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インタビュー詳細

2017年わが社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ③日本ファブテック

12月に熊谷工場の増築完了 鉄骨の山積みは来年いっぱい

日本ファブテック株式会社
代表取締役社長
坂本 眞 氏

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業の一つと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を訪ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。第2回目は、日本ファブテックの坂本眞社長とJFEエンジニアリングの川畑篤敬常務執行役員社会インフラ本部副本部長の記事を掲載する。


 ――前期の業績について

 坂本 前年度は受注高407億円、売上高353憶円、経常利益8億8,000万円だった。統合初年度ということで販管費が膨らんだが、鉄骨の単価アップ等により一定の利益を確保することができた。

 ――足元の需要環境は

 坂本 近年の鉄骨需要は年間500万t程度で推移しており、今年度も同水準の需要が継続する見通しにある。市場を見ると、オリンピックに直接関係する施設や人のアクセスに関する施設以外は、無理してでも2020年までに整備しようという傾向にない。そうした物件が後送りになることで、少なくとも今後5年程度は現状レベルの安定した需要が望めるのではないか。橋梁は、7月までの発注量が前年同期比で50%近く伸びている。とくに中部、関東、東北、四国などで案件が多い。年間発注量は20万tを回復し、22~23万tまで伸びる可能性もある。

 ――受注状況は

 坂本 鉄骨はすでに来年いっぱいの山積みが見えている。再来年の1~3月がやや薄い状態だが、鉄骨はどうしても期ズレが生じるので、これくらいの山積みがちょうど良いのかと思う。橋梁は以前から受注が下期に偏る傾向にあったが、今年度は第一四半期に複数の案件を受注しており、今年度の山積みは良いところまで来ている。これからは主に来年度以降の仕事の受注に臨む。手持ちの大型案件が終盤に向かい、長期のストックが切れてくるので、そのあたりを意識した受注活動を展開していく。

 ――各工場の稼働状況は

 坂本 取手工場は橋梁、鉄骨とも稼働率が高く、鉄骨は溶接ロボットを駆使して柱を専門に加工している。鉄骨専用の熊谷、防府両工場はほぼフル稼働状態。熊谷は現在、一部建屋の建て替え・増築工事を行っており、12月に完成する。完成後は現状比3~4割増の生産量を見込んでいる。千葉臨海工場は鉄骨の大梁と橋梁を行っており、来年度からは鋼製セグメントの製作を本格化させる予定だ。

 ――今年度の業績目標は

 坂本 受注高480億円、売上高493憶円、営業利益13億円を目指す。受注目標は鉄骨7万t、橋梁1万8,000t、鋼製セグメント1万7,000tとしている。鋼製セグメントは過去にも受注実績があり、今年度の目標数値分についてはすでに受注が内定している。

 ――今期の設備投資計画

 坂本 今年度の総投資額は20億円程度を見込んでおり、熊谷工場の増築以外は溶接ロボットを含めた老朽化設備の更新が中心となる。ただ、取手、防府、熊谷の各工場は全体的に老朽化が進んでいるので、屋根のかけ替えや事務所、食堂の改修など就労環境の改善にも随時着手していく。



東武鉄道 鬼怒川温泉駅転車台(改造)


 ――新分野への対応

 坂本 技術開発面では合成床版の損傷検知システムや鋼・コンクリート境界部腐食検査システムなど、橋梁の維持管理分野を中心とするさまざまな技術開発に継続的に取り組んでおり、一部は実際の現場での採用実績も増えている。また新設分野では今後、長寿命化を図るための手立てを施工段階で施すことが重要だと考える。コンサルとタイアップするなどしながら、われわれも一緒になってその対応に取り組んでいきたい。

 ――各部門の課題と戦略

 坂本 橋梁部門の課題は、生産性の向上と大型案件の受注対応力の強化。最近は国交省案件をコンスタントに取れる力がついてきたが、一方でNEXCO等の大型には弱い。地道な情報収集に努めるとともに提案力を強化して、年間2件程度をコンスタントに受注できる体制を目指したい。鉄骨は、親会社である清水建設の物件に加え、他のスーパーゼネコンの大型再開発案件をいかに取り込んでいけるかがカギとなる。将来、需要が減った時でも使ってもらえるファブでなければ生き残れない。他ゼネコンとの信頼関係を築くべく、技術力や製造系のマネジメント力、生産管理面などの一層の強化に努めていく。(聞き手・田中貴士、文中敬称略)