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インタビュー詳細

気仙沼湾横断橋、津谷川橋など長大橋が続々と進捗

仙台河川国道事務所 復興・復興支援道路建設佳境へ

国土交通省
東北地方整備局
仙台河川国道事務所
所長
松居 茂久 氏

 仙台河川国道事務所は、宮城県内の三陸沿岸道路の整備と東日本大震災の津波によって損壊・流失した国道45号の復旧、国道4、6、45、47、48、108号の整備と合計497kmの維持管理を行っている。また、三陸沿岸道の整備を進めるほか、国道45号の復旧、国道4号仙台拡幅などの事業を進めている。保全の話題も含め松居茂久所長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


国道6路線、合計497kmを管理

 国道45号の復旧、三陸沿岸道路の整備に全力

 ――管内の地理的特徴と道路網の現状についてお答えください。また、被災から現在までの復興・復興支援道路事業の進捗について教えてください

 松居所長 当事務所は、宮城県内の三陸沿岸道路の整備と東日本大震災の津波によって損壊・流失した国道45号の復旧、国道4、6、45、47、48、108号の整備と合計497kmの維持管理を行っています。

 岩手県からは北上川が県北を、福島県からは阿武隈川が県南を流れ、さらには鳴瀬川、七北田川、名取川が県の中央部を東西に貫き、太平洋に注いでいます。これらの流域では堆積した土砂による平野が発達しています。東北にあっても太平洋側の気候であり、平野部を中心に温暖ですが、西側の山形県境部では奥羽山脈が南北に走り、裾野に当たる西部は冬期間の降雪が多い地域となっています。

 道路網については、東北縦貫自動車道、三陸沿岸道路、仙台南部道路、仙台北部道路が仙台都市圏をリング状に囲む高速環状ネットワークが形成されており(通称:ぐるっ都・仙台)、常磐自動車道の全線開通や三陸沿岸道路の延伸などにより、とりわけ仙台都市圏東側の交通需要が大きく伸びてきている状況です。縦軸が東北縦貫道と2本形成されることにより、首都圏との関わりも従来の東北縦貫道に頼る形から、常磐道にシフトしており、現在では東北縦貫道より交通量は卓越しています。これにより仙台市内の国道は、利用交通量が10万台/日を超える箇所も出ています。

 当事務所においては、交通量が多く渋滞が発生している国道4号では金ヶ瀬拡幅、仙台拡幅などの事業を進めています。縦軸に比べて、遅れている横軸の整備は、現在は国道108号古川東バイパスの整備に力を入れています。

 また、峠部を通過する国道47、48号では、夏季の台風や冬季の豪雪などの影響を受けやすいため線形改良や橋梁架替等の事業を行っています。


三陸沿岸道路 残り38kmの整備を進める

 南三陸道路は整備大詰め

 ――進捗中および今後の道路事業について概要・現況をお答えください

 松居 復興のリーディングプロジェクトとして整備を進めている三陸沿岸道路は、全線で359kmあり、そのうち宮城県が126kmとなっています。これまでの開通済み延長は88kmで、残り38kmが事業中です。現在は南三陸町志津川(南三陸海岸IC)まで開通しており、今後は気仙沼湾横断橋をはじめ、大規模構造物が多い気仙沼方面の工事進捗を図っていきます。


三陸沿岸道路で稼働中の工事一覧


 詳細をまず南三陸道路から申し上げます。

 同道路は登米志津川道路と歌津本吉道路(歌津~本吉)を結ぶ志津川IC~歌津IC間(本吉郡南三陸町志津川~同町歌津)延長7.2kmの区間です。この区間のうち、平成29年3月20日に志津川IC~南三陸海岸IC間の3.0kmが開通しています。残る南三陸海岸IC~歌津IC間4.2kmを29年度の開通を目指して工事を進めています。28年度末の事業進捗率は約88%となっています。


南三陸道路(仙台河川国道事務所HPより抜粋)

 同区間の構造物としては、橋梁が立沢川橋(165m)、大上坊川橋(146m)、蛇王川橋(121m)、トンネルは4号トンネル(406m)があり(いずれも仮称)、構造物比率は20%となっています。橋梁は全ての下部工が完成しています。上部工も全て工事着手しており、大上坊川橋は完成しています。また、4号トンネルも完成しています。今後は舗装が主となってきます。


南三陸道路構造物一覧(仙台河川国道事務所提供、以下注釈なきは同)


歌津本吉道路は下部工が進捗

 ――歌津本吉道路は

 松居 歌津本吉道路は、南三陸町の南三陸道路と気仙沼市の本吉気仙沼道路Ⅱ期を結ぶ歌津IC~本吉IC(仮称)間(本吉郡南三陸町歌津~気仙沼市本吉町津屋長根)延長12.0kmの事業区間で、歌津IC~卯名沢IC(仮称)間10kmを平成30年度まで、卯名沢IC~本吉IC間2kmを平成32年度までの開通を目指し工事を進めています。用地所得は完了しています。工事を全面展開して事業の進捗を図っており、28年度末の事業進捗率は74%となっています。


歌津本吉道路地図(仙台河川国道事務所HPより抜粋)


