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インタビュー詳細

2017年わが社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ②駒井ハルテック

BIM、CIMの一層の進化を ICT、IoTで次世代工場化を加速

株式会社駒井ハルテック
代表取締役社長
田中 進 氏

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業の一つと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を訪ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。第1回目は、川田工業の川田忠裕社長と駒井ハルテックの田中進社長の記事を掲載する。

 

 ――前年度の業績を振り返って

 田中 16年度の連結業績は売上高3646,800万円、営業利益109,500万円。対前期比で減収減益となったが、4年連続で黒字を確保し、昨年が最終年度であった第2次中期経営計画の目標値も達成することができた。

 ――現在の工場の稼働状況について

 田中 橋梁については、今年度前半はフル稼働の状態にあるが、後半がまだ十分に埋まり切っていない。ただ前年度末から今年度初めにかけて新設案件を数件受注できたことが、今後の稼働上昇に寄与する。鉄骨については、大型案件が輻輳(ふくそう)し高い山積み状況にあり、しばらくはフル稼働の状態が続く。

 ――鉄骨単価の状況は

 田中 過去数年でかなり改善が進んだ。発注者側にも適正な価格と工期をもって、ともにプロジェクトを進めていくという姿勢がみえる。われわれが手がける案件は、大型かつ特殊で、加工難度が非常に高いものが多く、最近では高い技術力や製作・施工難易度を反映した単価を理解いただける状況になってきた。

 ――今年度の需要見通しについて

 田中 橋梁は期ずれした案件が今年度に上乗せされ、発注量としては20万t台を回復するであろうというのが大方の見方である。鉄骨は依然堅調に推移し、需要量としては520万t程度と予測する。建設業全体として、技術者等の人手不足により各工事の立ち上げがやや遅れる傾向にあるが、東京五輪関連施設やインフラ整備、首都圏を中心とした大型再開発案件や大型施設、国土強靭化対策案件などが本格化し、しばらくは安定的に推移する。

 ――今年度の業績目標は

 田中 売上目標は連結で410億円。内訳は橋梁150億円、鉄骨ほかで260億円。営業利益は昨年度を上回る数値を目標としている。今年は新中期計画のスタート年度であり、最終年度目標とする売上高460億円、営業利益20億円の達成につながるよう全社一丸となって取り組んでいく。

 ――今期の設備投資計画について

 田中 老朽化設備の更新を中心に、省力化や生産性向上、さらには安全性向上を見据えたICT設備の導入を随時進めていく。懸案だったボックスラインはすでに更新を終え、大幅な生産性向上を実現した。今期は柱大組立て溶接ロボットの更新と同ラインの一部見直し、立柱式溶接架台の更新などを計画しており、さらにBIMCIMの一層の進化、高度化に向けた取り組みも積極化させていく。



国道178号線 浜坂道路 長谷橋上部工事


 ――今後の営業方針

 田中 橋梁はコスト競争力、技術提案力、積算力に加えて工事成績評価点の向上につながる生産・施工能力等をトータル的に強化することが非常に大事。そのうえで、官発注の新設橋梁の受注に注力し、一方でJR・道路会社や民間の受注拡大、さらには保全・補修工事の選別受注に努め、バランス良く効率的に運営していく。鉄骨は当社が得意とする大型で高難度な鋼構造案件の対応力・技術力を顧客にしっかりアピールし、積極的に受注していく。さらに五輪後を見据えて、発電やプラントの大型鋼構造物、そして海洋鋼構造物など幅広い分野の鋼構造物に継続して挑戦していく。

 ――最後に今後の抱負を

 田中 コア事業である橋梁と鉄骨の技術の融合を進化させ、一体的な受注・生産体制の強化に努める。また、業界環境が安定している今こそICTIoTなどによる工場のスマート化、次世代工場化に向けた動きを加速させていく必要がある。その推進が省力化や生産性向上、データ管理の充実に結びつくだけでなく、将来的な技術者の雇用確保にも繋がると考えている。また、新たな収益源を創出する新事業・新分野を模索し、収益基盤の多様化も推進したい。(聞き手・田中貴士、文中敬称略)