未開通区間(大場・函南IC~函南(仮称)間1.9kmおよび下田北IC(仮称)~下田IC(仮称)間5.7km)7.6kmについても、早期開通に向けて用地買収等を推進しています。残り区間の構造物は橋梁が2.1km、トンネルが2.8kmの計画です。

 ※編注 12月13日には社会資本整備審議会の中部地方小委員会にて、残る天城湯ケ島~河津間の比較ルート案について審議、西側ルートとなる対応方針(案)が了承され、事業化に向けて動き出した。