歌津本吉道路構造物一覧

 同区間の構造物としては、橋梁が伊里前川橋(180m)、港川橋(107m)、柳沢川橋(94m)、外尾川橋(65m)、津谷川橋(190m)、登米沢橋(115m)、本吉跨道橋(102m)(以上いずれも仮称)があり、構造物比率は7%となっています。

 橋梁は全ての下部工に着手しています。伊里前川橋、港川橋は既に完了しています。その他の下部工も今年度中に完成する予定です。上部工は港川橋、津谷川橋を工事着手しています。


本吉気仙沼道路Ⅱ期 赤牛川橋など進捗

 ――本吉気仙沼道路Ⅱ期は

 松居 歌津本吉道路と気仙沼市の本吉気仙沼道路を結ぶ本吉IC~大谷IC(両ICとも仮称)間(気仙沼市本吉町津谷長根~同町九多丸)延長約4.0kmの事業区間で平成30年度の開通を目指し工事を進めています。現在の用地取得率は99%であり、工事を全面展開して事業の進捗を図っており、平成28年度末の事業進捗率は82%となっています。


本吉気仙沼道路Ⅱ期および本吉気仙沼道路地図(仙台河川国道事務所HPより抜粋)


本吉気仙沼道路Ⅱ期構造物一覧

 同区間の構造物は、大沢川橋(64m)と赤牛川橋(71m)(いずれも仮称)があり、構造物比率は3%となっています。橋梁は全ての下部工に着手し完成しています。上部工も全て着手しており、29年度中に架設を完了する予定です。


赤牛川橋


本吉気仙沼道路 29年度内に開通目指し工事が進む

 ――本吉気仙沼道路は

 松居 本吉気仙沼道路Ⅱ期と気仙沼道路(気仙沼~唐桑南)を結ぶ大谷IC~気仙沼IC(両ICとも仮称)間(気仙沼市本吉町九多丸~同市松崎高谷)延長7.1kmの事業区間です。平成29年度の開通を目指して工事が進められており、28年度末の事業進捗率は85%に達しています。


本吉気仙沼道路構造物一覧

 構造物は、滝根川橋(21m)、面瀬川橋(42m)(いずれも仮称)の2橋で構造物比率は1%です。下部工は完成しており、上部工を施工中です。


気仙沼道路 構造物比率は57%

 気仙沼湾横断橋は下部工が終盤

 ――気仙沼道路(気仙沼~唐桑南)は

 松居 気仙沼道路は、本吉気仙沼道路と唐桑道路(供用済み)を気仙沼湾を渡海して結ぶ気仙沼IC~唐桑南IC(いずれも仮称)間(気仙沼市松崎高谷~同市唐桑町只越)延長9.0kmの事業区間です。そのうち気仙沼IC~気仙沼港IC(仮称)間1.7kmについて平成31年度の開通を目指し工事を進めています。気仙沼道路の現在の用地進捗率は92%であり、28年度末の事業進捗率は48%となっています。


気仙沼道路地図(仙台河川国道事務所HPより抜粋)



気仙沼道路構造物一覧

 主要構造物は、橋梁が気仙沼IC跨道橋(81m)、片浜跨道橋(34m)、片浜跨線橋(36m)、気仙沼湾横断橋(1,344m)、波板大橋(145m)、波板橋(54m)、鹿折橋(ししおり、120m)、大峠山橋(276m)、唐桑南ICオフランプ橋(61m)があります。また、トンネルは気仙沼1号トンネル(361m)、大峠山トンネル(469m)、気仙沼2号トンネル(1,167m)があります(構造物は全て仮称)。構造物比率は57%となっています。


気仙沼湾横断橋の主塔下部の施工

 橋梁は気仙沼IC跨道橋、片浜跨道橋、片浜跨線橋、気仙沼湾横断橋の下部工に着手しています。片浜跨道橋、片浜跨線橋の下部工は完成しています。その他の下部工は発注準備中です。上部工は気仙沼IC跨道橋、気仙沼湾横断橋の斜張橋および3径間が発注済みで残る7径間についても契約手続き中です。その他の上部工も順次着手していく予定です。

 トンネルは気仙沼2号トンネルが貫通しており、同1号トンネル、大峠山トンネルは発注準備中です。


唐桑高田道路 平成30年度の完成目指す

 ――唐桑高田道路(唐桑北~陸前高田)は

 松居 唐桑道路と高田道路(いずれも供用済)を結ぶ唐桑北IC~陸前高田IC(両ICとも仮称)間(気仙沼市唐桑町舘~岩手県陸前高田市竹駒町相川)延長10kmの事業区間です。そのうち唐桑北IC~県境トンネル(仮称)間約2.0kmを当事務所が担当しており、(全線10kmについて)平成30年度の開通を目指して工事を進めています。用地取得は完了しており、工事を全面展開しています。事業進捗率は69%です。


唐桑高田道路地図仙台河川国道事務所HPより抜粋)


唐桑高田道路構造物一覧

 構造物は、夜這路川橋(24m)、青野沢川橋(287m)、県境トンネル(910m)があり(いずれも仮称)、構造物比率は61%となっています。

 青野沢川橋の下部工は全て完了しており、上部工も桁製作中です。夜這路川橋は下部工が今年度完了予定で、上部工は発注準備中です。

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