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インタビュー詳細

白鳥大橋補修も佳境 室蘭新道耐候性鋼材橋を補修

室蘭開建 台風10号復旧、日高自動車で大型構造物が進捗

国土交通省
北海道開発局
室蘭開発建設部長
平野 令緒 氏

管理構造物は橋梁480橋、トンネル40箇所

 鋼橋は225橋と橋梁全数の半分近く占める

 ――次に現在、管理している橋梁・トンネル数、供用年数について教えて下さい

 平野 管理している橋梁は480橋、トンネルは40箇所あります。鋼橋が225箇所と全体の半数近くを占めます。また、橋長では15m以上が363橋と4分の3を超えます。供用から50年以上経った橋梁が約80橋あり、20年後には3分の2の300橋超が橋齢50年を超える見込みです。

 トンネルは、在来矢板工法が23箇所と過半を占めます。500m未満が22箇所と60%を占める一方で、1000mを超えるトンネルも9箇所に達します。供用経過年数は50年以上が9箇所、30年以上が23箇所となっています。



 ――点検を進めてみて管内各路線の劣化状況について詳しく教えてください

 平野 管内の橋梁では、北海道の特徴でもある、凍害や塩害によるコンクリート部材の損傷や鋼材が腐食している構造物も見受けられます。また、伸縮装置や橋面防水の劣化により漏水が発生し、漏水が起因となって遊離石灰、剥離・鉄筋露出などの損傷も見受けられます。

 一方、管内のトンネルでは、昭和30~40年代に完成したトンネルで、経年劣化による覆工コンクリートの浮きや漏水防止板の腐食などの損傷が見受けられます。

 ――橋梁など耐震補強の実施状況、および落橋防止装置の設置状況についてお答えください

 平野 管内で耐震補強が必要な橋梁は135橋で、うち緊急輸送道路では127橋となっており、昨年度から耐震補強を実施しています。落橋防止装置については、昨年度は1橋(国道235号の静内橋)で落橋防止装置を設置しています。


室蘭新道で耐候性鋼材橋の一部が劣化

 直轄国道で唯一の吊り橋である白鳥大橋

 ――橋梁の長寿命化修繕計画に基づいた対策の進捗状況についてお答えください。また具体的な損傷状況と補修補強内容についても例を挙げてください

 平野 平成29年度以降に補修対策が必要とされている橋梁は121橋あり、今年度は29橋の施工を予定しています。

 主な損傷内容としては、塩害・ひび割れ・遊離石灰、床版・伸縮装置からの漏水、防護柵の劣化損傷などで、それらに対する補修として、ひび割れ補修、断面修復、伸縮装置取替、床版防水、床版打ち替え、防護柵取替などを実施しています。

 特に室蘭新道(一般国道36号のうち、室蘭市内を通過する延長約4.2kmの自動車専用道路)の主要部分を構成する橋梁は、建設から40年以上が経過した現在、主要部材の耐候性鋼材も劣化が見受けられることから、適切な補修方法や予防的修繕について討議し、長寿命化を図ることを目的とした、室蘭新道長寿命化委員会を開催し、環境区分、現地条件や橋梁設計を確認し、補修方針、鋼材の腐食度評価手法について検討した上で、補修工事の計画策定、工事を推進しています。


耐候性鋼材橋の劣化状況


 ――管内には白鳥大橋という美しい吊橋もあります。この維持管理については

 平野 直轄国道で吊橋形式を採用しているのは実は白鳥大橋だけです。

 ――考えてみればそうですね

 平野 余り知られていませんが、そうなんです。

 ただ、長大吊橋は美しい構造ですが、部材交換や架替えが困難であることから、適切な予防保全による長寿命化が必要となっています。実際に塗装の劣化も目立ってきていました。そのようなことから、白鳥大橋維持管理計画検討委員会を設置し、維持管理計画の策定を行いました。

 検討項目は、橋梁点検により確認された損傷報告から抽出しました。これまでに付属設備である桁下作業車の補修の際の金属溶射による防食機能の向上や塗装厚減少量の劣化予測による残存耐用年数の評価、塗装補修計画の作成、ハンガーロープの損傷評価と保全対策の検討、鋼床版の損傷評価などを行ってきました。

 ――維持管理計画の具体的な内容と鋼床版の損傷評価の結果を教えてください

 平野 主な防食対策として、塗装塗替計画を策定しており、予防保全の観点から鋼材が露出する前に再塗装を実施する方針としています。紫外線劣化に対し強い表層のフッ素系塗装層の消失を塗替時期の指標とし、エポキシ樹脂塗装層の中塗が無くなり下塗りが露出するまでに塗替を行うこととしています。

耐用年数は、架設時から計測していた塗膜測定値を用いて、劣化予測を行い、およそ24年程度のサイクルを目安として塗替計画を行うこととしております。

 ――ハンガーロープの塗り替えについては

 平野 ハンガーロープの塗り替えについては現在、検討を行っているところです。(※ハンガーロープの腐食の対策等発表されているようですが補足いただけませんか?)

塗り替えとは違いますが、ハンガーロープの支点部分について、軽度の腐食が確認されたことから腐食の進行を防止する対策を行っている。対策は本四公団でもおこなっている防錆材を注入する手法に加え熱可塑性プラスチックで被覆する対策工を計画している。


 ――白鳥大橋の補修工事の進捗状況は

 平野 塗り替えは主塔が全て完了しており、補剛桁に取り掛かっています。また、鋼床版の防水機能の向上を目的に、片側通行規制をしながら舗装補修を実施しています。

 ――防水機能の向上といわれましたが、具体的にどのような工法・材料を採用しているのですか

 平野 建設時の舗装構成は、グースアスファルト+本四改質Ⅰ型としていましたが、グースアスファルト+改質Ⅲ型-WFに変更しています。

 舗装補修は平成10年の開通から18年経過してなお、大きな損傷や轍が見受けられませんでした。しかし、経年劣化により、部分的にグースアスファルトに亀裂が生じており、そこから浸水した雨水による鋼床版の腐食が確認されたことから、止水機能の回復のためグースアスファルトを再舗設しているところです。また、舗装端部やひび割れ誘発目地において目地材の劣化による止水機能の消失が確認されており、現在試験的に伸縮性や追随性に富む目地材を設置し検証を行っています。