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インタビュー詳細

2775橋を管理。LCCも考慮した長期的な視野での保全に取り組む

埼玉県 上武大橋などの架け替え事業を進める

埼玉県
県土整備部長
西成 秀幸 氏

供用後50年以上経過した橋梁は約4割

 トンネルでは約2割

 ――保全について、まず管内の橋梁の内訳について教えてください

 西成 橋梁は2,775橋(平成28年4月1日現在)で、車道橋が約9割の2,490橋で残りは側道橋となります。橋種別では約半分がRC橋で1,435橋、鋼橋は520橋(18.7%)、PC橋が711橋(25.6%)、混合橋が98橋(3.5%)、石橋などのその他が11橋(0.4%)となっています。

 供用年次別では、約4割が供用開始後50年を経過していて、高度経済成長期(供用開始後40~60年)のものが約4割で、今後20年で50年を経過する橋梁が8割に達します。延長別では、15m未満が約6割で1,771橋、100m以上の長大橋が212橋(7.6%)あります。

 種類別では、15m未満の橋梁のうちRC橋の比率が75.6%と高くなっていて、15m以上では鋼橋とPC橋がそれぞれ約4割となっています。鋼橋では30m以上で50.3%と比率が高く、PC橋では橋長15~30mで55.1%です。



橋種別橋梁数



供用年次別橋梁数



竣工年度別橋梁数の推移



橋長別橋梁数


 ――トンネルの内訳は

 西成 全体で44箇所あり、NATM工法が約半分の23箇所、在来工法が12箇所、素掘り工法などのその他9箇所となっています。供用年次別では、約2割が50年を経過していて、高度経済成長期のものが4箇所、今後20年で50年を経過するトンネルは40.6%となっています。延長別では、1kmを超えるトンネルは4箇所あります。



工法別トンネル数



供用年次別トンネル数



延長別トンネル数


平成28年度までに302橋の修繕を実施

 今年度からの5カ年で約600橋を予定

 ――保全に対する基本的なお考えは

 西成 橋梁は高度経済成長期に建設されたものが多く、今後急速に老朽化が進んでいきますので、県でも長寿命化計画を策定して進めていきます。架け替えと修繕の判断は難しいところですが、架け替えにはかなり費用がかかりますから、長く持たせることを基本として修繕を中心に長寿命化をはかっていきます。ただ、修繕では対応しきれないものもありますので、それを見極めながら架け替えと修繕をバランスよく行っていきたいと考えています。

 トンネルについては新しいものが多いので、現段階では大きな負担にはなっていませんが、今後老朽化が進んでいけば管理費用は発生してくると思います。

 ――橋梁長寿命化計画についてお教えください

 西成 平成17年度から橋梁点検を開始しています。平成21年度に15m以上の橋梁を対象とした長寿命化修繕計画を策定して、それに基づいた5カ年実施計画を「橋梁修繕アクションプラン」と名づけて、定期点検と計画修繕を進めてきました。平成28年度までの8年間で302橋の計画修繕を実施しています。平成26年からの橋長2m以上の定期点検義務化にともない、平成28年度に15m未満も含めた橋梁を対象とした保全計画に一本化して、5カ年計画の見直しを行いました。点検修繕だけでなく、LCCも判断材料に入れて長期的な視野に立った保全の新しい考え方を追加した計画にしています。今年度からの5カ年計画で約600橋の修繕、更新を行う予定です。


措置が必要な段階の橋梁は約2割

 緊急措置段階の橋梁はすべて対策完了

 ――点検を進めてみての劣化状況は

 西成 橋梁では、措置が必要な判定区分Ⅲ(早期措置段階)とⅣ(緊急措置段階)は全体の約2割でした。残りの8割は、健全または予防保全段階(判定区分ⅠとⅡ)です。緊急輸送道路で判定区分ⅢとⅣのものは2割以下となっています。緊急措置段階と判定された橋梁はすべて対策完了済みです。



橋梁の健全度状況(平成28年度末時点)


 トンネルについては法定点検を実施したのは2箇所で、判定区分Ⅳでしたが、材質劣化によるもので補修工事としてはく落対策工事をすでに実施しています。そのほか、約20箇所が現在点検中で平成29年度中に完了予定です。

 ――橋梁の全般的な損傷状況は

 西成 鋼橋では、塗膜の劣化が主な損傷として見受けられ、とくに桁端部で錆が著しいケースがあります。鋼床版では交通量の多い箇所でのき裂が確認された事例があります。RC橋では、床版下面の劣化が見受けられる箇所もありますので、点検で判定区分Ⅲ以上のものでⅣは速やかに、Ⅲは5年以内に状況を見ながら修繕を行っていく予定です。PC橋については、緊張部分の間詰めコンクリートの劣化やグラウト充填不良による劣化が見られるケースがあります。


昭和55年より古い基準の緊急輸送道路の132橋は耐震補強対策完了

 平成33年度までに昭和55年以前の対象橋梁すべての対策を完了予定

 ――耐震補強の進捗状況をお教えください

 西成 昭和55年道路橋示方書以前に建設され、耐震補強が必要な橋梁は302橋となっています。跨線橋、跨道橋の対策を最優先で行い、その後、緊急輸送道路の橋梁の対策を進め、平成27年度に対象となる132橋は完了しました。平成26年度からは緊急輸送道路以外の橋梁の耐震補強工事を行っています。対象は170橋で、現在までに71橋が完了し、残りの99橋は平成33年度までに完了させる予定です。

 緊急輸送道路の橋梁は、耐震性能2を満足する形で速やかに機能復旧ができる対策を行いました。緊急輸送道路以外の対策については、人的被害を回避する目的で落橋に対する安全性確保ができる耐震性能3で進めています。

 元荒川を渡河する県道154号・川島橋(橋長72.1m、幅員8.0m、3径間単純合成鈑桁橋)では、平成28年度に耐震補強工事を行いました。橋脚(P2)補強工では、オリエンタル白石が開発したピア-リフレ工法を採用して、圧入鋼板巻き立てを行い、A2、P3に落橋防止装置の設置をしています。





川島橋の耐震補強工事


 ――ロッキング橋脚の対策については

 西成 東北道の跨道橋が7橋あり、東日本高速道路さんと協議を進めています。